天災は忘れる前にやってくる72
──────ドゴォォオォンッ!!──────
あ、遂に壊した。しっかし、試験管の目の前の棚を壊すなんて喧嘩売りまくりだよね。
「納得いかねぇな」 その態度で納得いったって言う方がビックリだよ。 「料理の上手い下手で合否を決められて、しかも合格者がこんなガキ一人だとッ!? 舐めてんじゃねーぞッ!!」 ・・・・ほほぅ、試験管だけで飽き足らず、ボクにも喧嘩を売ろうってか?
シロガネけしかけるよ?(←超他力本願)
「ガルルルルルル・・・・・・・・・」
シロガネも殺る気みたいだしね。 「オレが目指してるのはコックでもグルメでもねぇ!ハンターだッ!!しかも賞金首ハンター志望だぜ?! 美食ハンターごとき合否を決められたくねーなッ!!」 表情は面倒臭そーな顔をしているが、がメンチさんは怒りのオーラが流れ出ている。 自分の職業バカにされたら、そら怒るよなぁ。 それでなくても自分の職業に誇りを持ってそーなのに。しかも、念を覚えていないだろういかにも格下に。 「それは残念だったわねー。今回のテストでは試験官運がなかったってコトよ。また来年頑張ればぁー?」 「なッ・・・・?! ふざけんじゃねぇーッ!!」 あーあ、逝ってらっしゃい。
──────パァンッ!!──────
──────ガシャァンッ!!──────
場外ホームラン。 「ブハラ、余計なマネしないでよ」 見た目を裏切るフットワーク軽いよね、ブハラさん。 「だってさー、オレが手ェ出さなきゃ、メンチあいつ殺ってだったろ?」 「ふん、まーね」 ソファーから立ち上がったメンチさんは包丁を数本持っていた。やっぱ具現化系かな? いや、実はソファーに仕込んであって・・・とか? 「賞金首ハンター?笑わせるわッ!!たかが美食ハンターごときに一撃でのされちゃって」 うーん、やっぱり苛立ってますねぇ? まぁ、その苛立ちの半数はヒソカの殺気から来てるんだろうけど。 殺気が分かるよーになんかできればなりたくなかったなぁ・・・・(今更だけど) 「あたしが知りたいのは未知のモノに挑戦する気概なのよッ!!」 でもボクのお寿司は認めなかったよねぇ・・・ メンチさんからしたら“未知のモノ”なのに。 やっぱ食材が未知のモノじゃなかったのがいけないのかなぁ?
──────ドオォンッ!!──────
ん?あぁ、ジジィが落ちて来たのか。メンチさん緊張しまくってるよ。 あんなん、真面目な顔しながら『チチでけーな』とか考えてるセクハラジジィだよ? 意外と純真だよね。
茶々を入れてる内に再試験となった。 「ねー、ボクももっかい試験受けないといけないの?」 「お前さんは一人合格したヤツじゃな?大丈夫じゃろ。若い内に苦労は買っとくもんじゃ」 ちぇッ、メンドクサー・・・
飛行船で連れて行かれたのは原作通りマフタツ山。 ・・・・・どーなったらここまで綺麗に真っ二つになるのかな?地震か? 寧ろ念の方が有り得るな。 ・・・・ホント何でもアリだな、ハンター世界。
「、どーしたの?」 「いや世界の神秘をね」 「何訳分かんねぇコト言ってんだよ。行くぞ」 「あぁ、ゴメン」 この世界は考えるだけ無駄だね。
「この卵でゆで卵を作るのよ」 ここで引くのが一般人を脱出してないヤツ等、行くのが異常者。 「あーよかった」 「こーゆーのを待ってたんだよね」 ハンターにしたら寧ろこの反応が健常者なのか? 「走るのやら民族料理よりよっぽど早くて分かりやすいぜ」 登るのもある程度時間が掛かるだろうが。 「よっしゃ、行くぜッ!!」
次々に落ちて行く受験生。 「って、あんたは行かないの?!さっきのは無効だから失格になるよ?」 「メンチさん、この試験は“クモワシの卵”でゆで卵を作ればいいんですよね?」 「・・・そーよ。何?クモワシの卵も用意してるとか言うの?」 「まさか。ただボクが命懸けで取りに行く必要はないと思っただけです」 「じゃあどーする気?」 「シロガネ、GO」
「グルル・・・」
『ズルーッ?!』
何か文句でも?
「・・・あんたねー、マトモに試験受ける気ないの?!」 「使えるモノは使わないと。命がいくらあっても足らないじゃないですか?」 まぁ、普通に苦もなく取って来れるぐらいの実力は(悲しき事に)ついて(しまって)るけど。今回のモットーは『萌えながらできるだけ楽して証を取る』だしね。 「フォッフォッフォッ」
「何か用ですか?」 「お前さんと少し話したくてな」 ボクにはない。 「お前さんの保護者欄の名前じゃが・・・」 「どうかしましたか?」 「この者が保護者なんじゃな?」 ・・・・さて、『クロロ・ルシルフル』が人民登録されていないコトに引っ掛かっているのか、それとも、『クロロ・ルシルフル』の名前に聞き覚えがあるのか。 「そーですけど何か問題がありますか?」 どっちにしてもごまかすのが一番だね。
「ガルルルルル・・・・」
シロガネが谷間から飛び出してきて、ボクを背にして会長との間に着地した。 「おかえり~、シロガネ」 「帰って来よったか・・・まぁそんなに警戒しんでよい。ただの年寄りの気まぐれじゃ」 「そーですか」 ・・・“ただの”ジジィなら気にしないんだけどね。 「それにしても早かったのぅ。他の受験生は後10分は掛かるじゃろ」 15分程であの谷底近くから戻って来れる時点で間違ってない?
「ふぅー、やっと着いたー」 「おかえり」 「ッ!!シロガネすごいんだね!!あっという間に登って行ったよッ!!」 「凄いよね~」 僕もココまでできるとは思ってなかったよ。 「ちょっとぐらいは真面目に受けろよなッ!」 「えー、キルアに言われたくな~い。それに、こんな谷に落ちたら危ないじゃんか。シロガネもボク気にしながら行くより一人で行った方が楽だろうし」 「お前一人が行くってゆー選択肢はねーのかよ?」 「ない」 「さよか・・・」「即答かよ」
「さぁ茹でるわよ。取ってきた卵を鍋に入れなさい」 クモワシの卵は、極上でした。 こんなにおいしい卵があるなんて・・・・美食ハンターってゆー職種が出てくるのも頷けるね。 持って帰って皆に食べさせてあげたいんだけど、ちょっと大きいんだよな~・・・・ 残念。
主人公は会長のことがあまり好きくはない(寧ろ嫌ってます) 昔はそーでもなかったが、某陰険眼鏡に狙われてからその上司って事で嫌い。 |