合縁奇縁因縁悪念3


──────カランコロン・・・・──────

 

「いらっしゃいませー・・・」

「なんじゃ?お前さん、ココで雇われておるのか?」

「あ、はい・・・ここで働かせてもらってます・・・・・」

「そうか、済まぬがマスターを呼んでもらえるかの?」

「はい・・・少々お待ちください・・・・・」

 

お店に来たのは60代ぐらいのご老人。銀髪に髭を生やしており、服に『生涯現役』って・・・・

えっと、ゼノ・ゾルディック・・・?

マヂでッ?!

暗殺一家がこんなに堂々と出てきていいのッ?!

って、そーいや隠してなかったね・・・

ジンといい、ゼノさんといいこんな有名人ばっかり知り合いってマスター何者・・・・・?

 

「マスター・・・」

「どうした?」

「お、お客様です」

「ん?爺が来たか」

ゼノさんを爺扱い・・・・・

マスター、怖いもの知らずですね・・・・・・

 

 

「久しぶりじゃの、マスター」

「ゾルディック家お抱えのヤツはどうした?」

「ちょっとアイツ等じゃ手に負えないらしくての」

「こんな面倒なモノ持ち込んで来るな」

「お前さんなら、それほど面倒でもなかろうて」

「チッ・・・・・」

すごい、マスターがこんなに不機嫌になってるのに、ゼノさん全然気にしてない・・・・

マスターが口で負ける所、初めて見た・・・・

 

「お前さんがワシ等ゾルディック家のお抱えになってくれたら話は早いんじゃがな」

「何度言わす。何処かに仕える気は全くない。

私に強制させようと思うならさっさと帰りな。

私は自分の思うことでしか動かない」

「やれやれ、頑固な奴じゃわい」

「しつこい爺に言われたくないね」

「年寄りをもっと労らんかい」

「労る必要がどこにある?」

「可愛げのない奴じゃな。こっちの嬢ちゃんの方がよっぽど可愛らしいわ」

へ、アタシ?

「大いに結構」

「こんな鬼畜マスターの所よりワシの元で働かんか?給金なら弾むぞ?」

はいッ?!

「その子は一般人だ。何もできない」

「なんじゃ、お前さんの弟子ではないのか」

何で、マスターの弟子?

「その子は何も知らない」

「残念じゃの。弟子なら何かと使えると思ったんじゃがな」

・・・何が?

 

「マスター・・・?」

「爺の戯れだ、気にするな」

「口が悪いのぅ」

「用が終わったならさっさと出ていけ」

「やれやれ、ホントに可愛げのないやつじゃな。

よくこんな奴の元で働いていられるのぅ?」

「マスターは優しいですよ?」

「お前さんだけじゃろうて、そんなこと言うのは」

はぁ、よく言われます。

マスター、口の割にに優しいのにな?

「この子を嫌う要素はないからな」

「お前さんの場合、嫌う要素の範囲が広すぎるんじゃ」

「人の勝手だろうが」

「客が居なくなるぞ?」

「別に心配される筋合いはない」

なんか、かなり殺伐とした会話になってきてません?

マスターがどんどん怖くなっていく気がする・・・・

「ま、マスター・・・?」

「・・・・・何だい?」

あ、いつものマスターだ。

「・・・・・まぁよい。

また頼むぞ?」

「もう来なくていい」

「マスター、お客様なんですから・・・・」

「嬢ちゃんの言う通りじゃ。客は大事にせぃ」

「余計な御世話だ」

 

 

 

それにしても、今日のマスターはヤケに饒舌だったね?

、もう閉めるぞ」

「もうですか?開けてまだ2時間も経ってませんよ?!」

「萎えた」

「・・・・・マスター」

「後はとのんびり過ごす」

まぁ、マスターとのんびりするのは好きですけどね?

結局、すぐに閉めてしまい、奥でマスター特製チェリータルトとハーブティーを頂きながらダラダラと過ごしました。

 

 

 

「・・・・・・団長、こー毎回閉まってるといい加減ムカつくんですけど」

「今日は気付かれていないと思ったんだけどな?」

「強行突破しちゃう?」

「するだけ無駄だ。中に入ることすらできないだろう。

それに、アイツを怒らせると面倒だ」

「確かに・・・・」

「まぁ、今回の用が緊急ではないからな。気長にやればいい」

「オレは何度も足を運ぶ時間がもったいないだけ」

「パクに任せているから問題ない」

「問題あっても無くても関係無いッ!!」

「仕事を早く終わらせたらもっと長く一緒にいられるだろ」

「・・・・・・・・・」

 

 

 

 

ゼノさん、口調が難しい・・・・