お正月3
「さて」 シャルの声にビクッと身体を震わせてしまった。 ヤバイ、こんな反応したらコイツ等には逆効果だッ!! 「そんなに怯えなくても、いきなり襲ったりしないよ」「パクノダにも言われた所だしな。『おせち』も気になる」 とても信用ならないが、どうやら本当におせちを食べる気ならしい。 しばらくすると料理が運ばれてきた。 「まずは食べるとしよう」「なんか色々変わったのが入っていて面白いね」 ツッコミを入れたかったが下手に突くと藪蛇になる為我慢して大人しく料理を食べることにした。
「コレ何?」「それは“数の子”だそうだ」 「コレは?」「“黒豆”だと」 おせちに付いてきた説明書を照らし合わせながら食べていくクロロとシャル。 それを横目で眺めながら、時々来る質問に答えれるモノは答え、着物を汚さない様に気を付けながらも久しぶりのおせちを楽しんでいた。 はぁー、こっちに来ておせちを食べれるとは思わなかったなぁ・・・・ 振り袖を着たのも成人式以来だなー・・・ その後、料理を片づけに来た女将さんが神社に初詣に参拝する事を勧められ、ついでにクロロとシャルも着物に着替え、出掛けるコトとなった。
あーあ、この二人と歩くと絶対目立つんだよね・・・しかも今は着物着てるし。なんで日本人顔じゃないのにこんなに着物に合うんだろう? 「、ゾウリは慣れてないとコケやすいらしいから手を繋いで行こ」 「じゃあ俺は反対の手だね」 フェミニスト風気取るし・・・・・・傍から見たら私、男を侍らしてる悪女みたいじゃんか・・・・ 実際には騎士を姫にしか見えていないのだが、相変わらずソッチ方面には疎いので勘違いをしたままである。
「えっと、お金投げて願い事するんだっけ?」 「そー。賽銭箱に投げて、鈴鳴らして、二度拍手を打って、願い事をする(はず?)」 「お金勿体ない・・・」 「はいはい、それ位ケチケチしないの。投げるよ」 「ちぇ・・・」
──────チャリーン・・・・──────
パンパンと拍手を打ち、目を瞑って願い事をする。 「(皆が怪我をしませんよーに。 ・・・・・一緒にいれますよーに)」 「・・・・・できた?」「行こうか?」 「うん、大丈夫」 その後、おみくじを引いたり配っていた甘酒を飲んだりして神社を後にした。
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