天災は忘れる前にやってくる107


ゾルディック家敷地内に入って数m、シロガネが立ち止まり、一方向を見つめる。

警戒はしてないけど様子を窺ってる?殺気はないってコトか。

ならミケ、かな?

 

──────ガサガサガサ・・・・・・・・ザッ──────

 

木の間から出てきたのは予想通りミケ。

・・・・・・デカ。

シロガネも(普通に乗れるぐらい)デカいけど、それ以上にデカい・・・・・・

ミケのあまりの大きさに少しビビる。

ミケは試しの門からの入場だと理解し、再び森の中に消えていった。

あ、いっちゃった・・・・・ま、いっか。

「行こうシロガネ」

「グルルルル・・・・」

歩くのがメンドくさくなりシロガネに乗って行くコトにする。

暫くは道程通り歩いていたが、途中から上空を移動しだした。

ん?どうして・・・・

って、あー、そーいやあったね使用人の家が・・・・

人の気配に気付いて登ってくれたらしい。よく分かってる子だ。

「ありがとシロガネ」

「グルグル・・・♪」

ゴン達は見当たらなかったが誰にもバレない様にコソコソと通過し(バレてもいいんだけど説明がメンドくさいよね)、再び道程に進む。

すると、原作通り途中に女の子が立っていた。

「ココは私有地よ。断りなく立ち入るコトはまかり通らない。即刻出ていきなさい」

できるコトなら来たくなかったんですけどね・・・・

「イルミ・ゾルディックへ届け物をお持ちしたのと預かり物を頂きに来たのですけど」

「連絡が入ってないわ」

ちょ、イルミさーん?!

「電話してみます・・・・」

もー、しょーがないなぁ・・・・こーゆー風に役立つとは思ってなかったよ・・・・・

試験の時に貰った番号に電話する。

数コールで繋がった。

 

『はい』

「すみません、クロロ・ルシルフルからの使いの者なんですけど・・・・」

『あぁ、幸災の渡猫?』

「・・・・・すみません、ソレ名前じゃないのでできるならば使わないで頂きたいんですけど・・・・・」

『だってオレ君の本当の名前知らないし』

でお願いします」

『ふーん、分かった。で、何?』

「今イルミさんの家にお邪魔しようとしてるんですけど、“許可がないので通せない”と言われて」

『あぁ、今日だったの?クロロには明日ぐらいだと聞いてたけど?』

ホントは明日の予定だったんですけどね。(ヤツ等の所為で・・・・)

『オレ今仕事で出てるんだよね』

「す、すみません!!」

『ま、明日来られてもオレはいなかったんだけどね』

・・・・・いねーのかよッッ!!

『本は親父かじいちゃんに頼んどいたから家に行けば貰えるよ』

当主か前当主かよッ?!レベル高いよッ!!しかも執事室だけじゃなく家まで行けってかッ?!っつーか、

「家に辿り着くまでの敷地内で足止め喰らってるんですけど・・・・・」

家以前の問題だから!!

『あぁ、使用人だっけ?倒して通ればよかったのに』

イヤイヤよくないから!!無駄な争い起こさせないで!!

「無駄な争いは避けたいので・・・・」

『ふーん、変わってるね』

いや普通だから!!普通そうだから!!

『じゃあ執事に通すよう言っとくよ』

「お願いします」

『じゃ』

 

つ、疲れた・・・・・・・

「い、一応許可は貰ったので通れると思うのですけど・・・・」

 

──────・・・カナリア、お客様をお通ししろ──────

 

執事も無線機持ってるんだ?

「・・・・・どうぞお通り下さい」

カナリアはそのまま残るらしくお辞儀をして見送られてしまった。

ホントは案内して欲しかったんだけどなぁ・・・・

仕方なく道のり通りに歩く。

 

 

 

暫くして執事邸らしき建物があった。その玄関先に一人佇む人がいる。

眼鏡かけててオリラジの●っちゃんみたいな髭の人・・・・あの人がゴトーさんかな?

「お待ちしておりました。イルミ様から連絡を頂いております。それと御当主、シルバ様からも伝言をお預かりしております」

・・・・・・・・何でご当主様からも連絡があるのさッ?!

「“イルミから話は聞いている。欲しければ自分の力で家を見付けて来い”との事です。

私共に案内は不要だともおっしゃられていたのでご案内はできません」

「・・・・・つまり、あの山の何処にあるかも分からない家を自分だけで探し出せたら渡してやる、と?」

「ご検討をお祈りしております」

 

・・・・・・超棒読みー。

 

「・・・ご当主は“自分の力で”と言われたんですね?」

「そうお聞きしております」

「そうですか」

なら念もOK、つまりシロガネもOKだね。

「分かりました。ありがとうございます。シロガネ」

「グルルルル・・・・」

シロガネの背に乗り、宙に浮く。

「キルアはもう家に帰ってるんだよね。キルアに4次試験の時のキープ・フード渡したままだったからアレの居場所辿れない?荷物に入ったままだろうし」

キルアの念が入ってる訳じゃないから気配薄いと思うけど・・・

「クルルルル・・・・・」

シロガネは暫く目を閉じてじっとしていたが、見付けたらしく、山の方に動き出した。

ゴトーはが見えなくなるまで見届けた後、仕事に戻っていった。

 

 

 

 

シロガネってサギだよねー(笑)