天災は忘れる前にやってくる2


「・・・・・ん・・」

・・・あ~変な夢見た。実際、目が見えないのに人は見えてしかも攫われるって信じら・ん・・・見えない・・・・夢じゃない・・の?

頬を思いっきり抓ってみた。・・痛い。力を込めたコトでかなり痛かった。

夢ではないコトは理解したがどうしたらいいのか分からず途方にくれていると、ヒールで歩く音が聞こえてきた。

「あら、起きたのね。気分はどう?吐き気とかはしない?」

またもや人が光ったように見える・・・疑問に思いつつ問いかけには首を振って答える。

「そう?なら、移動してもいいかしら?聞きたいことがあるんですって」

そう言いつつ抱きかかえられる。いわゆるお姫様抱っこという形で。

これには流石に羞恥心を覚え、慌てて自分で歩こうとするが、見えないと危ないからと下ろしてくれそうにない。諦めてされるがままにした。

・・・体重・・結構ヤバい部類だと思うんだけどなぁ・・・・

 

連れて行かれたのはどうやら広い場所ならしい。

女の人と同じく光っている人達が何人かおり、全員こちらに顔を向けている。雰囲気的にあまり歓迎されてないようだ。

段差や遠くにいたりするのだろうか、人しか認識できていないのでこちらからは宙に浮いているようにも見え、かなり異様な光景に見える。

「起きてたので連れてきました」

女の人が向かった先は座って本を読んでいる人の所の前に下ろした。本はきっとさっき読んでいたヤツ。そしてこの人は連れて行くように命令した人だろう。

「何か分かったか?」

「結果は、微妙ですね。ただ、少し気になることが・・・」

「ほう?」

男の人が笑った気がしたが、その瞬間悪寒が走り、思わず女の人の服を握り込んだ。

「大丈夫よ。あなたのことを少し聞きたいだけだから」

女の人に頭をなでられた。完全な子ども扱いに顔が赤くなったが、お陰で少し落ち着いた。

それでもまだ何となく怖いので服は掴んだままで、男の人の方を向く。 人の輪郭が何となく分かるだけなので、目があるだろう場所を見る。

「答えろ、お前は“幸災の渡猫”か?」

さっきも聞いたコウサイノワタリネコ。やっぱり何の事だか分からない。

聞いた覚えもなった覚えもないが、違うと答えて殺される可能性がある気がして答えれない。

「どうだ?」

「ちょっと読みにくいですけど・・・この子、“幸災の渡猫”が何かを知りませんね」

「?!」

考えていたことが知られたことに驚き、思わず女の人の方を警戒するが周りは気にも留めていない。

 

「その子について調べてきたよ~」

そんな時、誰かが部屋の中に入ってきた。

どうやら、先ほどいた内の一人である。

「結果は?」

「ビンゴだと思うよ?」

「でもこの子自体は“幸災の渡猫”を知らないみたいよ?」

「なぁ、その“コウサイノワタリネコ”ってのはなんなんだ?」

少し離れた場所にいた男の人が聞いてきた。

その疑問は自分も大いに気になる。

「二週間ぐらい前、突然空から少女が降ってきたっていうニュースがあったの知ってる?

プールに落ちたらしく無事だったんだけどプールの持ち主が一応助けると、それから一日とたたずに幸運なことがたくさんあり、少女のお陰だという噂が立った。

その噂を聞きつけたマフィアが介入してきて助けた奴は死亡。少女は連れ去られたらしく行方不明、が表の話。

裏の話が、その少女を手にしたものは次々を幸運を手にするんだけどすぐに何らかの形で死亡。

それでも自分は運が強いからと言って少女を狙う輩が後を絶たない。 少女を手にしていられる時間も様々で、3日手にする奴もいれば1時間で終わった奴もいる。

気まぐれに渡り歩いて幸運と災難をもたらすことでついた名前が“幸災の渡猫”ってなわけ」

 

・・・・呪いのアイテムみたい。

「じゃあなんでこいつ知らねぇんだよ?」

「不思議なことに一回も目を覚ましてないんだよ。

ずっと眠り続けてたらしいよ?」

「拷問したらよかたね」

「手荒い事をしようとした瞬間災難に見舞われてるんだ」

拷問・・・かなり危ない橋渡ってない?

