天災は忘れる前にやってくる37


約束通り、さっさと次の仮宿アジトに移動してくれた。

今度の所は飛行船で6日の所。

「6日も掛かるって遠いね。自力で行かないの?」

「直行便がないから時間が掛かるのはしょうがないよ。

自力で行ってもいいけど、途中に人食魚がいる大きな川があるからね。

堅したまま半日水泳したい?」

 

「・・・・遠慮する」

5分で食べられるよ・・・・

「まだには厳しいと思ったから空路にしたんだよ」

「ありがと。

そーいや、皆何気にいっぱい仕事してんだね?もっと時々だと思ってた」

「んー、クモになってからこんなにずっと一緒いるのは初めてかも?

いつもはもっと間隔空いて集まってたし。

簡単な盗みだったら仮宿決めないで集合・解散だもん」

「ふーん?仮宿アジトもこんなにコロコロ移動しないの?」

「うん。皆、集団生活するのに適してるとは間違っても言えない奴ばかりだからね。

団長からして個人主義だし」

確かに。

「だから仮宿アジトっていっても普段は集まる場所なだけで住む所としては考えなかったし」

あぁ、廃墟とかだったよね。

「それだけを気に入ってるってことだよ。もちろん、オレも♪」

「はいはい、ありがと」

「あー、信じてなーい?!」

シャルの空気よりも軽い戯言は聞き流すのが一番。

「ところで、次の仮宿アジトはどんなの?」

「心配しなくても前みたいな所じゃないよ。

どっちかってゆーとを最初に見つけた所に似てるかな?」

「・・・・立ち入り禁止区域の樹海、だっけ?」

「あ、知ってた?」

なんだってそんな所を選ぶかな?

「そ-ゆー所だと食糧とかどーするの?」

「買い込んで行く+現地調達かな?」

「サバイバル・・・・」

「いざとなったら何でも食べられるって!!」

・・・・念ってお腹も強くするのかな・・・?

 

 

 

飛行船生活4日目。

例の人喰魚がいる川をちょうど越えた頃、昼食を皆で取る為にレストランに来ていた。

 

──────バンッバンッ!!──────

 

「ねぇー・・・?」

「 何?」

 

──────ワー・・・・──────

 

「時々映画や物語で列車やバスとかってハイジャックされるじゃん?」

「あぁ、あるな」

 

──────ドドドドドッッ!!──────

 

「やる意味あるのかな?」

「運転ができるなら足代わりにはなるよね。後は売ったらちょっとした金額にはなるんじゃない?」

 

──────キャー・・・・──────

 

「銃を使ってるから売る線は少ないんじゃないかしら?」

「じゃあなんで?」

 

──────『全員大人しくしろッ!!』──────

 

「維持費を考えないなら、どっかの国に自爆テロを考えてるとか?この船の国の信用とかも落とせるよね」

「どっちにしろ傍迷惑ー・・・・」

 

──────『この飛行船は我々“蒼の団”が占拠したッ!』──────

 

「他人への迷惑を考えるなら、端っから犯罪をやろうとは思わねぇだろ?」

「確かにね」

 

──────『抵抗するヤツには容赦しない!!』──────

 

「んで、これからどーするの?」

「何が?」

「あの“アホの団”?」

「“蒼の団”よ」

「放っとけ」

 

──────『生きていたかったら大人しくしていろッ!!』──────

 

「特に何かする必要ないだろう」

「いざとなったら飛び下りちゃえばいいんだし」

「・・・・・・・結構高い所にいると思うんですけど?」

にはまだ難しいかしら?」

「練の持続時間からして微妙なとこだな」

 

──────『我々の目的は不当に捕らえられた仲間の解放である!!』──────

 

「誰かと下りれば問題ないよ」

「・・・・・その時はパク、よろしく」

「えぇ」「オレでも良いの「ヤだ」チェッ」

 

──────『──政府が条件を呑んだ場合、人質お前等は解放される。呑まなかった場合は一人ずつ飛行船ココから落とす』──────

 

「ねぇ?絶ってさぁ、気配が消えるだけであって目に見えなくなるわけじゃないんでしょ?なんで気付かないの?」

「気配がないから気付けないんだよ。もあそこにいるヤツのこと気付けてないでしょ?」

あそこにいるヤツ?

「・・・・・・・あッ?!」

「かなりの使い手のようだから、が気付かなくてもしょうがないわ」

かなり意識してみると、離れた所に男が座っている。

気付かなかった。

見た目は眼鏡をかけたインテリ風の青年。周りの状況にも応じる事なく何か読んでいる。

・・・・・・・ん?アレ、実はキメラアント編で出て来たりする人じゃないよね・・・・?

まさかね・・・・・?

「どうかした?」

「いや・・・“知識にある知ってる人”かなぁ?と思って・・・」

「へぇ?どんなヤツ?」

「もしそーなら、ハンタ―協会会長のお墨付きハンターでノヴ。念の空間を操る能力?地面や壁に手をかざて空間とを繋ぐ穴を開けて、物や人を移動させるのと、両手の中に穴を作ってソコに触れた物を念空間に閉じ込める?みたいなの」

キメラアント編は微妙なんだよね。進むのが一気に遅くなったからあんま好きじゃなかったし。

「強いの?」

「ハンタ―協会会長からの信頼も厚いぐらいだしね?」

「へぇ?」

あ、ヤべ。興味持っちゃったかも・・・?

「でも、ホントに同一人物とは限らないしさ?」

慌てて誤魔化してみるが、結構興味持っちゃったっポイ・・・

戦闘になる前にどっか行ってくれないかなぁとチラリと視線を向ける。

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

ノヴ(仮)と眼が合っちゃった。

何気ない風を装って自然に目を逸らしてみる。

・・・・・・おかしいな、なんかずっと見られてる気がするんですけど?

 

暫くしてノヴ(仮)は席を立ち、・・・・コッチに近付いて来てない?!

今までコッチの存在も無視していたくせに、なんで今更興味を持つのッ?!

「何の用かな?」

「さぁな」

「俺達が目当てなのか、・・・・それともか」

「オレはだと思うー。オレ達ならもっと早くに動いてるんじゃない?」

私は皆の方であって欲しい・・・・

「どっちでもいいじゃねぇか。強いんだろ?」

目当てなら、

 

殺ってしまえばいいだけよ?

 

戦闘になったら誰と一緒にいるのが一番安全かな?

・・・パクがコレなら誰からも離れていた方が安全かもしれない・・・

 

 

 

 

かなりオールキャラ化しているこのシリーズ。
おかしいな。コイツ出す気全く無かったんだけどな?