「──────・・ロ、クロロってば」 「んー・・・・」 「聞いてるのッ?!」 「あぁ・・・・」 「ホントに?」 「あぁ・・・・」 「1+1は?」 「あぁ・・・・」 「・・・・・・・・・・・クロロ」 「んー・・・・」 「悪戯しても、いい?」 「あぁ・・・・」 「・・・・・ふーん、分かった♥」 「クロロー」 「んー・・・・」 「出てくるね」 「あぁ・・・・」 「クロロー」 「んー・・・・」 「ちょっと人と会ってくるねー」 「あぁ・・・・」 「クロロー」 「んー・・・・」 「ちょっと五月蝿くするねー」 「あぁ・・・・」 「クロロー」 「んー・・・・」 「この紙に書いてある所に来てね」 「あぁ・・・・」 「──────・・・いからね」 「あぁ・・・・」 「・・・・・・・・・・ふう、中々面白かったな」 買い込んでいた本数十冊を読み終えたクロロ。 寝転がっていたソファーから立ち上がり身体を解す。 「・・・・・・やけに静かだな、や他のヤツ等はどこに行った?」 机を見ると一枚の紙が置いてあるのを見つけた。 「ん?『B1F 宝物庫横 祈りの間』?・・・・あぁ、あの十字架が壁に掛かっている所か。何であんな所に?」 現在仮宿にしているのはとある山林の奥深くにある別荘。(持ち主は既に死亡済) 2階(+地下1階)でコの字型のかなり規模の大きい建物である。 今いるのは2階のクロロが自室として使っている部屋。 地下に行くには中庭を挟んだ反対側にある階段を下りなければ辿り着かない。 何故指定場所がそこなのかと首を捻ってみるが答えも出ず、の字で書かれてあるので、そこにいるのだろうと検討を付けた。 「一先ずそこに行くとするか・・・・」 部屋を出る為扉を開ける。 ──────ヒュッットトトトトッ────── 「ッ、ナイフ?!」 ナイフの雨に襲われ、瞬時に後ろに跳んで避けた後、周りを警戒する。 が、それ以上何も起こらない。 「・・・・・シャルか誰かの悪戯か」 特に気にすることなく部屋から出て向かうことにした。 が・・・・・・ ──────ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンッッ────── 壁から毒鍼が飛んできたり、カーテンを使って叩き落とす ──────ガラガラガラガッシャーンッッ!!────── 巨大な刃がギロチンの如く落ちてきたり、大きく跳んで避ける ──────ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロドガシャンッッ!!────── 大玉が転がってきたり、叩き壊す ──────ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・────── 廊下の天井が落ちてきたり、閉じきる前に走り抜ける ──────ズ・・・ガラガラガラガラガラ・・・・・・────── 階段が崩れたり、崩れた部分を蹴り跳び越える ──────ドガガガガガガガガッッ!!────── マシンガンが乱射されたり、銃口にナイフを投げ使用不可に ──────・・・カチッパカッ────── 落とし穴(下に槍付)があったり、ナイフを壁に刺して落下を止め上に戻る ──────ジュウジュウジュウジュウジュウ・・・・・────── 物を溶かす液体が落ちてきたり、カーペットを被り回避 ──────シュシュシュシュシュシュシュッッ────── 見覚えのあるトランプが飛んできたり、ナイフを使って叩き落した後、全て焼却処分 ──────ヒュンッヒュンッヒュンッ────── 棘付巨大鉛玉が飛んできたり、鎖を切って方向転換 多種多様な罠が張り巡らされていた。 「いつの間に此処はカラクリ屋敷になったんだ・・・・?」 最初は可愛らしい仕掛けだったのが例の部屋に近付くにつれて本気で命を狙っていたりとえげつなさが増していた。 「ふぅ、やっと着いた・・・・・・」 少し疲れた様子はあるが、それでもトラップの全てを跳んで避けて走って叩き落し、服が少し汚れたり破ける程度で済んでいる辺り流石は幻影旅団団長と言える。 