「じゃあなんで今起きてるんだ?」

「そこまでは知らないよ」

起きない方が幸せだったのでは・・・?(いや、でも何も知らない所で何かされるのもやっぱ嫌だ)

「目と手の包帯は何だい?」

・・やっぱり包帯だったんだ・・・

「ん~、落ちてきた時からしてるみたいだね」

「目は見えないのかい?」

「包帯を取ったら見えると思っているみたいだけど取ろうとしても取れなかったみたいだわ」

「神字か・・・」

シンジ・・・?

「ところで、一言も発してないけどしゃべれないのかい?」

「・・・しゃべれます」

「この本の中の文字が読めるのか?」

「・・・読めます」

やっぱりここの文字は表紙の文字なの?日本じゃ・・ないの・・・?

「何で目が見えてねぇのに読めんだ?」

「・・・分かりません」

「この子、人が光っているように見えているわ」

・・・・・・さっきから何で分かるんだろ?

「ふむ・・・」

目の前の人は手を顎に当て考える素振りを見せた後、

 

・・・・・消えた?!

「?!」

「絶では捉えられないか・・・オーラが見えているのか?」

「っつーことは念能力者か?!」

ゼツ・・ネンノウリョクシャ・・・さっきからなんか聞き覚えがあるものばかりなんだけど・・・まさか・・・・・ね?

「吐かせれば分かることネ」

「フェイが拷問なんかしたら死ぬんじゃねぇ?」

「フィンクスと違うね、ヘマなんかしないよ」

「んだとぅっ!!」

「ヤるか」

「やめろ」

「ッチ」

フェイ・・・フィンクス・・・・・まさかね?・・・名前が似てるだけだよね・・・・?

「他にも何か分かったか?」

「ちょっと待って、この子読みにくいのよ・・・ 時々ノイズが入って見えないの」

・・・信じれない。信じたくない。 確かに、トリップ小説は好きだし、夢小説はよく見ているよ? ハンター×ハンターも大好きだし、旅団なんか大好物だ。

 

でも、で・も!

それは二次元だから、現実世界の話じゃないからキャーキャー言えるのであって、マジで触れあるのは・・・

い、いや。信じないぞ。だって姿見てないし。

凝ったドッキリってゆー可能性だってある。ってゆーかその方がよっぽど可能性あるよね・・・?

「この子・・・ハンター文字を知らないわ」

「捨て子ってこと?」

「そうじゃなくて。教育は受けてるのだけど、ハンター文字を習ってないのよ」

「はぁ?!全世界共通言語じゃねぇか!!どれだけ田舎なんだよ?!」

「田舎じゃないわね。どちらかというと都会よ。けれど標識には使われていないわ。 何か、この子の国独自の文字とアルファベットはあるみたいね」

「この本読めるってぐらいだしジャポンじゃないのかい?」

「それでもアルファベットは書かれていてハンター文字は書かれていないってゆうのはおかしいんじゃない?」

「お前はどこの出身だ?」

この場合は国だよね・・?

「・・・日本」

「?どこだそれ?」

「さぁ?」

「ジャポンじゃないのか?」

「嘘言うでないよ?」

「嘘は言ってないわ。この子の中ではニホンという国がきちんと存在するみたい」

 

「・・・どうやら何か齟齬があるみたいだが、団体客の御到着のようだな」

「さっそく災難の方かな?感じからして200人程度?」

「弱いの甚振てもつまらないよ」

「少しは念能力者もいるんじゃない?」

「お前ら、行って来い。俺はコイツに聞きたいことがある」

「遊んでも十分ぐらいしか保たないと思うよ?」

「いい。行け」

「了解」

 

本を持つ男の命令に男以外の者がぞろぞろと出ていく。 この部屋に連れてきてくれた女の人も出て行ってしまった。

しかし、これはマジでドッキリじゃないのか?選択肢5番?!あり得ちゃうの?!

あり得たとしても何でよりにもよってハンター×ハンターなの?! しかも幻影旅団のとこってそんな王道突き進まなくてもいいじゃん!!

死亡フラグ立ちまくりだし!そこまで悪いことした?! これがラッキーって思えるほどに図太い神経してないよ!!

確かに旅団大好きだけど!美形大好きだけど!!団長とか、シャルとか、ストライクど真ん中ですよ?!顔見えてないのがちょっと惜しいと思っちゃてるけど!!!安全な場合であってこそだろ~?!!!

 

 

 

 

主人公は美形好き。名前を呼び合っている時点で気づいてもおかしくないけど信じれない&信じたくないでムシ