天災は忘れる前にやってくる22


うぅ、落ち着いて。深呼吸深呼吸。・・・・・・よし。

 

 

───フニッ───   ───フニッ───

 

 

「コレでいーだろッ?!」

 

「「・・・・・・どうして頬?」」

「散々待たせてコレか?」「ちょっとコレは無いんじゃない?」

「普通キスは口だろう」「ホッペにキスって何歳なのさ?」

「ディープをしろとまでは言わないが」「もっと若い子でも普通にキスするよ?」

「しかも今のキスか?」「触れたかどうかも分からなかったよね?」

「煩いウルサイうるさ~いッ!!これが精一杯だ!!大体、ドコにしろとは言わなかったんだから条件は満たしている!!

つべこべ言わず、さっさと止めさせろッ!!」

「今のは無効じゃないか?」「こーゆー時の条件って普通口だよ?」

えーいッ、しつこいッ!!

「団長、シャル?」

声はとても軽やかに(でも空気はとても重い)パクが二人に声をかける。

の言う通り、条件にドコとは言っていなかったのでから、きちんと約束は守って下さい?

まさか、男のくせにグダグダ文句をつけてもう一回やらせようとは、

思ってませんよね?

「・・・これをキスとして認められるものなのか?」「こんなのキスじゃなくない?」

「今のをキスと思えないのは、

日頃爛れた生活を送り過ぎなんじゃないですか?

どうせでしたたら、心を入れ替えたらどうですか?

パク・・・・・

 

カッコイイ~♥

も、別に顔にしなくたって、手でもよかったのよ?」

 

・・・・・あ。

「ほ、ほら。手で終わらせたら、それこそ難癖つけまくってもう一回やり直させられると思ったし・・・」

は本当に優しいわね」

「あはは・・・」

思いつきませんでした・・・・・

「仕方ないな」「こ・ん・か・い・は、コレで我慢してあげるよ」

良かった。でも、これでコレからはすっごく条件付けてきそうだよね・・・・・

 

・・・・・ん?

ちょっと待て。流されてたけど、

「(ぼそっ)シャルにはキスする必要なかったんじゃない?」

呟いただけだが皆に聞こえたらしい。クロロが答える。

「確かになかったが、俺だけにしていたらシャルのことだから腹いせに(性的)悪戯をたっぷりしていたと思うぞ?」

なんか今の、含み無かったッ?!

「団長だけってズルいじゃん?」

しかも言外に認めやがった!!

良かった一緒に扱ってて。(・・ホントに良かったのかは分からないけど・・・)

意識を戻して戦闘中の三人を見る。

まだ戦っていたが激化はしておらず、念も使っていなかった。

・・・んだけど、なんか、念を使いたくてウズウズしてるよーな・・・?

「フィンクス、フェイタン。止めろ」

団長命令に攻撃を止める二人。

「フン、攻撃はソコソコやるね」

「てめぇもな」「次は念も使てやるか?」

「それは今度にしろ」

「「・・・チッ」」

舌打ちをしながらも命令に従う。

なに?そんなに楽しかったの?

 

「さて、ウチの団員が失礼した。

友好的に付き合いたいという要望もあり、もし話を飲んで貰えるのなら『星の雫』を譲っても構わな「本当ッ?!」あぁ、本当だ」

「だって、時価3億は下らないものだよ?!」

・・・・マジ?

「別に金には困っていないんでね」

「・・・・条件は?」

「今回の件を無かったことにすること」

「乗った!」

「交渉成立だな。シャル、『星の雫』を持って来い」

「はいはい」

あ、さっき見せたヤツには無かったんだ?・・・・てか、あれ?

「なんで買い物からそのまま移動になったのに宝石とか持ってるの?」

「あぁ、シャルが『星の雫』は別に捌くつもりで持って来ていたからな。他のはとっくに捌いている」

あ、そーなの?

・・・・・・・・・ん?じゃあ、

「さっき見せてたヤツは全部・・・・」

「ココで盗ったヤツだな。普通の宝石なんてあまり興味ないんでな」

・・・そーだよね。曰く付きのが好きみたいだしね。

 

クロロと話している間にシャルが戻ってきた。

「はい。どーぞ」

「こ、これが・・・・・」

ビスケは一瞬躊躇った後、そーっと宝石を持ち上げて確かめた。

「確かに本物・・・ホントにイーの?後から言っても絶対に返さないよ?!」

「持ってっちゃって下さい。どーせクモが持っててもすぐ売られるだけだし。

それなら、ビスケさんが持ってた方が愛して貰えるでしょう」

じゃないと交換条件出した意味がない・・・

「アンタ・・・・・

 

 

なんていい子なのだわさ───ッ!!!」

うぉッ?!

ビスケに抱きつかれた。わーい、『だわさ』も聞けた♪

「『星の雫(この子)』はあたしがしっかり愛してあげるわさ!!」

「お、お願いします・・・」

「極悪非道の幻影旅団っつーからもっと残虐かと思ってたけど、こんないい子もいるなんて・・・・・(しかも皆顔イイ奴等ばっかだし)」

・・・・・なんか、裏の声まで聞こえてきたような・・・・?

「気にしないで・・・・仲良くなりたかっただけだから」

 

 

「・・・・・呑もう!!」

 

・・・・・は?

「呑んで語り合おう!!」

「あら、それはいいわね」

「じゃあ、お酒大量に買いに行こうか?」

「そうだな。他も連れて行ってこい」

皆まで乗り出したし・・・・そーいや、クモはお酒好きなんだっけ?

困ったなぁ・・・ビールとか焼酎とか苦手なんだよね・・・・・

は何が好き?」

「私、ビールとか、ワインとか“お酒”ってゆーの呑めないんだけど・・・・

苦いのとか、辛いの苦手なんだよね。

お酒が呑めないわけじゃないんだけど・・・甘いモノがいいな?カクテルとか、酎ハイとか・・・」

呑める人からしたら甘いのは邪道らしいけどね。

「了解。甘めのモノね」

シャルがフィンクスを連れて買いに行った。

「お酒は買うんだ?」

「呑んだ後の缶や瓶を隠滅するのが面倒だからな」

・・・さようで。

 

 

 

 

主人公のキスは触れたかどうかよく分かんない位軽いモノ。そら、二人も駄々をこねるわな。
次は呑み会。