中に人の気配を感じ、扉を開こうとノブに手を伸ばす、 「・・・・・・・・・・」 のを止め、靴を片方脱ぎノブに当てる。 ──────バチバチバチバチバチッッ────── 靴がノブに触れた瞬間電流が爆ぜた。 「・・・・・・・・・・・」 靴を履き直し、 ──────ドカァッッッ────── 扉を蹴り破った。 「おぉー・・・・」「スゲェ、扉の電流に気付いたぞ」「流石団長だぜ・・・」「気付かなかったらオモシロかったのになぁ♦」 「ちょっと団長、危ないじゃんか!」「そうだよ、食べ物に入ったらどうするのさ?」「、酒零れる方が被害ジンダイね」「あ、そっか」「ちょっとそこは当たりそうになったオレを心配して!?」「ダイジョウブ?」「棒読みな心配ありがとう・・・・」 「団長にした来るのが遅かったね」「あら、コレくらいじゃないかしら?」「が読み終わると予想した時間から30分、だね」 「団長、お疲れさん」「コッチで呑もう」「団長の好きなプリンもあるよ」 中ではクモのメンバーが宴会をしていた。そこには目当てのの姿もある。 色々と言いたい事はあったが、先ずは混ざろうと部屋に足を踏み入れた。 ──────バシャァッ・・・・────── 「・・・・・・・・・オイ」 「ヨシ!!引っかかったッ!!」 「あーあ、最後の最後で嵌っちまった・・・」「せっかく今までのは避けてきてたのにな」「チッ、全部避けると思ったのに・・・」「水でアウトだから・・・」「シャル、賭けはどうなった?」 「えーっと、来ない2名、来るまでに引っかかるが2名、電流でアウト6名、水アウトが1名で全て避けるが2名だから・・・・の一人勝ちだね」 「ふふん、皆考えが甘いのよ」 「・・・・・・・、これはどういう事だ?」 「あら、クロロが私の話を全く聞いてなかったのが悪いのよ?私はキチンと『悪戯する事』も『外から来た方が早い事』も伝えたもの。いい運動になって良かったね」 「どうせ団長、いつもの如く聞き流してたんじゃないかい?」「だからいつも本に集中し過ぎるのは止めて下さいと言ってますのに」「自業自得ですね」 「あれだけ五月蝿くしてたのに気付かなかったのかよ」「ムダムダ、団長本読んでたら敵の襲撃にも無意識に対処するぐらいだぜ?」「話ホント聞かないね」「返事だけはするから厄介なんだよねぇ」「呼び続けるとナイフ飛んでくるしよぉ」「ボクには話し掛ける前に飛んでくるけどね♥」「だけだよね、何もされないの」 「今回は団長が悪い」「素直に謝っておいた方がいい」 「・・・・・・・・・・・悪かった」 「今度5回以上声掛けても聞いてなかったら、 本拠地にある本全て燃やすから(ニッコリ)」 「・・・・必ずきちんと返事を返すように善処する」 「お願いね?さ、タオルを取りに行きましょ、びしょ濡れで宴会に参加したら流石に風邪を引いちゃうわ」 タオルを取りに行こうとするの腕を掴み、自分の方へ引っ張るクロロ。 「ちょっと、私まで濡れちゃうじゃない」 腕の中に閉じ込めると濡れると文句を言ってくる。 「そうだな、水を被った所為で少し肌寒い」 綺麗な笑顔を見せてきたクロロ。 ソレを見て悪寒が走ったは腕の中から逃れようとするが、力を入れる前にヒョイと抱えられてしまう。 「ならはやk「暖めてくれるだろ、が」ちょっ、ならばお風呂にh「一緒に入りたいのか、甘えん坊だな」いっ言ってない!!」 「心配しなくてもしっかりたっぷり甘やかして溶かしてやる」 「ちょっ、まっ・・・たっ、たすけて~ッッ!!」 「あっウボォー、それオレのだぞ?!」「あー、早い者勝ちだろ」「よっしゃ、呑み比べしようぜ!!」「酒足りるかなぁ?」「足りなければ盗てこればいいね」「ボクも入れておくれ♥」 「このクッキー美味しいわ」「それ、駅前にできた所のヤツ」「このパウンドケーキも美味しいよ」 「やれやれ、あんま皆飲み過ぎんなよ」「言ってもムダでしょ」「このメンバーだしな」 誰もクロロとを気にする者はいない。それは、いつもの事だから。 |