天災は忘れる前にやってくる115


始めに見えていた建物を過ぎ、奥へと進んで行く。

・・・・似たよーなボロさ加減で区別が付かない。

迷子になったら大変・・・・・ま、いざとなったらシロガネに助けて貰うけど。

 

 

「着いたぞ」

「ここ?」

「あぁ」

着いた所は周りと区別がない古びだ建物。幻影旅団の本拠地ホームとは考えられない。

建物全体が念で覆われてなければ。

「これ、誰の念?」

「・・・流石だな」

にはどんな風に見えるの?」

「どんなって・・・建物が薄い膜みたいなのに覆われてるように見えるけど?」

膜っていうかベールって感じ?薄いカーテンみたいなの。

「建物自体ははっきり見えてるんだ?」

「だって目の前にあるじゃん?」

「ホントは念で見え難くしてあるの。建物自体の気配を消すような感じで。

だからオレ達には凝をしないと少し見え難いんだよ」

へー。

「存在を隠す為?」

「いや、この念を作ったヤツのただの趣味だ」

・・・変わった趣味だね。でも、この念作った人って誰?

「誰の念?」

「昔仲間だったヤツだよ」

「もう死んでいるがヤツの念だけ残った」

死者の念ってヤツか。

「中は見た目ほどボロボロじゃないんだよ。宝を置いておける位だもん。結構部屋数あるし」

皆の本拠地ホームにするぐらいだしね。

、探検し回っても構わないがあまり進めはしないぞ?」

「変な念でも掛かってるの?」

念は見えるからあからさまなモノには近づかないよ?

「風呂場事件第二弾、やりたいか?」

風呂場事件・・・・・35話アレかッ!!

「ヤダヤダヤダヤダヤダ!!」

映像がフラッシュバックし、思わずすぐ横にいたシャルにしがみ付く。

「団長の趣味の物は地下にあるからそこにさえ入らなければ大丈夫だよ。(多分)」

背中をさすりながら落ち着くよう言ってくれる。

でも最後に何か付いてたよね?!

「本も地下にあるがな」

うぅ、本は見たいけどゲテモノはイヤだ・・・・・・・

「・・・・・・・暇で仕方がなくなった時、心身の安全を確認した上で、なるべく見ない様にしながら取りに行く」

いざとなったら二人に取って貰う。

「オレ達にはあまり頼れないと思うけど頑張れ」

「なんでッ?!」

頼みの綱なのに?!

「出掛ける用事と宝探しの用事があるから」

「宝探し?」

「団長の部屋にある宝で必要なのがあって、それを探し出すの」

つまり、本拠地ホームにいない、もしくは、いても恐ろしい部屋に入り浸りで頼むにしてもその部屋にいかないと頼めないってコト?

虐めだ・・・・・

「今回は一週間程の予定だから大人しくしておけ」

「用事が済めばここから離れるし。少しずつ見て行けばいいじゃん」

「・・・分かった」

ゆっくり見るコトにします。

 

 

 

 

っていてもさー、二人共相手してくれなくて、暇潰しもなかったら、

「暇なんですけどー・・・・・・」

本拠地を見て回るのはそこそこ面白かった。

殺伐としている中にも少しだけ生活感があったり、誰がその部屋を使ってるかが何となく分かったりもした。

でも、

「そんなの1日あれば充分なんだよねー・・・・・」

迷路になってる訳でもないし、アトラクションがある訳でもない。(あっても微妙だけど)

部屋を見て回るのに1日、建物を覆っている念を調べるのに1日、周辺を探索するのに2日(同じ雰囲気しかないのですぐ飽きた)、目が見えない時並に暇を持て余していた。

・・・・・いや、確かにまだ行ってない場所はある。

行けば確かに欲しい物が手に入る可能性が高い所が残っている。

でもそこはイコール見たくない物が集結している所なんだもんなー。

クロロも本は別で置いてくれてたらいいのに・・・・・・

うぅ、怖いのはヤだ・・・・でも本は読みたい・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・今回は前と違って心積もりは付いてるし、そーっと覗いて近くにある本取って戻ろう。

「ッよし!」

 

 

なるべく平常心を保ちながらゆっくりと地下に進む。

シロガネに(いつでもしがみ付ける様に)掴まり、ビビる心を進ませる。

階段を下りると、上と同じ造りになっており数部屋並んでいた。

・・・・・階段まだ下に続いてるんですけど。地下って1階だけじゃないの?!まだ下あるのッ?!

・・・・・・気にしないでおこう。

部屋にライトをチラッと照らし、覗き見ていく。(電気を点ける勇気はない)

そして、一番怖くなさそうな所の部屋に進んだ。

ここは・・・・・あんまり不気味な物はなさそうだね。

ライトをそーっと動かし本を捜す。

不気味な物がない分本も少なく、3冊しかおいてなかった。

「とりーしょにかせんき、トリーショニカ戦記、かな?1・2・4巻。って3巻は?」

辺りを捜すが見当たらない。勇気を出して電気を点けるがこの部屋にこれ以外の本は見当たらなく、結局今回の戦利品はこの3冊だけとなった。

「まぁ、ないよりマシだよね」

さっさと上に帰って読もうっと。

 

 

 

 

本拠地ホーム設定、勝手に捏造。
でも、クモが本拠地にするんだから特殊設定あってもおかしくないと思うんだよね。