天災は忘れた頃にやってくる3


「さて」

「(ビクゥ?!)」

「そんなに怯えなくても今は危害を加えるつもりはない」

・・・今は、ね・・・

威圧感が凄すぎて腰が引けてしまう。足を叱咤してなんとか座り込むのを防ぐ。

「聞きたいことがある。正直に答えろ。お前は何者だ?」

「・・・・・ただの、普通の一般人です」

「ほう?一般人がマフィアの隠れ別荘にいるのか?あそこは立ち入り禁止区域になっている樹海の中にあったんだぞ?」

・・・そんな場所に作んなよ・・・

「俺達にもあっさりついて来たしな」

・・・あの場面で暴れられるか!!

「・・・・侵入して来たと思われる人一人攫って行くような方達に対して抵抗して、無事に済むとは到底思えません」

「確かにな。しかし、異世界から来た者は一般人とは言えないじゃないか?」

「ッ?!」

「ふむ。その様子だとココが異世界だと知っているようだな」

「・・・・異世界なんてあるわけないじゃないですか?」

「今更な言い訳だな。まぁ信じにくい話ではあるがあり得ないわけではない。 世界は無数の並行世界があり物語は他の世界が表面化しているという考え方もあるぐらいだからな。

現にこちらの書物でも“ニホン”という地名が出てきているものもある。 パクは文字に違いはあるといったが町並みや生活様式などには反応を示していない。

つまり、それは少数民族のように特殊なケースではなく普通の街中で暮らしており、この世界とあまり変わらないことを示している。

しかし、ハンター文字が使われておらず、しかも“ニホン”という国が存在している。

ならばそこまで社会や生活様式が変わらない世界なのだろう。 それでもお前は異世界だと判断している。

“普通の一般人”なら、中々信じにくいはずだ。

そして俺達は捉えられているが景色は見えていない。視覚で判断するのは不可能。

それでも判断できたということは会話の中で何か判断できる内容があったということ。

 

一体、何で理解できたんだろうな?」

ここまで簡単に分かれるもの?頭の回転速すぎだろう・・・ なんか諦めたくなってきた。

「・・・・・・・」

「答えない・・いや、答えたくない、か? 理解できたのは俺達のことという可能性が大きいな・・・」

・・・もう嫌こんな頭の回転が速すぎる団長・・・せめてヘタレの団長が良かった・・・

言っても言わなくてもバレるのかよ・・・

「知ってることを話せ。それとも拷問か死を選ぶか?」

威圧感に体が震えるが、まだ自ら死を選ぶ気はない。痛いのも大嫌いだ。

心を決め、息を落ち着かせて団長(らしき人)の方を向く。

「ココが私が思っている世界なら、知っていることがいくつかあります。

多分それは未来のことだと思いますし・・・変えたいと思うところがあります。

しかし、パクノダ・・さんは私の知っていることには触れませんでした。ならば、全てを話すより最小限で留めておくべきだと思います。

未来が変わって最悪の方向になるのが怖い・・・」

なんか言ってることハチャメチャだ・・・

「未来なんていくらでも変えられる。

たとえお前が知っていることが未来だとしてもそれはお前がいなかった場合の一つの結果でしかない」

「・・・」

「・・・まぁいいだろう。今は話せることを話せ」

 

・・・ふぅ。

「私が知るココの世界は少年が主人公の物語であり、友達や仲間に出会い、様々な経験を積みながら成長していく話でした」

・・・マンガも立派な本の一部だよね?

「パクノダの念能力も知っているようだし俺達のことも書いてあるようだな」

「・・・幻影旅団についても書いてありました。

・・・旅団の在り方、旅団内のルール、活動内容、結成時メンバーの数人の名前、

 

 

・・・・・その念能力」

「随分と詳しく書いてあるようだな・・・ 面白い。少ししたら捨てようと思っていたがクモの中で飼ってやる。

お前はクモではない。しかし、団長である俺の命令は絶対だ」

拒否権元から無いし・・・

 

 

死亡フラグが少し遠のいたことにホッとしていると、外に出て行っていた人達が返ってきた。

「団長~、終わった~?」

「ああ。コイツはクモで飼う。団長命令だ。シャル、ココから移動する」

「ふ~ん。了解」

「パク、世話をしてやれ」

「はい」

・・・はぁ。

緊張が解けたらしく、疲れが一気に押し寄せてきた。 体が重くなりフラつく。倒れ込みそうになった時、支えられた。

「大丈夫?あら、熱があるわね・・・ フィン、ジャージの下に着ているTシャツを脱いで貸しなさい」

「なんでオレ?しかもなんで中?!」

「ここに毛布はないし、あなたが一番大きいからよ。ジャージは血で汚れてるじゃない」

「チッ・・・ほらよ」

渡されたTシャツを被せられたので、手伝って貰いながらモソモソと袖を通す。

かなり大きいらしく半袖のようなのに八分丈ぐらいまでまであった。

「・・・なんか恰好がエロティックだよね、赤い顔して男物のTシャツ一枚だけって」

「下に服は着たままよ」

「隠れて見えないし」

「シャル、子どもにまで手を出そうとすんじゃないよ。節操を知りな」

「だって触り心地よさそうだし?」

「そうかぁ?もっとこう胸とか尻とかデカイ方がよくねぇ?」

「ただの子どもネ。興味ないよ」

「出すのはその顔で釣れるバカ女だけにしときな」

「失礼な。オレ、基準値高いよ?」

「確かに抱き心地は良さそうだな・・・」

「団長もシャルに乗らないですださい!!シャル、早くこの子が休める場所を探してちょうだい」

・・・子ども?もうとっくに二十歳超えてるんですけど?シャル、やっぱりモテるんだ・・・ってか触り心地ってどーせ肉付きいいよ、だ・・・

どーでもいーことを考えながら意識を保とうとしていたが、頑張り虚しく意識が遠のいていく。

・・・寝てばっかだなぁ。

 

 

 

 

団長しゃべり過ぎ・・・パクはお母さんです。