初心者デートのはずなのにッ!?1


──────ドタドタドタ・・・・・バァンッ!!──────

 

 

部屋のドアが大きな音を立てたと思ったら、シャルに抱きしめられていた。

 

 

、オレもデートしたいッ!!」

 

「・・・・・・は?」

何の話・・・?

 

 

 

シャルがクロロの命令によって遠くへ仕事に行かされ、2週振りに戻ってきた。

「なに?戻って来た早々何の話?」

「オレがいない間に、クロロとデートしたんでしょ!」

デート・・・?あ、あれパーティか。確かにクロロはデートって言っていたな。

しかし、あれがデートと言えるのか?それに、

「シャルとだって(自称)デートしてるじゃん?天空闘技場で」

「もっときちんとしたデートがしたいッ!!」

・・・・意味分からん。

「オレもとSEX「しないからッ」・・・・・ほら、クロロだけズルいーッ!」

「ズルいズルくないの問題じゃないの。クロロとは不可抗力なの。薬の所為でヤらざる得なかっただけ。唯の事故だし、あの時の事、私はほとんど覚えてないからもん」

「・・・・・でもヤダ、ズルい。オレもシたい」

・・・・・・聞かん坊の子どもか。

「私とヤるより街で綺麗なお姉さん捕まえてヤる方が有意義だって」

「そこら辺の女なんか性欲処理の時と変わらないじゃん」

「さり気に女の敵発言すんな。ともかく、SEXシたいだけならどっかの誰かとヤってきなよ」

「・・・・・・・じゃあ、デートは?デートならいいの?」

恨めしそうな眼で見てくるシャル。

今日のシャルはヤケにウザいしつこいなぁ・・・・

「私とデートしても面白くとも何ともないでしょ?それこそ綺麗な人捕まえてデートしたらいいのに」

シャルは真面目な顔をして私の顔を上向かせ、視線を合わせた。

「オレは『と』デートしたいの!!」

・・・・・・・・・

顔がイイと、こーゆー時ズルい・・・・・(どーせ面食いだよ)

「はいはい分かった分かったから。したらいいんでしょ?」

「ホント、ホントだね?、今更撤回させないからね!!」

・・・・・アレ?なんかマズった?

「“普通”のデートだからね?街の人100人に聞いたら100人がデートだって答えるようなのだよ?」

「今回はそれで許してあげる。但し、もきちんとデートらしい恰好と乗り気になってね?」

「・・・・・・・・・・・・・努力します」

恰好って・・・・可愛い服ってこと?マジで?

どーしよっかなぁ・・・・・・

 

 

 

──────3日後──────

 

 

 

に合わせて初心者向けのデートにしたから』と言われて、待ち合わせ場所まで指定されました。

・・・・・・同じ所に住んでるんだからいちいち外で待ち合わせる必要ないと思うんだけどな?

デートでは御法度なコトを考えながら待ち合わせの場所で待つ。

デートらしい恰好なんて分からなかったので、買ってもらった服で比較的可愛い感じのモノを選んだ。

 

はずなんだけど・・・・な~んか見られてる感があるんだよなぁー?

変だった?パクが選んだヤツだからそこそこに合ってると思うんだけど・・・・・

う~、シャル早く来ないかなぁ・・・・

 

 

 

「(が来た。けど、俺に気付いてないし・・・・・気付くまでちょっと見とこ。

言った通り結構可愛い感じの服着て来てるね。

いつもなら“女の子に見える少年”って感じだけど、今日は“カワイイ娘がボーイッシュな感じにした”になってる。

まぁ、どーせなら“カワイイ女の子”になって欲しかったけど。

あ、ヤロー3人に絡まれた・・・・・

アイツ等、ウザい・・・・)」

 

 

 

シャルを待っていたら、さっきまで向こうにいた男3人が近付いてきた。

 

「彼女かわいいねぇ」「オレ達と一緒に遊ばない?」「メシとか奢るよ~?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・はッ?!

コレが噂に聞く『ナンパ』かッ?!今まで声掛けられたこと無かったから分からなかった・・・・

恐喝とか変態とかにはあるけど・・・(・・・・言ってて虚しいな)

は~、あんま気にしてなかったけど、そーいや顔綺麗になってるんだっけ?

顔が綺麗になった事は嬉しいけど、男に興味ないからモテても全ッ然嬉しくないや。

しかも、いつも周りに綺麗な顔が一杯いるから、目が肥えちゃって・・・・・

コイツ等も中の上ぐらいではあるんだろうけど・・・・・・ねぇ?

「ねぇ~彼女、聞いてる~?」「誰かと待ち合わせ?」「女の子?友達ならその子もいいよ~」

いや、確かに美少女顔では歩けど。

「男の人待ってるんで」

「あ~彼氏?」「えーイイじゃん、来てないみたいだし」「ほっといて行こうよ~」

あ~・・・どーしよー、ウザい・・・・

でもかつあげとかならともかく、唯のナンパを殴るのもなぁ・・・・・

練でもして威圧するか~?

マジ結構ウザくなってきたし・・・・

 

 

「その子、オレの連れなんだけど」

男達のすぐ後ろからシャルの声が聞こえてきた。

「あぁ?なんだょ・・・・」

男達はシャルを睨もうと後ろを向くが、シャルのルックスとなんともいえない威圧感オーラによって黙った。

一般人にオーラ当てるか?(←自分もやろうとしていた)

「あ、その・・わ、悪かったなッ」「い、行こうぜ」「お、おぅ・・・・」

そそくさと立ち去る男達。

ルックスも存在感も負けてちゃ逃げるわな。

 

、何でさっさと追っぱらわなかったの?」

「揉め事起こしたくなかったの」

「オレが動かなきゃアイツ等、無理やり連れて行こうとしてたかもよ?」

「その時は動いてぃ・・・・・シャル、いつからいたの?」

が来る前から」

「いたなら声掛けてよ」

「気付くかなと思って?」

「・・・・ココまで変わってると思わなかったの!」

普通の服着て帽子被ってたらマジで普通の若者なんだもんッ!!

的には合格?」

「・・・・・・・(コクリ)///」

「よかった。じゃ、行こっか」

シャルに手を取られ、所謂“恋人繋ぎ”で手を繋がれる。

・・・・・・は、ハズい///

「ここから電車で少し行くから・・・って、

・・・・もしかして、照れた?」

「うっさいッ!!///」

、顔真っ赤~。カワイ~♪

ホント変な所で初心だよね」

「悪かったなッ!こーゆーコト慣れてないんだよッ!!」

大体、セクハラに慣れてきたのは誰の所為だと思ってるんだよッ?!

「別に悪いどころかイイけど?ま、繋いでいる内に慣れるよ」

うぅ、どーせデート初心者だよッ!!男と付き合ったこと無いよッ!!

 

 

 

 

シャルとデート。
普通のデートってクモコイツ等にはすっごく合わないよね、っていう突っ込みは無しで(笑)