電話 ジンの場合1


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ソファに寝転がって本を読んでいると携帯に電話が掛かってきた。

クモの誰かだろうと思い発信者を見ないで取る。

「はい」

『おう、久しぶりだなぁ!!オレだオレ!!』

「・・・・・・・・・オレオレ詐欺?」

『詐欺じゃねーッ!!オレだ、ジンだ!!』

だってオレしか言わないんだもん。聞きたくなるよね。

「あはは、分かってるよ。久しぶり、ジン」

『おぅ!!、ハンター試験受けたんだってな?合格おめでとう!!』

「ありがとう。よく知ってるね?」

『俺の情報網を舐めるな!そんなの調べりゃイチコロだッ!!』

そーでした・・・・無駄に顔広くて情報通だったんだ。

でも・・・・・・

「どーせゴンのコト調べてたら私の名前が引っ掛かったんでしょ?」

『う・・・・・』

図星かよ、相変わらず子煩悩だな。

「この電話もゴンのコトを聞きたいからでしょ?」

『違う、祝う気持ちもある!!』

「はいはい、1割ぐらい?」

『・・・・・・1.5割』

「素直でよろしい」

 

 

『で、ゴンはどーだった?』

いきなりかい。

「ジンそっくりだった。きっと子どもの時はこんなのだったんだろうなぁって感じ。

野生児な所も、好奇心旺盛な所も、動物好きな所も、ゴーイングマイウェイな所も、変に印象的な眼もそっくり」

野生児な所は遺伝子のなせる業だと思った程だよ。

『褒めてんのか?貶してんのか?』

「褒めてるに決まってるじゃん」

『そうか///』

「とっても素直なイイ子だったよ。流石は良識のある叔母さんに育てられただけあるね!」

『そ、そうか・・・・』

「ジンのコト、写真でしか見たコトないけど見つけるんだって意気込んでた」

『そっか!!』

「だから会わせてあげようかって提案したんだけどね」

『へぇ!っておいぃッ?!』

「残念ながら自分で探すってさ」

『そ、そうか!!』

「いい仲間もできたみたいだし、ウカウカしてたらすぐ見つかるかもよ?」

『オモシレェ!!プロハンターなら、オレの息子なら見つけてみろってんだ!!』

「思わず応援したくなる性格の子だよね」

『オレの息子だからな!!』

「だから居場所の情報をあげない代わりに、ジンが破天荒で非常識で規格外な性格してるって(一部だけ)伝えといた」

『なッ、おまッ?!』

「だって、ゴンの中のジン像、スッゴイ偏ってたんだもん」

信奉者のカイトさんから聞いたジン像だったしね。

「大丈夫、ホントはどれだけ親馬鹿で子煩悩なクセに会うのを恥ずかしがってるだけだってコトは伝えてないから!」

『・・・・・・・・そうか』

気持ちが浮いたり沈んだり忙しいね。