天災は忘れる前にやってくる10


・・・昨日は散々だった。

起きたらパクが銃を持ってシャルを追いかけ回していた。

そして私が起きたことに気がつくと、フィンと一緒に説教タイムに変わった。

パクはともかく何でフィンまで一緒に説教してくるんだろぅ?

そしてシャルが茶々を入れてくるから余計にヒートアップしていったように思える。

・・・なんであそこまで怒られるんだろう?

今は子どもの姿らしいんだから、シャルも本気で手を出すことはないだろうし?

別に私に手を出したって面白くないだろうよ?そこまで心配する必要ある?

それに・・・動けない状態で、何もする事なく、ヌクヌクとしたモノがそばにあったら・・・寝たくなんない?

人肌って気持ちいいよねぇ~。だから人にくっつくの好きなんだよね。

まぁ、シャルには接近禁止令が出されたから暫くは近づかないでおこう。

さて、結局昨日はシャルの部屋までしか行けてないからまだどんだけ部屋があるか分かってないんだよね。

でも半分は超えてるだろうし今日は反対から行ってみよ。

んと、隣はリビング。入らずに・・・あ、こっちにも廊下続いて・・・

 

───ガツッ───

 

・・・痛い。つま先思いっきりぶつけた・・・

階段かよ。って、え?ココってマンションだよな?

なに、ロフト付?!それとも屋根裏?!すっげぇ!!

さっそくレッツゴ~!

うんしょ、こらしょ、どっこいしょ。

・・・なんか言動が子どもっぽくなってる気がする・・・ま、見た目子どもらしいし、いっか。

ん?階段終わりか?部屋じゃないみたい?まだ廊下かな?どこに続いてるんだろう・・・?

・・・・そーいや昨日の時はフェイタンの部屋、見つけてなかったなぁ・・・・・・まさかこの奥・・・

 

「ナニしてるか?」

「───ッ?!」

び、ビックリした・・・

「ココ、ワタシの部屋以外ナイね。何しに来たか?」

「家の中探索してた。階段見つけたから登って来ただけ。この階、フェイタンの部屋しかないの?」

「ワタシの部屋と奥に防音室あるだけよ」

防音室・・・・・

「興味あるか?」

フェイタンが嗤ってる気配がする。

「あんまないね。人の叫び声とか聞いても楽しくないもん」

痛いのは見るのもされるのも嫌だしね(今見れないけど)

「ワタシ、オマエに興味あるね。

“幸災の渡猫”危害加える前に何かあた言うてる。

そのナニか、試してみたいよ」

うっわ~・・・ヤな興味の持たれ方・・・

「それも遠慮する。もしされた後に起こったら痛いのは感じるだろうし、何より、起こるかどうか分かんないもんにかけたくない。

今のところ、私が意識ある状態になってからは何か周りで幸運なり災難なり起こってないから守られるかどうかも怪しいもん」

「知らないのか?」

「なにが?」

「オマエ来てから、狙てた行方不明の宝、出てるくコト多くなたよ。団長気に入るモノも最近周辺で多く見つかるね」

「・・・マジ?ってか、いつ仕事してたの?」

「ワタシ昨日行たよ。団長、今本盗りに行てるね」

「皆さん仕事熱心な・・・じゃなくて、偶々なんじゃない?偶然が重なっただけだったり・・・

だってほら、運が良かった話ばっかで、災難にあったのは無かったんでしょ?」

「災難と思うモノによるね。弱いザコが何人出て来てもウザいだけ」

「・・・つまり、一般人からしたら死んでもおかしくない災難でも、クモに取ったら虫が寄ってくるぐらいにしか感じないと?」

どんなに強いんだよ!!

「だからオマエに試したいね」

「遠慮します辞退します拒否します却下します嫌だ」

「少しだけにするよ。団長、オマエ気にてる。ヒドくしたらパクノダも煩いね」

「いやいやいや。酷い酷くないの問題じゃなくて、痛いのが嫌だから。クロロからもしないよう言われてないの?!」

「・・・・・拷問に興味出たらいつでも言うよ」

「ないから。やられたいって思う事ないから」

今小さく舌打ちが聞こえた!!ってか、止められてるならやろうとするなよ!!

おっかねぇなぁ・・・

 

 

意識ある内は無理か。前にやとけばよかたね。

もう一度忍び込むか?パクが最近警戒してるね。少し時間置くか。今日は無理ね・・・

「オマエ早く下に降りるね。グズグズしてるとパクにワタシが怒られるよ」

「ん~、この階にはフェイタンの部屋しかないみたいだしもういっか。よし、降りるか」

壁に手をつきゆっくりと階段に近づく。

自分は部屋に戻ろうと子どもに背を向けた。

「ねぇ」

「まだ何か用か?」

「フェイタンが子どもも弱い奴も嫌いなんだろうけどさ」

いきなりナニを言いだすね?

「一応私、中身は二十歳超えてるんでちょっとは勘弁して欲しいんだよね」

「ハ?ナニを言うてるか?」

「は~い、ホントは二十歳超えてましたしもとおっきかったです。パクの保証付き」

「?!」

「それとさ、私ってゆー名前あるからさ、できればそっちで読んで欲しいなぁって。名前は短い(しゅ)って言うし・・・

まぁ、気が向いたらでイーからさ」

言うだけ言って去っていく。

・・・二十歳超えてるのはホントか?ナゼ縮む?

子どもぽくナイと思てたが、子どもではナイとは思わなかたね。

・・・。イロイロ気になるよ。

始めは唯のガとにしか思わなかたが、団長正解ね。

もう少し、様子見るよ・・・

 

 

 

 

主人公はシャルのこと全く気にしてません。とゆーより、自分が対象になると考えてもいません。子どもには手を出さんだろと普通に思ってます。
フェイタン、やっぱり難しい!!
フェイタンは少し離れた所に住んでそうだと思い、2階を増築(笑)勝手に防音設定も。
今回は単にフェイタンに主人公を名前で呼ばしたかっただけ。最後になったけど・・・
(しゅ)の元ネタは・・・まぁアレです。