天災は忘れる前にやってくる91


キルアと他愛もない話をしたり、のんびり昼寝をしたり、泳いだり、持ち込んだ食料や採ったモノでご飯を食べたりと気ままに過ごしていると、ハンゾーは一日でも戻ってきた。

 

 

「お前等なぁ・・・・・・」

「ハンゾー、おかえりー」「おー、お疲れ」

「少しは試験受けてる緊張感を持てよッ!!」

「えー?だって」「なぁ?」

ぶっちゃけ、出会って困るのはヒソカとイルミぐらいだし。

「しかもなんで離れ小島の方にいるんだよ?!お前等捜す方に時間掛かっちまったじゃねぇか!!」

「「泳いでたらコッチに着いた」」

「探し回ってたオレのバカー・・・・」

「あはは、ドンマイ♪」「ご愁傷さん」

「ちったぁ気持ちを込めろッ!!」

しょうがないよ、弄られそーゆーキャラだもん。

 

 

 

「で、見つけた?」

「あぁ、ゼビル島の地形がこうなってただろう。現在地がココでトンパはここら辺に今もいるだろう」

「『今もいるだろう』ってコトは“動けない状況”か“動かない状況”ってコト?」

「後者だな。ソミーのヤツと話をしていた。多分ターゲットから奪う算段でもしていたのだろう」

ふーん、まだレオリオとやってないんだ?

 

「それと、一応言っておく」

忍の顔をしてハンゾーは言葉を続けた。

「トンパが狙ってるのはレオリオだ。周辺を探った時近くにいたし、ヤツ等も意識をしているようだった」

そこまで調べたんだ?優秀だね、雲隠れの忍さん?

「レオリオには前回で好印象を持ってる。だから、オレが二人を倒す事もできたし、レオリオに忠告する事もできた。が、しなかった。

非情と言われるかもしれないが手出しする必要も義務もないんでな。そのまま放っておいた。

助けたければ急ぐんだな」

「「なんで?」」

心底不思議そうに異口同音に否定の言葉が出た事にハンゾーは驚いていた。(表情豊かな忍だよな)

「どこが非情?」「当たり前じゃね?」

「必ず一緒に行動して助け合わなければならないの?」「なんでオッサンをワザワザ助けなきゃ何ねーんだよ?」

「あ、酷い言い方」

「何だよ、だって同じよーな内容だろ」

「まーねぇ」

「・・・・・・案外冷めてんだな」

「ココでやられてしまうならライセンスを持ったとしても守りきれず奪われるのがオチ」「手助けするのが何でもいい訳じゃないだろ」

大体、助けちゃったら“餌を与えないでください”がないじゃん!!(本音)

「お前等がそう言うなら何も言わん」

「まぁ、教えてくれてありがと。はいコレ、報酬プレート

「あぁ、じゃあな」

渡したプレートの番号を確かめるとハンゾーは去っていった。

 

 

 

「んじゃ、ボク達も行こ」

「ホントに仕返しに行くんだな・・・・」

「当たり前だろ?何の為にハンゾーに捜してもらったのさ?」

「まぁいーけど」

 

 

 

 

ハンゾーに教えられた周辺を探索したら、トンパは草原の岩の上にいた。

 

憐れもない姿になって。

 

 

 

「ぎゃはははは!!すっげぇ格好だなトンパさん!!」

「くく・・・捜した甲斐があった♪」

ホントに看板立ってる・・・

「お前等、丁度良かったこの縄を解いてくれ!!」

トンパは如何にも好中年ぶって言った。性格を知ってる者からしたらキモいだけだよねー。

「えー、なんでー?」「別にそのままでもオレ達はいいもん」

「不意を襲われたんだ!!オレはもうプレートを持ってねぇが情報ならやれる!!二人のターゲットの情報をやる!!」

 

「キルアー、何か動物が喚いてるねー」

「ウルセー動物だなー」

 

「解いた後もお前等のプレートは狙わないしできる限りのコトはする!!」

 

「『餌を与えないでください』って看板には書いてあるねー」

「こんなカワイ気のないモンに誰が餌をやるんだ?」

 

「ちょッ、お前等聞けよッ!!」

 

「自分じゃ取れないから可哀想じゃん?ボクあげてもいいよ?」

「マジー?の趣味変」

 

「マジで聞けよお前等!!人を無視すんな!!」

 

「えー?別にコレならキルアも納得するんじゃない?」

荷物の中からある物を取り出す。

「それって・・・・」

「お、お前ッ!?そ、それはッ!!」

それを見た瞬間、トンパの顔色が変わった。

「そ。一次試験前にトンパさんから貰ったヤツ♪」

意図に気付いたキルアがニヤリと笑う。

「へぇ?持ってたんだ?」

「何か役立つかなって思って。持ってて正解だったみたい♥」

「だなー。、さっきの言葉訂正する。お前イイ趣味してるわ」

「ありがと。さてっと、ボクは飲まなかったけどトンパさん、喉渇いたでしょ?」

「人間って水分大事だしー?トンパさん飲んどいた方がいいぜ?」

青い顔をしてブンブン首を横に振るトンパ。

「遠慮しなくていいよ?元々はトンパさんのだから」

「そぅそ、飲むの手伝ってやるよ」

とってもイイ笑顔で近付いていくと、飲む前から脂汗を掻き出した。

「あれ?暑いの?汗いっぱいだよ」「尚更飲んどいた方がいいみたいだな」

「いらんいらない来るな来ないでくアガッ!!」

アイウ3兄弟並に見事な連係プレーでトンパの口にカンを突っ込み飲ませていく。

全て飲ませた所で離れる。

「コレでもう少し保つと思うよ?」「良かったなトンパさん」

 

「お、お前等・・・・」

 

「あ、そうそう。情報はもういらないんだ。ボクもキルアも既にプレート集め終わってるし」「終わってなくてもアンタとは組まないけどな」

「大体、あれだけ貶した相手によく助けを求められるね?」「ある意味スゲェ根性だよなー」

 

「ちょ・・・まッ・・・」

 

「じゃなきゃ35回も試験受けないって」「根性“だけ”は既にプロ並みってか」

「ボク等もあれ位持たないといけないのかな?」「そこまでしてなりたいモンじゃねーよ」

 

「まぢやがれーッ!!」

 

 

 

 

逆襲編。コレでもうトンパも下剤は使おうと思わなくなるだろうね(笑)