天災は忘れる前にやってくる52


男が視線をコチラに向ける。

「・・・・子どもか」

「(ビクゥッ)」

「・・・毒で動けないか」

殺す気なのかどんどん近付いてくる。

夜の、明かりも乏しい中、分かるのは体格よく良く、長い髪を持ち、かなり強い。

髪の色は・・・・銀髪?

って、シルバ・ゾルディック?

まさかね・・・・・?

 

「お前・・・・」

男が明るい所に来たので顔が見えた。

・・・・・そのまさかっぽいです。

長男の次はご当主ですかッ?!何で世間はこんなに狭いのッ?!

「面白い眼をしているな?」

あ、今はカラコンしてないから橙と黄オッドアイのままだ。

「ふむ、顔の造りも良いし土産ぐらいにはなるか・・・・」

いやいやいやいやッ?!勝手に土産にしないで下さいッ?!

確かに、キルアにも会いたいし、イルミもカルトも会ってみたいし、アルカも見てみたいよッ?!あの兄弟見てるとキキョウさんもさぞかし綺麗な容姿なんだろうと思うし、見てみたい気もしなくともないですけどッ?!

だからってお持ち帰りはイヤですッ!!

着せ替え人形になる気も観賞用とされる気も剥製にされる気もありませんからッ!!

 

「こ・・とわ・・・・る」

「ん?」

「もち・・・かえり・・される気は・・・・ない」

「・・・そうか、残念だ」

何がッ?!しかも、強制はしないんだ?

「此処に置いたままで大丈夫か?」

随分好意的ですね・・・?

「むかえ・・・くる・・」

「そうか、仲間が来たら水を飲ませてもらえ。

毒が薄まる。

意識を奪わず、2・3日したら回復してくる毒を使って何をしようとしていたんだろうな?」

・・・・絶望を味わせたかったんじゃないの?

 

 

 

シルバ・ゾルディックが去って直ぐ、迎えクロロが来た。

、随分と色気のある恰好になったな?」

クロロがコートで私を包む。

「おそ・・い・・・」

「悪かった。・・・毒か」

「ビスク・・・」

「あぁ、だろうな。それで、アレは誰に殺られた?」

「・・・・シルバ・ゾルディック(っぽい人)」

「アイツか・・・」

「しって・・・?」

「かなり昔、やり合った時がある」

あぁ、そーいやヨークシンの時にシルバが思い出してたね。

髪下ろしてたし、服もあまり良い物とは言えなさそーな感じだったから旅団結成前かな?流星街にいた頃?

「また、新しい8番を探さないとな」

・・・・・今回のって、キルアが話してた3年前の話か?!

クロロがシルバと戦ったのってもっと前だったんだね?

 

 

「さて、移動するか」

「みず・・・」

「水が飲みたいのか」

「どく・・・うすま・・る」

らしい。

「なら、その辺で買えばいい」

「ふたり・・は?」

「ん?あぁ、ビクスが大量にアンデットを置いていったからそっちを処理している。

もうそろそろ終わって宝を運び出しているだろう」

「クロロ・・・いかな・・・ていい・・の?」

「シャルとパクなら問題ない」

宝を壊す心配もないからな、とのこと。

確かに。

 

 

 

「あった」

飲料水の自販機で水を買う。

 

、飲めるか?」

蓋を開けて口元まで持ってきてくれるが、口も舌も上手く動かず水が零れてしまう。

「・・・無理か」

水を飲ますのを止め、クロロが代わりに飲む。

 

 

そのまま顔が近付いてきて、

口の中に舌が入ってきた。

 

 

「んっ、んんっ」

水が喉の奥の方に入ってくるので、何とかして飲み込む。

「はぁっ、はぁっ、なに・・す・・・」

「何って、口移し」

この方が飲みやすいだろ?って、

「せめ・・て・・・いってか・・」

「そしたら意地でも自分で飲もうとするだろ?そんなの、面白くない」

面白くなくていいッ!!

「あと・・・じぶん・・で・・・・」

「動けるようになったらな」

クロロはこちらの言い分をサラリと流し、ペットボトル2本分(計1L)を飲み終えるまで続けられた。

どっちにしても聞かないじゃんかッ!!

「も、ムリ・・・」

お腹、タプタプ・・・

「なら、一先ず仮宿アジトに帰るか。

の恰好も酷いしな?」

確かに、子どもに見えるしクロロのコートを上から着てるとはいえ袖とか胸元とか破られてるしね。

このままだとクロロが誘拐犯だよね?

人目が無いといっても自販機が置いてあるぐらいだ。いつ人が通るか分からない。

ってか、別に命に関わることじゃ無かったんだから、ココでしなくてもいいんじゃんッ!!

 

 

 

 

シルバパパでした~。
シルバパパ、こんなんで『旅団には手を出すな』って子ども達に言ってくれるかな・・・?
それにしてもこの話、色気無いのにキス好きだよね?(笑)