天災は忘れる前にやってくる62


難関と聞いたハンター試験。

なのにただ走るだけかよ、つまんねーの。

 

 

「おいガキ、汚ねーぞ!そりゃ反則じゃねーかオイ!!」

スケボーに乗りながら通り過ぎよーとしたらよく分かんねーけど怒鳴られた。

「何で?」

「何でっておま・・・こりゃ持久力のテストなんだぞ?!」

はぁ?このオッサン何言ってんだ?

「違うよ。試験官はついて来いって言っただけだもんね」

隣にいたツンツン頭が怒鳴ってきたオッサンに言う。だよなー?

「ゴン!!てめ、どっちの味方だ?!」

「オレがダメならアイツはどーなんだよ?」

少し後ろにいる虎に乗って寝ているヤツがいる。帽子とマフラーとメガネで顔は見えなかったけど。

指差すとオッサンはそっちを見た。

「なッ・・・・・?!」

おー、絶句している。

「スゴイね、上の人寝てるのに下のあの子トラが上手くバランスをとって運んでるよ」

「ゴン!問題はソコじゃねぇッ!!」

『(全くだ・・・・)』

なんか今、周りの声も聞こえたよーな・・・?

「オイッ!虎に乗ってるオマエ!!起きやがれッ!!」

「・・・・・んー・・・あと5・・・・・・・・・・・・・・・・時間」

『寝過ぎだーッ!!!!』

周りの連中と一緒になって叫んでるし、コントかよ。

「ナメてんじゃねーぞ、起きろッ!!」

 

「ガルルルル・・・」

 

虎が唸り出した。

「な、なんだやる気か?!」

「止めなよレオリオ。その子、かなり本気だよ?」

「怒鳴るな。体力を消耗するぞ。何よりまず五月蝿い。テストは原則として持ち込み自由なのだよ!」

「自由つったって限度があるだろぅッ!!」

「一概に有利とは言えない。これまでの調教期間や餌の確保、住む場所等を考えるとプラスばかりとは言えないだろう」

「こんなに大きいと街には住めないもんね」

まぁオレん家はもっとバカでかいの飼ってるけどな。

「だがよぅ・・・・」

「羨ましければ自分も連れて来たらいい話だ。それとも、あの虎を奪って乗るか?」

「ムリだよ。その子、上に乗せてる人のコト慕ってるもん」

「へぇ、そんなコト分かるんだ?」

オレ、ミケの考えてる事、全ッ然分かんないぜ?

「何となくだけど。誰かが上の人に手を出さないかずっと警戒してるし、落とさないよーにも気を付けてる。よっぽど慕ってないとココまで気を付けないよ」

「奪ったとしても乗せて走るコトはなさそーだな」

「けっ、いい気なモンだぜ」

 

「グルルルル・・・」

 

「あぁん?!ネコ野郎、人間様に楯突く気か!?相手になってやるぜ!!」

大人げねぇ・・・

「んー・・・シロガネ?何遊んでんの?五月蝿くて寝てらんない・・・」

上に乗ってたヤツはムクリと体を起こすと寝ぼけた声で文句を言う。

「あそっ・・・飼い主はやっとお目覚めかよ」

「ぅー・・・?」

ぼーっとしたままキョロキョロ辺りを見回し、オッサンと話していた金髪にヘラリと笑いかけた。

「オネーサン綺麗だね、後でお話しません?」

起きて早々ナンパかよ。

「・・・・・私は男だ」

「えぇ~、なーんだ」

「プッ、間違えられてやんの」

レオリオ

「美人さんだ~」

「顔の美醜は関係ないだろう。中身が重要だ」

「え~、顔も重要じゃない?綺麗だと鑑賞するのも楽しいじゃん」

「美人でもヤロウを鑑賞する気にはなんねーな」

オレもそー思う。

「そう?ところで、何で走ってるの?」

・・・コイツ何しにココに来たんだ?

「今がハンター試験最中だからに決まってるだろッ!?」

「えッ!?試験始まってんの?!シロガネ、起こしてって言ってたじゃんか」

 

「グルルル・・・」

 

「あー、ありがと・・・」

「お兄さんこの子とホントに仲いいんだね」

「ありがとう少年?」

顔は帽子や眼鏡でよく見えないけど、自分だって少年ガキの域を脱してねーだろーが。

そーいや、ツンツン頭コイツは結構オレと年近そうだな。

「君、年いくつ?」

「もうすぐ12歳!」

「・・・・・ふーん」

同い年・・・ね。

「やっぱオレも走ろっと」

なんかコイツら面白そーだし?

 

 

 

 

キルア視点でした。こんなこと思ってたら面白いなぁ~っと思って。
主人公には気付いていません。何せ帽子+メガネ+マフラーで殆ど顔見えないし、ウィッグ付けてるから髪の色も違うしね。
あ・・・・名前変換が、ない・・・・