天災は忘れる前にやってくる38
「すみません」 「・・・・何か御用ですか?」 どちらも見た目は人当たりのいい青年な雰囲気。 ・・・・・・・笑顔貼りつかせていい人風に見えるが実際はハイジャックを放置している某会長の高弟のプロハンターと、見た目爽やか青年中身腹黒のA級首の幻影旅団団長、どっちがマシかな? 「お互い運が無かったですね」 「ホントに。でもいいんですか?この騒ぎを止めなくて」 「私に止める力なんてありませんよ」
うっわー・・・白々しい。 これだけの絶ができてて止める力がないなんて。 「そんなご謙遜を。貴方ぐらいの人がこの騒ぎを止めなれないなら誰も止めれませんよ」 「そんな買い被りです。貴方方ほどじゃないですよ」 「そんな、プロのハンターさんにそこまで言って貰えるなんて嬉しいですね」 「おや?私がプロハンター?」 「ハンター協会会長からの信頼が厚い方が無名なわけないじゃないですか」 二人共にこやかに会話をしているが、空気はどんどん冷えている。 「幻影旅団の方々に覚えられてるとは光栄ですね」 「幻影旅団?俺達が?」 「おや、違いましたか?」 「面白いジョークですね。俺達ってそんなに悪人顔に見えます?」 「まぁ、確かにあまり見えない方の方が多いですが」 ・・・・・フィンクスは見えるわな。 ハンターと賞金首とゆーよりも、狐と狸の化かし合いだよね。 「幻影旅団は最近ある地域で活発に活動していましたが、相変わらず情報が少ないんですよね。 噂も的を得ないものばかりですし。 信憑性があるものは一つだけ。“幸災の渡猫”と呼ばれている少女を連れていること」 ・・・・・噂流れすぎじゃない? 「そこにいる少女はそっくりですね?」
瞬間、
私はパクに抱き抱えられノヴ(もう決定でいいや)から遠のいていた。
・・・・自分でも逃げようとしたのに。どうせ反応遅いですよーだ・・・・ クロロはナイフを持っているし、シャルはいつでも動けるように体制を作ってるしフィンは手をバキバキ鳴らしている。パクも私を安全圏に置くと銃を出してあちらに向かった。 皆戦闘準備万端だ。
──────『な、なんだお前たちはッ?!何処から出やがったッ?!』──────
あ。忘れてた。 そーいや居たね。皆が絶を解いたから存在が分かるようになったんだね。 でも皆無視。こんな雑魚、相手にしてらんないみたい。 その時クロロがこちらを見た。 そして、クイッと首でハイジャック犯達を指す。 ・・・・・私がやれってか? どうやら無視はするが邪魔はされたくないらしい。 はいはい、雑魚の相手をやってきますよーだ。 はぁー・・・これも修行ってか。 仕方無しにハイジャック犯達の方に向かう。
始めは急に表れた(最初からいたけど)私等に驚きを隠せなかったハイジャック犯達も、子どもが近づいてくるのを見て子どもなら勝てると思ったらしい。 下衆卑た笑いを浮かべていた。
「なんだ嬢ちゃん。オレ達とやろうってか?」 「おー、可愛がってやるぜ?」 「お前そーゆー趣味かよ?!」 「確かにカワイー面してるけどよ」
ハイジャック犯達がゲラゲラと余裕を見せながら如何にも雑魚キャラな発言をする。 その発言に殺気立っている人達が3人(パク・フィン・シャル)いるのにも気が付いていない。 ・・・・なんで先に皆が殺気立つのさ?私が言われたのに。 このままだとノヴを倒すより先にこちらに来そうな気がするのでさっさとしてしまおう・・・・
よし。 手始めに近くにいる奴の腹を思いっきり蹴る。
───ドカァッッ!!───
おー、何人か巻き込まれてったなぁ。ラッキー。
「なッ?!」「キサマァッ?!」「何しやがる?!」 何しやがるって、蹴っただけだけど?
「この餓鬼が!!」「やっちまえッ!!」 取り押さえようとする奴等を蹴ったり殴ったりして沈めていく。
「このッ!!」「舐めたマネをッ!!」 子どもだと舐めてかかるのを止め、銃を使いだした。ウロチョロしてそれを避けたり沈めたハイジャック犯を盾にしたりしてやり過ごし着実に減らしていった。 「あ、あぁっ?!」
───ドコォッ!───
ラ・ス・ト~。
さってと、アッチはどーなったかなぁ? 皆の方を見ると、現在シャルとノヴが対戦中。他は周りを囲み静観中。 集団リンチはしないらしい。 ノヴは何回か念を出そうとしているが、皆は彼の念能力を知っているので使わせる暇を作らない。 「・・・どうやら、私の念能力を知っているようですね」 「さぁね」 「今回は状況的にも不利なようだ。引かせてもらいます」 「逃がすと思うの?」 「どうですか、ねッ」
「ッ?!」「?!」
ナイフが飛んでくる。 スレスレで何とか避ける。 と、思ったらいつの間にかノヴが来ており、腕を捕まれ後ろに回される。 「痛っ!!」 「ッ!!」 動けない状態で顎を掴まれる。 「君はというのですか? 旅団でさえ興味を持つ“幸災の渡猫”。実に興味深いですね」
──ゾクゾクゾクッ!!── 怖い怖い怖いッ!!
「貴方を連れて行ったら彼等はどうすると思いますか?追いかけてくる?それとも、捨てられる?」
ヤだヤだヤだッ!!コイツ嫌だ怖いッ!!
暴れようとするが腕と顎を捕まれ、思うように動けない。
「行かせると思うのか?」
クロロの言葉と同時にノヴは私を抱えて後ろに大きく跳ぶ。すると居た場所に穴ができた。 クロロが盗賊の極意を出している。シャルはアンテナ、パクは銃を構えている。フィンは今にも襲いそうなほど殺気を放っている。 「幻影旅団ともあろう方々が子ども一人に本気なようですね?そこまでの価値がこの少女にあるのですか?」
「お前には関係ねぇ」「その子の価値はオレ達が知っていればいい」「貴方が知る必要はないわ」 「そういうことだ。返してもらおうか」 「残念ですね。私も貴女に興味が出てきたのですが」 いらん。そんな興味。さっさと放せ!! また暴れようとすると顎を強く掴まれ上に向けさせられる。 ノヴの顔のアップが目の前に広がる。 「今回はお返ししましょう。しかし、ただ返すだけでは面白くないですね・・・・・」 そう言うと、ノヴの顔が近付いて来て、
キスされた。
「「「?!」」」
「?!───ッ!!」 深いモノに変わる前に蹴ったり爪を立てたりして暴れ、なんとか拘束をノヴから離れようとする。 「随分とヤンチャな子猫ですね?躾はしてないのですか?」 「まだ教え込む段階にいってないんでね」 「それはそれは、私が初めてでしたか。なんなら躾けて差し上げましょうか?」
「「「殺すッ!!」」」
「結構だ。間に合ってる。ロリコンだと断定される前に失せたらどうだ?」 「そうですか、残念ですね。 また会えるのを楽しみにしています。では」 身体を押され、よろけた所をクロロが支えてくれ、転ばずに済んだ。 パクの銃やシャルのアンテナがノヴを襲うが、当たる前に四次元マンションで逃げ、穴を閉じてしまった。
似非ノヴ登場~、ロリコン疑惑も浮上。マジ誰?って感じですが広い心で読むことをお勧めします。 管理人がノヴがあまり好きでないからこーゆー扱いになってしまってるのですけどね。 |