天災は忘れる前にやってくる77


“よく不正解の道で生き残れたな。その場所は唯一の非難場所、だが届くヤツは少ない”

そりゃ10m以上も垂直に飛び上がれるヤツは少ないだろ。

“そこの奥が最後の部屋だ。その部屋を越えると一階となる”

「・・・・・・・つまり、正解の道は安全で簡単だけど長い道程、不正解の道は危険で困難だけど短い道程だったってコト?」

“その通りだ。どこにも正解の道が最短の道だとは書いてないからな”

 

・・・・・・・・このパイナップル頭

 

“(プッ・・・)”“(ククッ)”

“・・・・・・・・本当なら地面に色々トラップが仕掛けられていたので踏んだら先ず助からないモノが大量にあったはずなのだが、踏まずに通るとは強運だな”

「それは僥倖」

あぁ、どおりで危険で困難な道の割に大玉しか仕掛けがないので不思議に思ってたんだけど、宙に浮いてたふんでないからか。

“最後の部屋ではその虎の使用は認めない”

「えー・・・・ケチ」

“・・・・・・・自分の力で乗り越えるんだな”

心の狭い試験管だな。

 

 

『これが最終問題

10人の囚人との決闘 勝利条件は相手が戦闘不能・死亡・降伏である

リタイヤ・敗北の場合はその時点で試験終了・失格となる

決闘を

1.やる  2.やらない』

 

 

ほんと、イイ性格してるよね。

「そんなの、決まってるだろ?」

 

 

ボタンを押すと扉が開いた。

最後の部屋はゴン達が戦っていたようなリングになっており、囚人が待ち構えていた。

「ここでは書いてあった通り10人の囚人と戦ってもらう。戦い方は1対1でも10人全員でも構わない。

但し、俺達全員に勝利しなければ向こう側に行く事は認められない」

ズルして向こう行っても開かない、ってコトね。

「気絶した場合、戦闘不能として見なしていいですか?」

「なぜだ?オレ達は気絶しても認めないぞ?」

「其方が気絶した場合のみで結構です。意識ない相手を甚振る趣味は持ち合わせていないので」

「なら許可する」

「ありがとうございます」

コレで止めを刺す必要も無駄に時間を使うコトもなくなった。

 

「では、どんな戦い方を望む?」

んー、誰も念は使えないみたいだし、全員と一斉にやっても勝てるとは思うんだけどなぁ~。

まぁ、少し様子を見ますか。

「まずは1対1を望みます」

「そうか、なら「オレ様が行こう!!」・・・だそうだ」

 

闘技場に降りていき名乗り出た囚人と向き合う。

「オレ様の前に立ったことを後悔するんだな」

「・・・・はぁ」

後悔、ねぇ・・・・

随分と威勢の良い・・・

「地獄の底辺を見せてやるぜッ!!」

囚人がマントを脱ぐと同時に跳躍し踵落しをしてきた。

 

──────ドコーンッ!!──────

 

それを飛び退いて避けると、囚人の足が地面にめり込んだ。

「よく避けたな」

いくらなんでも舐め過ぎ。今のならレオリオでさえ避けられるよ。(←失礼)

若干呆れた目で相手を見る。

 

・・・・・ん?胸元に何か描いてある?

 

 

 

「・・・・・・く、も?」

 

 

・・・・って、まさか・・・・・ねぇ?

 

「フッフッフッフッ・・・・・・バレちまったか。

そう!!オレ様は冷酷非道と恐れられている幻影旅団の幹部の一人、『蹴死のクーガ』とはオレ様のコトよッ!!」

 

・・・・・ま、マジ・・・で・・・・・?

いっいや、聞き間違いかもしれない・・・・・・・幻影旅団じゃなくて減塩旅団ってゆー身体に良さそうな団体の人かも。

だって、クラピカの時も似たようなの出てきてたし、二人も同じコトをするバカは・・・・

 

 

「どうした?恐ろしくて声も出ないか?そうだろうなぁ・・・・幻影旅団を目にするとは死を意味するんだからな」

 

聞き間違えじゃ・・・・無かったッ!?

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

「どうだ、恐ろしくて声も出ないか?」

こんなのが幻影旅団・・・・・・

ごくあくひどうのげんえいりょだん・・・・・

 

 

「今ならまだ許してやってもいいぞ?」

幻影旅団の幹部の一人・・・・・・幹部・・・・蹴死のクーガ・・・・・

 

 

も、もうダメ・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・クッ。

アハハハハハッ!!ヤバい、マジ駄目ッ!!お腹痛いッ!!アハハッハハハ・・・・・・」

 

 

耐えらんない、笑い死ぬ──────ッッ!!

 

 

「しゃ、写メ・・・・」

震える手で携帯を構えてなんとかブレない様に写真を撮る。蜘蛛の刺青がきちんと見えるように綺麗に撮る。

「ふぅ、これでよし」

いい土産話ネタができた♪

「あ、勝手に取るな!!」

「だってこれは是非見せないと!!ククク・・・・」

あー、マジ笑いが止まんない。

「笑うのをヤメロ!!何がオカシイ!?」

「何がって・・・・」

そんなの、簡単に捕まって刑務所入れられてるよーなヤツが幻影旅団語ってて幹部だとか訳分かんない事豪語してて似ても似つかないクモの刺青してて勝手に自称してる所がです。(つまりは全部だけど)

 

「はぁっ、はぁっ・・・・・・・あー、面白かった。

明日腹筋が筋肉痛になってたらどーしよー?」

まだ少し震えてるよ・・・・

「そんな心配はいらん!!貴様はここで死が決定した!!」

 

顔を真っ赤にして突進してくる自称減塩旅団幻影旅団。

 

あー、笑った笑った。さて、真面目に運動しますか?

自称旅団の攻撃を避けながら鳩尾に膝蹴りを一発、首に肘鉄を一発叩き込む。

 

「グッ!?ガハァッッ・・・・・・」

 

見事に決まったらしく、自称旅団は倒れこんだ後はピクリとも動かなくなった。

「・・・・この弱さで幻影旅団を名乗るとは、蹴死のクーガ、恐るべし・・・・」

怖いモノ知らずにも程があるだろう・・・・・

「ふん、所詮ソイツは三流だっただけだ」

「幻影旅団も自称だろうしな」

本物だと認識されてたら、きっと皆落ち込むだろうなぁ・・・・

 

 

 

 

自称幻影旅団は一人だけじゃなさそう、ってコトで夢主側にも出してみました。