天災は忘れる前にやってくる43
皆を見送り、色々と言われた通り適度にきちんと生活をして三日、
飽きた。
「三日坊主って本当だよな~・・・」
ってな訳で、森の奥深くまで探検に行きたいと思います。
先ずはクロロが言ってた湖に行こうと思い、ナイフ(ベンズナイフ・毒無)を腰につけ、チャッカマンとグラス(水見式用)を適当なく袋にいれてっと。 食事は・・・現地調達か戻ってきたらいっか。 遠いのかな?まぁ体力も時間も有り余ってるし、いつかは着くだろう。 出発しようとした時、シロガネが立ち塞がった。 「クルルルル・・・・」 「シロガネ、どうかしたぁーッ?!」 シロガネに襟をくわえられ、グイッと投げられ世界が反転。 気付いたらシロガネの背中に乗っていた。 「・・・・乗せてくれるの?」 「クー・・・」 「ありがと。んじゃ、とりあえず湖に行ってみよーか?」 って言っても南がどっちか分かってないや・・・・ 確かコッチで合ってると思うんだけど。
─────フワッ─────
「・・・・・・・・・・・・シロガネ、お前浮けるの・・・?」 只今地上から50mほど離れております。 「めっちゃ眺めイイ・・・」 一般人以上の強さになっててよかった。 景色より先に高さでアウトになっちゃうもんね。(今だとココから落ちても無事だと思えちゃうぐらいの強さは身につけてしまった・・・・) 「えーっと、湖は・・・・あそこかな? じゃシロガネ、あそこまで連れてって」 シロガネは静かに動き出し、目的地に向かった。 「ココかな?クロロが行ってた湖は・・・」 森の中で大きく開けた所にある湖。太陽が反射し、水面がキラキラ輝いている。 「シロガネ、降りてみよっか?」 シロガネに降りるように促すと、シロガネは高度を下げていき、
─────バッシャーンッ!!─────
湖に突っ込んだ。 「ッッ~~、ゴホッ、ゴホッ・・・」 は、鼻に水入った・・・・
「シ~ロ~ガ~ネ~・・・?」
恨みを込めて名前を呼ぶが、本人は何処吹く風でシレッとしてる。 あーあ、服から頭までずぶ濡れ・・・・ 携帯がシャル特製の防水だったからよかったものの、普通のだったら壊れてるね。
「でも、気持ちイー・・・・」
水が澄んでいるので底が見えるが、深さはあるらしく足が全然付かない。 泳いだり潜ったりして、遊び回る。 一頻り遊んだ後、湖から上がり、手ごろな木の枝を集め、火を起こす。 服を脱いでスポブラとパンツだけになり、脱いだ服は乾かす。
「この天気だと風邪は引かないだろうし、人もいないからいっか。 ご飯はどうしよーかなー・・・・・
シ、シロガネ?」
シロガネの方を見ると、熊が川で鮭を取る要領で浅瀬で魚を取っていた。土に放り出された魚がビチビチ跳ねている。 4・5回繰り返した後、跳ねている魚を銜えてコチラに持ってきた。 「捕まえてくれたの・・・・・?」 「クルルル・・」 なんでこんなに頭イイの?実は念獣のフリした魔獣だったりしない? 「グルル・・・」 シロガネが擦り寄って来て体を擦りつける。撫でてやると気持ち良さそうに目を細めた。 ・・・・何だってイイや。カワイイし。
食事はシロガネが捕ってくれた魚と、魚を焼いてる間に(これまたシロガネが)いつの間にか摘んで来てくれた果物っぽいモノをシロガネと一緒に食した。(やっぱ普通の物も食べれるらしい。ますます動物っぽい) そして食後は、シロガネに寝そべって貰い、そこにもたれ掛かって昼寝。 空気は美味しく、聞こえるのは鳥の囀りと風に揺れる木々の音。(時々『グゲギョ』とゆー何かの鳴き声も遠くの方からするけど、それはシャットアウト) 「んー、気持ちイイ・・・」
─────ピクッ・・・─────
シロガネが顔を上げて辺りを窺う。 そして、ある方向を見つめたまま警戒しだした。
「グルルルルル・・・・・・」 「シロガネ?どうした?」 「ガルルルルル・・・・・」 「何か来た?」
・・・服着た方がイイ? シロガネの陰でいそいそと服を着た後、シロガネが警戒している方を見る。 シロガネはますます警戒を強めていく。
「ガルルル・・・・ ガァオォッ!!」
シロガネの唸り声が辺りに響き渡り空気が揺れ、鳥が何羽か飛び立つ。 今にも飛び掛かって行きそうになった時、木の陰から一人の男が出てきた。
「・・・・・何か御用ですか?」 「・・・・・お前は何者だ?なぜここにいる?ソイツはどうやって手に入れた? 場合によっては、容赦しない」
出てきた男は洗いざらした少しボロボロの服に身を包み、髪も髭も伸び放題になっている。 見た目は如何にも野生児だが、目がとても印象て・・き・・・・
・・・野生児、思いを秘めた印象的な目、ツンツン黒髪頭・・・・ ・・・・・・・ジン・フリークスとかって言わないよね・・・?
「その生物は絶滅希少生物の銀毛虎じゃないのか?しかもソイツは純血種の白金毛?」 あ、どっちにしてもシロガネなんだ? ってか、いるんだ、こーゆー動物。 「希少生物の捕獲および売買は禁止されている。どこで手に入れた?」 「・・・・・いつの間にか傍にいた。他がどこにいるのかなんて知らない」 嘘は言ってないよ? 「あくまでも答えない気か?ガキだからって容赦しねぇぞ?」 「ガルルル・・・・・」 シロガネが毛を逆立てて威嚇する。 「シロガネ、ストップ、攻撃しちゃ駄目」 5本の指に入ると言われている念使いに攻撃して、無事で済むとは考えにくい。 「グルル・・・」 今すぐ飛び掛かろうとしていたが、止めると警戒するだけに留まった。
「・・・・・・・・・ん? ソイツ、もしかして念獣か?」
「・・・・何処かで捕らえた訳じゃないのは確かだよ」
そう答えると、男は警戒を解き笑顔になった。 「そっか。疑って悪かったな!! 森の入口で浮いてるお前等の姿が見えてな。 銀毛虎に見えて思わず追いかけちまった!!」 軽ッ?! 「・・・そぅ」 「オレはジン・フリークス。プロハンターをやってる」 「・・・・・シロノ」 「だな?よろしくな!!」 「・・・どうも」
出ました、野生児ハンター!!(笑) ホントはカイトも出したかったんだけど、時期的にかくれんぼが開始されているはずなので断念。 しかし、ジンの口調が分からない・・・・ |