天災は忘れる前にやってくる65
あー、やっとちょっと休憩できる。同じ体勢でいるのも結構疲れるんだよね~。(半分は寝てたけど) 地面に立つのもやっぱイーね。そーいや、皆に連れられて色んな所に行ったけど湿原は初めてなんだよな~。
地下から出ると広がる広大な自然。 サトツさんが説明に入る。 「ヌメーレ湿原、通称“詐欺師の塒”。 二次試験会場へはここを通って行かねばなりません。 この湿原にしかいない珍奇な動物達。その多くが人間をも欺いて食糧にしようとする狡猾で貪欲な生き物です。 十分注意して付いて来て下さい。騙されると死にますよ」 ・・・・ココで迷子になっても回収してくれるのかな?(生きていられるなら始めから大丈夫か) 「この湿原の生き物はありとあらゆる方法で獲物を欺き捕食しようとします。 標的を騙して食い物にする生物達の生態系・・・・詐欺師の塒と呼ばれる由縁です。 騙されることのないように注意深くしっかりと私の後をついて来て下さい」 閉められたシャッターは無視ですか? 「おかしなこと言うぜ。騙されるのが分かってて騙される訳ねーだろ」 「ウソだ!!そいつはウソをついている!!」 ヨロヨロと建物?の影から出てきた。 あの傷、自分でつけたのかな?ってか、服はどーやって手に入れたんだろ?(死体から引っぺがしたのかな?) 結局コイツも人面猿なのか分からずじまいだったよね。 「そいつははニセ者だ!!試験官じゃない。オレが本当の試験官だッ!!」 この試験官モドキ、演技は中々上手いよね。 「ニセ者?どういうことだッ?!」 「じゅあコイツは一体・・・?!」 「ヌメーレ湿原に生息する人面猿!!」 何となく顔の雰囲気が似てる所が笑える。 でもさ、長々と演説すんのがマジ 「ウゼェ・・・・」 「?」 「人面猿は新鮮な人肉を好む。しかし、手足が細長く非常に力が弱い。 そこで人に扮し言葉巧みに人間を湿原に連れ込み他の生き物と連携して獲物を生け捕りにするんだッ!! そいつはハンター試験に集まった受験生を一網打尽にする気だぞッ!!」 超矛盾発言な演説、ご苦労様。
──────ヒュッ、ドスドスドスッッ──────
自称試験官は倒れ、サトツさんはトランプを掴む。確かにこれで証明されたけどね。 「くっく♠なるほどなるほど♣」 ・・・・・・やっぱりヒソカ苦手かも・・・ 確かに声は高橋さんとは違うんだけど、似たような声質ってゆーか声色ってゆーか・・・・・ 「あの猿死んだふりを・・・・・・!?」 「これで決定♦そっちが本物だね♥ 試験官というのは審査委員会から依頼されたハンターが無償で任務につくもの♠ 我々が目指すハンターの端くれともあろう者があの程度の攻撃を防げないわけがないからね♣」 「褒め言葉と受けとっておきましょう。 しかし、次からは如何なる理由でも私への攻撃は試験官への反逆行為とみなして即失格とします。よろしいですね」 「はいはい♦」 ってゆーかさぁ、ヒソカから見たらアイツ等試験官じゃないの丸分かりのはずだよね? だってアイツ等纏してないけどサトツさんしてるし。余程のコトない限り普通は纏してるし?(まぁボク今してないけど) なのにこーやって解き明かすのって、暇潰しかな?ストレス発散? 皆の為ってコトはまずありえないし、やっぱ説明と称して殺したかっただけかな? あ、サトツさんに喧嘩を売りたかったってゆーのもありだね。
「・・・ッ、おいッ!!」 「う?」 「うじゃねーよッ!!」 「試験官行っちゃうよ?」 「早く行こーぜ」 「あぁ、ゴメン」 どーやら考え事をしている間に話が終わってしまったらしい。シロガネに乗るとすぐに走り出した。
「ねぇ」 「んー?」 「はさっきの試験官がニセ者だって気付いてたの?」 「はぃ?」 「途中ウザいって言ってたから」 「あ、声に出してた?うん、分かってたよ」 「すぐに分かるなんてスゴイね」 なにせ知ってたしね? それに、 「あんなん、ちょっと考えたら分かるよ。今まで一緒に走ってきて息切れ一つしてないヤツが“力の弱い猿”にできるかっての。 話事態に矛盾がありまくりなんだもん。 それに、騙すなら始めから湿原の説明しなきゃいーんだし、出口で待ち伏せしときゃいー話じゃん?」 シャッターの向こう側のヤツ等を食べるって手もあるな? 「そっか、って頭いいんだね」 「気付くか気付かないかの話だよ。ゴンだってあのニセ試験官信じてなかったじゃん?」 「うーん、なんか違うな~って思って」 ・・・流石野生児。 「キルアも分かってただろ?」 「まぁな。アイツの話矛盾してたし。あのオッサンは騙されてたみたいだけどな」 「大丈夫だよ。もし付いて行こうとしてたらクラピカがきっと教えてくれてたよ!」 「やっさしい♪」 流石赤い糸で結ばれる(予定)腐れ縁の二人!手助けもバッチリだね♥
主人公、思った以上にヒソカを嫌ってるな・・・? 皆の言い聞かせが効いてるのかな?(笑) |