天災は忘れる前にやってくる84
話し合いの結果、この軍艦を使って潮を乗り切る事になった。 「スクリューはオレとキルアで何とかするよ、ね」 ヤル気満々のゴン。 「えぇー?!ウゼーよそんなん」 そんなゴンの言葉を嫌がるキルア。 あはは、キルア変な顔ー。 「やろうよ、ね?」 「・・・ちぇ、分かったよ」 ゴンの必死の訴えに渋々ながら頷くキルア。 惚れた弱みか?(笑) 「ココにいる25人全員が力を合わせて、この難関をクリアするんだ。それ以外、ゼビル島に行く術はない」
1.シロガネに乗ってサッサと行く。 2.シロガネで雲の上まで行き、潮が過ぎるのを待つ。 3.魔法を使う。
もろ念(ってゆーかシロガネ)に頼りまくり。 3の場合どれが適切かな?やっぱクレイガ(地属魔法)かな?地面割って地表変える?それだけのMPがあるのかは知らないけど。 あんまり選択肢なかったね。でもま、行けない事はない、と。まぁ、ヒソカに変に目を付けられたら嫌だからやらないけど。(ハンゾーの言葉を否定できたからいーや)
「よし、皆、行くぞ!!」 レオリオの号令で各自動き出す。 どーでもいーけど、号令出すのって普通リーダーじゃないの? リーダー決める時といい今といい実はオイシイとこ取り? 聡明な人と付き合うにはコレぐらいの統率力がないといけないって?
腐的な事を考えながらブリッジから出た時、ふと上を向いた。 ヒソカとイル・・・ギタラクル(言い難いよね、ギタラクルって)が、笑ってる・・・・ ヒソカは青い果実を見る目つきで、ギタラクルはカタカタ音で互いに笑っている。
・・・・・・・・見なかった、いや、気付かなかった事にしよう。それが(あらゆる意味で)一番安全だ。 「(ボソッ)これがイルミの格好ならまだ絵になるのになぁ・・・・・」 「ん?何か言ったか?」 小さな呟きにハンゾーが反応する。 「いや別に」 「そうか?ところで、は何をするんだ?」 「・・・・・何しよっか?」 「・・・・おい」 「だって、 泳ぎが得意な訳じゃないし?(キルア達みたいにそんなに息もたねぇよ、お前等前世はカッパか) 理解力がいい訳じゃないし?(頭脳明晰なリーダーならいたけど) 射撃が得意な訳じゃないし?(超得意なお姉様ならいたけど) 機械類に強い訳じゃないし?(メカに対してプロ級な情報係ならいたけど) 爆弾に詳しい訳じゃないし?(そーいや爆弾はいなかったな?まぁパンチがミサイル並ならいたけど) まぁ、(適当に)仕事を見つけて(まったりゆっくりのんびり)やっておくよ」 ココでは、傍観者でいたいんだよね。 「(今なんか色々含みがなかったか?)そうか。頼んだぞ」 「んー」 さて、適当にしてますか。
といっても何をしたらいいか思いつかなかったのでサブリーダーの所へ行った。 理由としてはゴン&キルアペアには付いていけないし、潜水服は一つしかないからレオリオの方にも付いていけないし、ポックル&ポンズペアの純恋愛を見てもいいけどそこまで仲良くないしね。クラピカなら眺めてるだけでもOKだしサブリーダーだから近くにいたら何か役に立てるでしょ。 という事でクラピカの傍をウロチョロしているコトにした。(シロガネは狭いブリッジでは邪魔なので身体に仕舞い込んだ)
第二波到来まで残り僅かになった時、外を見ると空気の歪みが夕日で分かるようになった。 クラピカが作戦開始の秒読みをしようとした時、
事件が起きた。
ハンゾーがレオリオが海から上がって来ない事を伝える。 「・・・・・・・ッ」
『潜水服はアレ一つしかない。救出は二次遭難の可能性が高い』
絶句して言葉が出ないクラピカ。顔から血の気がドンドン引いていく。
『最終判断はお前に任す。いいな』
・・・・・・・・・最終的にはレオリオは助かる事を知ってる。 だから動く必要はない。
けれど、
助かるからといってココで何もしないでいられるほど、悟りを啓く気はないですよ?(たとえ未来の敵になるかもしれない人であっても・・・・・) 「クラピカ」 ボクの呼び掛けにクラピカがビクッと身体を震わせる。 「ボク、行ってくるよ」 「ッ、ダメだ!!今行ってもハンゾーの言う通り二次遭難の可能性が高い!!」 そう言って額に手を当て俯き、自分の本当の思いを押し殺そうとしているクラピカ。 ・・・・・理性的ってこーゆー時自分の思いに添えなくて悲しいね。
『クラピカ、聞こえるか?ゴンが向かってくれた。レオリオの事はゴンに任せよう』
ハッと顔を上げるクラピカ。 そーそー、こーゆーのは本能で動いた方がいい時もあるんだよね。 クラピカは持ち直し、作戦コードの指揮を取り始めた。
作戦開始まで、あと10分。(しかし思うんだけど、指揮を執ってる時点でサブじゃなくない?)
“エンジン4基とも始動良し” ポックルから連絡が入った。 それを聞き、クラピカは配電室に主砲にエネルギーを集めるよう、射撃手に狙いを定めるよう指示する。 “こんなものでどう?” 「あ、あぁ。発射指示を待て」
準備は整った。後はゴン達が上がってくるのを待つだけだ。 そう、ブリッジにいる限り待つことしかできない・・・・ 限界域に時間が刻一刻と迫ってくる。 しかし、ゴン達が上がってきたと言う連絡が来ない。 クラピカは願うように舵の前で目を閉じている。
“クラピカ、もう待てん!主砲発射だ!!おいクラピカ!!”
ハンゾーの言葉にも反応ができないでいるクラピカ。 見方によっては『愛する人の帰りを待つ』図に見えなくともないんだけどね。(実際アニメ見てた時はそう解釈してたし?) でも、今は・・・・・ 「クラピカ、ゴンが信じれないならブリッジにいるの止めな」 「・・・・」 縋る様な目で見てくるクラピカ。 「ゴンはレオリオをつれて必ず帰ってくる。でもクラピカは『必ず帰ってくる』とは思えず『帰ってきて欲しい』を思ってるんだろ? ゴンを信じれず心配するならココを離れて海を見に行けば?そしたら浮いてきたゴンたちを見られるかもしれないよ?」 「・・・・・・・」 「どうする?海を見に行く?役目を果たす?」 一度目を閉じ、息を吸い込む。 そして、再び開けた瞳は決心を秘めていた。 「・・・・・私の役目はココで指示を出すことだ」 「そう?ならそうしな。大丈夫、もう上がってくるよ」
“クラピカ、ゴンがレオリオをつれて今上がってくる!!”
キルアの言葉にクラピカの瞳が輝く。 「ね?」 「あぁ、すまなかった!!」 まっすぐだねぇ・・・・ 「全館に通達、30秒後に主砲を発射する」 強い意志を再び取り戻し、クラピカは指示を飛ばした。
長い・・・・ エクストラの話は後1話で終わるはずです。(ってか終わらせたい) |