天災は忘れる前にやってくる78


「さて、次にいくか?」

こんなのが毎回出てくるのは嫌だな・・・・

 

「残り全員でお願いします」

試したい事もあるし。

「ほう?随分自信があるようだな?」

「やってみないと分からないですけどね」

チマチマ倒すのもメンドくさくなったので。

「いいだろう。では全員で相手をするとしよう」

闘技場に降りてくると囚人達はフードを取った。

 

「・・・・・・兄弟?」

「そう。俺達は9人兄弟」「様々なコトをしてきた」「強盗も殺人も強姦もな」「特に拷問と強姦はたまんねぇなぁ?」「顔が同じだと区別もつくまい」

・・・・一斉に喋られると、ウザい。

「オレ達はソイツと違って甘くは無いぜ!!」「覚悟しやがれッ!!」

一斉に襲い掛かってきた囚人を飛び越えて離れた位置に降り立つ。

言ってるコト、さっきのヤツと大差ないよ?自分のやった悪事の自慢と脅しじゃん。

ってか、区別つける必要ないし?

「危ないなぁ」

「・・・大した跳力だな」

「しかし、逃げ回っているだけではオレ達は倒せないぜ?」

言われなくても分かってますよ。

「そうですね」

ではやってみますか。

 

 

 

ウエストポーチから黒く濁った多種多様の珠キープ・フードをさり気なく取り出す。

これは普通のとは違い、葉っぱの代わりに他の人のオーラが入っている。(形にできる具現化系や変化系限定だけど)

今回のはクロロに殺気や威圧感を出しながら作って貰ったモノだ。割ると中に籠められていた瘴気心臓に悪そうな重い空気が拡がる。

名づけて『虎の威を借る狐キープ・エア』。

前試した時は大変だったなぁ。粒揃いの実力者クロロ達しかいなかったんだけど、皆思わず臨戦体制入って一触即発になっちゃったもん。中央にいる分には特に何も感じなかったんだけどね。

 

さて実験。

一流のヤツ等でさえ警戒したモノ、

念も使えない一般人コイツ等だとどうなるかな?

 

珠を握り締め、

 

割る。

 

 

中の空気が一気に広り、空気が張り詰める。

 

「なっ・・・」「くっ・・・・・」「ぅ・・・・」

あまりの空気の重さに囚人の動きが止まり、中には耐え切れずに膝をついている者もいる。

 

 

結果、動けない。

 

みたいだね?

 

 

これ幸いと人の悪い笑みを作って尋ねる。

 

「お聞きします。降伏しますか?

 

死にますか?

 

10秒以内にお答え下さい。

1・・・2・・3・・・」

 

「ま、まいった!!オレは降伏する!!」「オレもだ!」

2人。

 

「4・・・5・・・6・・・」

「くっ・・降伏する」「オレもムリだ・・・」「オ、オレももう耐えられない!」「オレも降りる!」

あと3人。

 

「7・・・8・・・9・・・・・

と、あちらの人は気絶しているようですね。戦闘不能でよろしいですか?

 

それとも、

 

トドメを刺す必要がありますか?

 

「いや、戦闘不能で構わない。そして、オレもリタイヤだ・・・・」

「そうですか。残りは一人ですね。

真ん中の方はどうされますか?」

ルールを説明していた男一人になった。

「はっきりいって、手加減はできません。手加減の仕方を習いませんでしたので」

この瘴気威圧感に耐えられるというコトは少しはできるはず。

中途半端にできるヤツに対しての手加減なんか習わなかったし。(寧ろ、手加減されててもしたことなんてなかったけど)

 

「・・・・・まいった。

この空気の中でマトモに動ける自信も無い」

 

「では、全員が降伏なのでこちらの勝利というコトですね?」

「あぁ、お前の勝利だ。あそこを通ってゴールに向かうといい」

「ありがとう。行こう、シロガネ」

シロガネを呼び移動する。気を保っているので精一杯の囚人達はただ見ているだけである。

試験管からは何が起こったか分からないだろうな。バレないよーに割ったし。

まぁ、念が使えなくてもキルアみたいに強いヤツはいるし、そー思っててもらえるかな?

通路の先には階段があり、降りると扉と台があった。

 

『お疲れ様です

この扉の向こうはゴールとなります

タイマーを外してこの台の上に置くと扉は開きます』

 

タイマー置いて、と。

 

──────ゴゴォン・・・・・──────

 

 

“167番 三次試験通過第6号

所要時間21時間37分”

 

 

 

 

結局自分で倒したのは自称旅団だけな夢主。
そして何気にいいタイムだし(笑)
あ、名前変換無い・・・・