出会いは偶然?必然?


マスターにお使いを頼まれてやって来た銀行。

かなり混んでおり、順番になるまで壁際にある椅子に座って待っていた。

あ~、銀行ってどこの国でも混んでるよなぁ・・・

こんなことなら暇つぶしに本でも持ってきたらよかった。

そんなことを考えながらぼーっとしていると右肩に重みを感じた。

うッ?

見ると帽子を被った眼鏡を掛けている少年の頭が乗っている。

あー、カワイイ寝顔。待ち疲れたのかな?動いたら起きちゃうよね?順番呼ばれるまではいっか。

なんか抱き抱えるよーにしてる。夢でも見てるのかな?可愛いな♪

少年の姿に和みつつ、大人しく順番を待っていた。

でも、この後の事に巻き込まれると知っていたら、さっさと諦めて逃げ出してたのに・・・

 

 

 

──────バリリリリリリリッッ!!──────

 

『キャーッッ?!』

『全員、死にたくなかったら大人しくしろッ!!』

 

 

・・・・・・・・・・・え?

 

 

『そこの女、早くこの袋に金を詰めろッ!!』

『は、はいッ・・・』

 

 

な、何コレ?銀行強盗?なんでこんなのに鉢合わせするの?

 

 

『痛い思いしたくない奴はそっちの端っこに集まれッ!!』

 

 

言われた場所が今居る場所だったんで、動く必要がなかった。

ってか、少年の頭が肩に乗ってて動けないけど。

それにしても、この状況下で未だ寝てるなんて・・・・・スゴイ子だ。

 

 

“アニキ、サツの奴等がもう来ましたぜ?!”

 

 

警察が来たと言うことに人質達の中でホッとした空気が流れた。

 

 

『チッ、思った以上に早かったな・・・』

 

──────ダダダダダダダダッ!!──────

 

『キャーッ!!』

 

う~、怖い怖い怖い~!!

銃の音と火薬の臭いで一気に現実だと思い知り、恐怖で体が震える。

ココは日本じゃないんだ。ハンター死が近い世界なんだ。

 

 

『お前等、作戦変更だ!!人質は女か子供にしとけよ』

『へぃッ!!』

 

 

女か子どもって、選ばれるかもしれないッ?!

強盗の言葉に血の気が引き、思わず少年に抱き着く。

その時になってやっと目が醒めたらしく、ぼーっと辺りを見回していた。そんな状況じゃないよ?!

 

「おいッ、そこのガキ二人!コッチに来いッ!!」

ひーッ、目付けられたッ?!

「・・・・・・なんで?」

あッ、ちょッ、状況分かってないからってなんて命知らずなッ?!

「あー?ガキ、テメーは名誉ある人質に選ばれたんだよ。分かったらさっさとコッチに来やがれ!!」

「ふーん・・・あ、肩貸してくれてありがと」

「い、いえ・・・」

少年は怖がる様子なくお礼を言ってきた。

「僕は。お姉さんは?」

「アタシはよ」

・・お姉さん?」

「呼び捨てで構わないわ」

「じゃあ、

いやん、笑うとカワイイ♥

「ごちゃごちゃ喋ってねぇでさっさと来いッ!!撃ち殺されてぇか!!」

あ、今の状況忘れてた・・・・

「(ボソッ)短気な奴」

強盗犯には聞こえない程度に悪態をつく少年。

なんて勇気のある・・・・・アタシもみたいに少しぐらい余裕を持たないと!!

足が震えないように叱咤する。すると、が手を握ってくれた。

のその行動に、事態は悪くなる一方なのに安心してしまった。

 

すぐに繋がれていた手は離され、両手を縄で括られた。

銃を当てられ抵抗も出来ずに強盗犯達の盾代わりにされる。

警察達は人質がいるので撃つに撃てず強盗犯達は自分達の車まで来ると手榴弾を投げまくり、まんまと逃げ切った。

 

 

 

「楽勝だったな」

「戦利品は金と発育不良なガキ2人か」

「いるだけマシだろ?」

「おい、よく見るとどちらもそこそこカワイイ顔してんじゃねぇか」

「逃げ切った後はお楽しみとするかぁ?」

強盗犯が下卑びた嗤いを浮かべる。

その醜悪さとコレからの不安に益々身体が強張り震えが止まらなくなる。

「大丈夫?」

が心配そうに覗き込んでくる。

「お、コッチの嬢ちゃんは自分の運命が分かってるよーだな」

「ボウズもすぐに分かるようになるって」「お前ソッチの趣味あったのかよ?!」

「コレだけカワイけりゃオーケーだろ?」

「違いねぇ!!」

このままだったら二人共コイツ等にヤられてしまうッ!!何とかして逃げないと・・・

怖がる振り(八割方本気)をしてにしがみつき耳元で囁く。

「何とかして逃げようね」

はキョトンと目を大きくした(カワイイ//)後、微笑みを浮かべた。

「なんだぁ、麗しい姉弟愛ってかぁ?」

げらげら嗤う強盗犯達にはアタシ達は姉弟に見えるらしい。

「お姉ちゃんはボクが守るもん!!」

その勘違いにノったし。

「お姉ちゃんに手は出させないから!!」

「ははッ、オモシレェこと言うボウズだな!」「ボウズがオレ達全員の相手をヤるってか?!」「なら、お前がオレ達全員の相手をシてくれるってぇなら、姉ちゃんには手出ししないでいてやるよ」

「ホントに?!じゃあ頑張る!!」

「あぁ、せいぜい頑張れや」「その言葉、後悔すんなよなぁ?」

「そんな・・・」

きっと言葉の意味を理解していないに、下卑びたことしか言わない強盗犯達。

 

どうしよう、どうしたら逃げることができるかな・・・・

 

 

 

 

チキンな癖に天災主に庇護欲を感じてる合縁主。