天災は忘れる前にやってくる94


面接があってから3日後、最終試験が行われた。

「最終試験は1対1にトーナメント形式で行う。

その組み合わせは、こうじゃ」

会長がトーナメント表を見せる。

 

『!!』

 

受験生達は歪な表に驚く。

その反応を無視して説明を続ける会長。

「最終試験のクリア条件だが、至って明確。たった1勝で合格である」

さってと、説明はいいや。ボクはドッコかなぁ?

「つまりこのトーナメントは勝った者が次々抜けていき、負けた者が上に登っていくシステム!」

えっと、167番・・・・と?

「この表の頂点は不合格を意味する訳だ。もうおわかりかな?」

・・・・・・・・あれ?

「しかも誰にでも2回以上のチャンスが与えられている」

目の錯覚かな?

「この取り組みは今まで試験の成績を基に決められている」

なんでさ・・・・

「簡単にいえば成績のいい者にチャンスが多く与えられているというコト」

ボクの名前が294番ハンゾー53番ポックルの間に入ってるの~ッ?!(しかも1回戦敗者とだし?!)

「それって納得できないな」

キルアの文句に便乗する。

「そーだよ、なんでボクがこんなに成績いいのさッ?!殆ど何もしてないのに!!」

『(・・・・確かに)』

あ、周りもそう思ってるのはちょっとムカつく・・・・

「確かにお前さんは殆ど何もしておらぬが、その分虎が活躍しとったじゃろ」

むむむ、シロガネが評価してもらえるのは嬉しいけど、なんか複雑・・・・

「まぁ、は例外に近いが、審査基準として大きく3つ、──────」

シロガネ使い過ぎたか?でも“楽して受かる”が今回のモットーだったからなぁ・・・・

まぁ、武器も有りで反則もOKなんだがらシロガネ使ってもいーだろーし、ハンゾーはさっさと負けて(拷問ヤだし)、ポックル相手ならどうにかなるかな?

 

 

 

「では、第一試合を開始する」

いきなり拷問3時間コースなんだよな・・・・・

見たくない・・・・・

「会長、絶対に見とかないとダメ?」

「ん?部屋から出るのは試合に勝って合格してからにして欲しいのぅ」

・・・・・・・出なければいいのね?

「んじゃ、寝とく~」

「「寝るな―ッ!!」」

ハンゾーとレオリオが異口同音でツッこむ。

「いい加減にしろ!!」「お前どんだけ寝たら気が済むんだよッ?!」

「一次試験の時だって三次試験の時だって寝てただろうが!!」「オレはシロガネしか動いている所を見たコトないぞ?!」

「そんなんでライセンスを取ろうなんて他のヤツ等に喧嘩売ってんのか?!」「せめて観戦ぐらいは真面目にしろ!!」

・・・・・・責めるのか諭すのかどっちなんだろ?

 

「でもね、寝るのは大事なんだよ?

睡眠は3大欲求の一つだし、眠いと頭も働かないし身体も動かない。

何時まで長引くか分からない試合を延々と見ているより、寝てた方が有意義じゃん?」

即興で考えた少し正論に聞こえる理由。(実際は3時間以上も拷問を見ていたくないだけだけど)

「それは・・・」「まぁ間違っちゃいないが・・・」

ほら、少しそうかもって思いだした。

「見る見ないは自由じゃ。好きにするがよい」

よし、最高権力者もこう言ってるし、OKだね。

「ったく、しょうがねーな・・・・」「分かったよ・・・」

んじゃ、ウォークマンつけてボリューム上げてまわりの音を聞こえないようにしてシロガネに包まって見えないようにして眠ろう。

おやすみー・・・・・

 

 

 

 

「いい加減にしやがれぶっ殺すぞテメェ!!俺が代わりに相手してやるぜッ!!」

 

・・・・・・・んー、五月蝿い・・・・

うー・・・・・レオリオが叫んでいるってコトはゴンが腕を折られる手前、か?

腕折られるシーンも見たくないよなー。

「い、いやだッ!!」

ッ・・・・・・うー、聞こえちゃったよー・・・・知ってても辛い・・・・

 

 

そーっと辺りを窺うと、ゴンが真ん中で倒れながら左腕を押さえていて、レオリオとクラピカが今にも飛び掛りそうな形相で立っている。

 

クラピカ、止めるなよ。

あの野郎がこれ以上何かしやがったら、ゴンにゃ悪いが抑え切れねぇ

 

止める?私がか?

大丈夫だ、おそらくそれはない

 

完全に頭に血が上りきってるよな。

でも、原作よりなんかマジで飛び掛りそうな雰囲気なんですけどー?

もー、しょーがないなー・・・・・

ウォークマンを外し、レオリオ達の方を向く。

「レオリオ、クラピカ、もし間に入る気なら、ボクが相手になるよ?」

ッ、テメェッ!?」「何をッ!?」

「だってそーでしょ?ゴンが頑張ってるのにそれを潰そうとしてんだから」

「「ッッ・・・・・」」

「武器有反則有の試合なんだから、当然拷問も有。ハンゾーは勝負として間違ったコトはしていない。

ゴンが諦めてまいったと言わない限り、手出しする必要も権利もない」

「ゴンがあんな目に遭ってんだぞッ!?」

「ハンゾーはプロだ。殺す事はありえない。

見たくないなら見なければいい」

だからボクは見なかったもん。

「ッッ・・・・」

「分かったら大人しくしてなよ」

納得はしていない様子だが、とりあえず間に入るのを止めた。

ふー、やれやれ。

 

 

 

 

しっかし夢主、よく寝るなぁー(笑)