天災は忘れる前にやってくる74


シロガネがある一定の方向をじっと見ている。

絶をしているのか気配は掴めないけど狸爺ネテロ会長でもいるのだろう。

ゲーム開始、かな?

 

 

ネテロ会長が放った威圧感に反応してバッと振り向くキルアとゴン。

シロガネだけは会長の動きを目で追っていた。(スゴイね)

「どうかしたかの?」

白々しい・・・・

「あれ?

ネテロさん、こっちの方から誰か近付いてこなかった?」

「いーや」

「・・・・素早いね年の割に」

「今のが?ちょこっと歩いただけじゃよ」

己のちょこっとは音速か。

って、そーでしたね・・・このジイサン、滅茶苦茶速いんだった。最近、狸爺としか認識してなかったから忘れてた。

バチバチと火花を散らすキルア。

そーだよなー。狸とは合わないよなー。

「何か用?

じいさん最終試験までやることないんだろ?」

「そう邪険にしなさんな。退屈なんで遊び相手を探してたんじゃ」

爺、仕事しろよ。

「どうかな3人共ハンター試験初挑戦の感想は?」

「うん楽しいよ!想像と違って頭使うペーパーテストみたいなのないし」

「オレは拍子抜けしたね。もっと手応えのある難関かと思ってたから」

「こんなもんなんじゃないの?」

「走って料理だけだぜ?あんなの準備運動にもなんねぇし。

次の課題はもっと楽しませてくれるんだろ?」

「さぁ、どうかのー?」

「・・・行こーぜ。時間の無駄だ」

会長のすっとぼけた回答にキルアがくるりと背を向ける。

「まぁ待ちなさい。

おぬし等ワシとゲームをせんかね?」

「「?」」

このジーさん、ホント暇つぶしをしに来ただけなんだね。

「もしこのゲームで、ワシに勝てたらハンターの資格をやろう」

「「!」」

勝たせる気ないくせに。

 

 

 

 

連れて来られたのは広い部屋。

「この船が次の目的地に着くまでの間にこの球をワシから奪えば勝ちじゃ。

そっちはどんな攻撃も自由!ワシの方は手を出さん」

そうか。ならいざとなったら念は有りなんだな。まぁ会長は纏してるのに無しはおかしいもんね。

どっちにしてもキルア達の前で念を見せる気はないけど。

 

「ただ取るだけでいいんだね?

じゃ、オレから行くよ」

「御自由に」

「(舐めやがって)」

キルアが足を動かすと何人ものキルアが出てきた。

「!!?」

分身キルア~。

・・・・はっ、そうかッ?!某テニスのはずなのにスポーツとはいえないモノをやっていて正式名称めっちゃ恥ずかしい名前の学校に通っていて語尾に『にゃ』とかナチュラルにつける人(というか猫?)は肢曲をしていたのかッ!!

とまぁ半分冗談な考えはこれぐらいにして、分身キルアが何人いても会長にかすりもしないでいる。

 

──────ベキャ!──────

 

キルアが会長の足を蹴った。

「痛っ、モロ軸足・・・!!」

でも実際痛がるのは・・・・

「いってぇ────────────ッ!!」

キルアなんだな。

「鉄みたいだぜあのジーサンの足」

そら、飛行船から落ちてきても傷一つ負わない足だし?しかも硬してたしね。

 

 

「よーし、次はオレだ!!

行くぞッ!!」

ゴンがダッシュを掛けて会長の目の前でジャンプする。

が、

 

──────ガンッ!!──────

 

「たッ!!

ってぇ────ッ!!」

舌噛まなくて良かったね・・・・

「ジャンプ力がすげーのは分かったからちゃんと加減して跳べよゴン!!せっかくジイサン油断してたのに」

ねー。

ま、ゴンがんばー。

さて、シロガネを伏せさせてっと。

「何してんだ?」

「ん?寝ようと思って」

「参加しねぇのかよッ!?」

「えー、だってメンドくさいしせっかくシャワー浴びたから汗かきたくないし?」

「後でもっかい浴びろよ!!」

「ヤだメンドくさい」

念使わずにだとまず取れないし、念をキルア達の前で見せる気はない。

無駄な体力使うぐらいなら寝る方がいー。

「コイツは・・・・」

「おや、お前さんはやらんのか?」

爺はゴンに集中しとけ。

「起きたら考えます」

ということで、

「んじゃオヤスミー」

 

 

 

 

主人公、自由に生き過ぎだ!!(笑)