天災は忘れる前にやってくる120


「なぁ。今からエントリーしに行こうぜ」

「えー、来たばっかだよー。いーじゃん明日でー」

「だってオレ達今日の試合終わったし、どーせ出るならさっさと行こうぜ」

「オレもの闘ってるトコ見てみたい!!」

あ、そーいやゴンは試験の時も見たコトないね。まぁいーけどさー・・・・

「暇潰しに使われるのもなぁ・・・・」

「いーじゃん、行こうぜ!」

お子様は元気だねぇ・・・・

 

 

 

 

流されるまま長蛇の列の登録所に並ばされ、控室に放り込まれた。

仕方ないのでクロロに言われた通り手足に100kgの重石を付ける。腹は・・・・また今度で。(約束破ってはないよ!だって“重石を100kgずつ付けろだもん!!”)

条件は・・・・・無難に“足だけでやる”にしとこ。

 

『2082番の方、Gのリングへどうぞ』

 

今回は2082か・・・・相変わらず多いな。

それにしても、以外と重いんですけど、生身?で400kg・・・・・こりゃ動きもある程度制限されるな・・・・

 

 

 

対戦相手は珍しくゴツいマッチョではなく中肉中背の男だった。

 

「おや、対戦相手がこんな少年だとは。
これじゃあ勝っても彼女達に強いって証明できないな。仕方ない、次で証明するとしよう。
少年、今回負けても落ち込むことはない。誰も天命には逆らえないものさ。
この僕に闘いを挑まなければならないと言うだけで奈落の底に落とされる気持ちになるだろうけど、自分の運命を嘆いてはいけないよ。
僕という一生越えることのできない壁に早い内に出会うことができてむしろ感謝するがいい。壁には早くに当たっていた方がいいからね。
僕は誰にでも全力で当たるよう心掛けているけど、少年のような若い芽をここで絶やすのも心苦しい。せめて痛みが少ないやり方で闘ってあげるとしよう。
僕の寛大な心に敬い感謝しつつ日々精進すればいいさ。
なんだい、僕の顔があまりにも整っているんで見蕩れてしまったのかい?
ゴメンよ、どれだけ敬い崇拝され愛を叫ばれても男は興味ないんだ。
まぁ、君なら瞳を潤ませどうしてもと泣きながら訴えるなら、一度ぐらいは抱いてあげてもいいけど?」

 

・・・・・・なんだろう、この自意識過剰自信過剰自己中勘違いナルシスト変態野郎

顔はココにいる中ではマシな部類ではある。だけど、ココは天空闘技場、ゴツい・ムサい野蛮人が8.5割を占める場所。(例外:ゴン・キルア・ズシ・ヒソカ・カストロ等)

しかも、ここまでナルシストになれる程の顔ではないんですけど・・・普通にクロロやシャルの方が綺麗で整ってるし、キルアやゴンの方が将来を通すと有望だ。

ってか、中の上じゃん?学校とかでクラスにいたら“まだマシだよね”って言われるレベルじゃん?

観客席のっキャーキャー言ってる女の子達は取り巻きかな?彼女達もめっちゃ綺麗な訳じゃないし、パクの方が美女だしマチやクラピカの方が美少女だよ。

美形に見慣れ過ぎてレベルが高くなったのかな?

それにしても、ナルシストってスゴイね。あの思い込みを元に行動しているから逆にモテるのかな?

でもさ、あの演説ちょっと(かなり)ウザいよねー、審判もさっさと中断して試合始めてくれればいいのに・・・・(一緒に呆気に取られてたからムリか)

・・・・・ご自慢の顔が変形したら、演説も少しはマシになるかな?

よし、顔狙いで♪

 

「い、今から3分以内で実力を発揮して下さい。は、始めッ」

呆気に取られ過ぎて説明不足してるよ審判。まぁ、知ってるから別にいいけど。

「少年、僕に近付くのが恐れ多過ぎて動けないのかい?」

・・・・・・この人なんでここまで勘違いしたまま生きてこれたんだろう?

自分が神か仏の生まれ変わりだとか思ってるのかな?どーでもいいけど。

それより、どーやったら顔が変形するかな?

回し蹴り?飛び蹴り?ニードロップ?踵落とし?どれがいーかなー?

「確かに僕みたいな人類上において万物を手にしている者に牙をむガハァッッ!!」

あ、ムカつき過ぎて思わず顔面ハイキックしちゃった☆

 

2・3度弾んだ後動かなくなったナル男。

そっと近くに寄ってみると前歯が欠け鼻血を出し白目を剥いており、自慢の顔がボロボロである。

・・・・・・・・・・生きてるからいっか。

審判の方を向き判断を待つ。

「君は・・・一回200階まで上っているんだね。しかし、今の試合は動作が少しぎこちなかった。最近修行を怠っていたのかな?」

「ちょっとまだ付けている重石になれなくて・・・」

400kgは流石に重いの。(サボってたのも否定はしないけど)

「うーん、では60階に行きなさい。もう一度そこで判断するように伝えておくから」

「はい、ありがとうございます」

あーぁ、60階で仕切り直しか・・・

次はもうちょい意識して動くよーにしないと。前みたいに10階ずつ上がるのは流石に面倒なんだよね・・・・

 

 

 

、何かあった?なんか色々話していたみたいだけど」

相手が一方的にね。

「顔蹴った時、対戦者のファンみたいな奴等が悲鳴上げてたぜ?ま、そのあとの顔見て黙ったけどな」

人を悪人面のように言うな。

「ちょっと演説を聞かされて」

「は?なにそれ?」

「まぁウザ過ぎて思わず蹴っただけだから。60階でもう一回実力を見せろって」

「対応ノロかったもんな。鈍ったんじゃねぇ?」

「うっさい。次はもう少しキチンと動くよ」

「頑張ってね!」

「ゴンはいい子だなー」

「フン・・・」

ゴンの頭を撫でるとキルアがそっぽを向く。

もー、このツンがたまらんッ!!

「キルアもカワイーぞッ!!」

「ダァーッ、髪掻き混ぜるなッ、大体男にカワイイは褒め言葉じゃねぇーッ!」

だってカワイイんだもーん。

「このネコっ毛がいーよなー」

「~ッッ、触るなッ!///」

「ケチ~、ゴンもキルアの髪いーと思うよねー?」

「うん!銀色できれいだし、フワフワしてて気持ちよさそうだよね!!」

「ッッ?!///」

顔真っ赤~。ゴンの言葉はダイレクトにくるから大変だね。

「────ッさっさと次行くぞッ!!」

照れちゃってカワイー♪

もっと見たいけど、これ以上からかうとネコパンチ(肉体操作済)が飛んできそうだから止めとこっと。

 

 

 

 

さり気にナル男の演説書くの楽しかった。(笑)