天災は忘れる前にやってくる121


次ははもう少し本気でやらないと・・・・念を使ってないとはいえ、ここで躓くのは流石にヤバいでしょ。もしこんな所でもたついてるのがバレたらスパルタ軍団が飛んできそうだ・・・・

『・・・さま、様、66階B闘技場へお越し下さい』

ありゃ、考えに没頭し過ぎて相手の名前聞いてなかったや。別にどーでもいいけど。

66階ねー。あいあいさー。

 

 

 

リングに向かうと相手選手は既に着いていた。

あ、ちっさい。珍しい、少年だー、胴着着てるー・・・・・・ぅんん、胴着着てる・・少年?

『さぁ皆様お待たせ致しました──────!!先日に引き続き、またもや異色の若者対決となりました!!

ズシ選手は拳法の使い手!!若いながらも的確な打撃を重ね将来有望と見られている選手!!対する選手は見事な蹴りで対戦相手を一発K.O.させた実力者です!!』

やっぱりズシなんだ・・・・・なんでよりにもよって当たるかな・・・

『以前行われたキルア選手対ズシ選手の戦いも盛り上がりましたが、果たして今回はどうなるのでしょうか?!』

どうにかなる気なんてないよ。

「押忍、よろしくお願いします!」

「どーも・・・・」

ーもズシもガンバレー!!」

ー、そいつ打たれ強いからなー」

「ゴンさんにキルアさん!?お二方とお知り合いですか?!」

「まぁ・・・」

「(あの二人の知り合いならきっと強い・・・気を引き締めないと)」

あ、かなり本気モードになってる。面倒なのにー・・・・

 

ズシは念能力者。念能力者とは戦うなって言われてるんだけどなー。でも発はまだ使えないはずだし、練は使わない約束をウィングさんとしている、とゆーコトは纏のみか・・・ならいーのか?

『投票結果は・・・・倍率ではズシ選手が優勢という結果が出ました!!』

 

・・・・・ま、いっか。

 

「(ビクッ、なんか空気が重くなった気が・・・・)」

キルアがつい本気で殴っても無事なんだから、纏をしてない本気ならまず大丈夫ってコトだろうしね。

っと、条件はどーするか・・・・・

一応念能力者ってコトで甘めに“先手必勝、さっさと勝つ”にしとこ。(コレって条件とゆーより目標?)

 

「3分間3ラウンドP&KO制、開始!」

宣言と同時に一気に距離を詰め鳩尾を蹴り飛ばす。

「ッ?!」

『おおっと試合開始と同時に選手がズシ選手の目の前に現れズシ選手の鳩尾を蹴ったーッ!!ズシ選手防御が間に合わず吹っ飛ばされるーッ!!』

本来ならばここで決まるのだが、相手は纏をしている念能力者、簡単には終わらないだろう。ので、そのまま追いかけ重石の重量を打撃に乗せながら急所部分を攻撃していく。

選手、攻撃を休めることなく繰り出していきます。体勢の整っていないズシ選手、なされるがままだーッ!!』

最後に大きく蹴り上げ場外に飛ばす。

「スクリーンヒット4&クリティカル6&ダウン1」

『なんと先ほどの攻撃で選手、一気に11P奪い勝利です!!場外に吹き飛ばされたズシ選手、大丈夫かぁーッ?!』

キルアの拳喰らって無事だったんだから大丈夫でしょ。

『おぉっと立ち上がったズシ選手、やはり不死身説は有効だーッ!!しかし、合計11Pで選手のTKO勝ちとなります!!』

少しダメージを受けているようだが、自分の足でリングに戻ってくるとすぐさま礼を取った。

「ありがとうございました」

「どーも」

『たった今、追加情報が入りました。先ほど勝利した選手、実は4年前に200階まで到達しているという強者でしたーッッ!!』

情報遅・・・・・

観客が苦情を言う。そらそーだ、賭けてんだから。

「君は150階まで行きなさい。先ほどの攻撃、見事だった」

「ありがとうございます」

あー、よかった。150階だったらキルア達とは当たらないし、部屋も貰えるし丁度いい位置だよね。

 

 

 

廊下に出るとズシが礼を取ってきた。

「先ほどはありがとうございました」

真面目子ちゃんだねぇー。操作系って感じしないよね。(操作系の知り合いにマトモなのがいないから新鮮だ)

「怪我、してない?」

「大丈夫っす!!」

「そう」

纏ができているとはいえ、かなりボコっちゃったから。

「自分はズシといいます。さんとお呼びしてもいいっすか?」

「どーぞ」

 

 

、ズシ!!」「お疲れさん」

ゴン達が観客席の方からやってきた。

「ゴンさん、キルアさん!押忍!!」

「次は150階だってー」

「150階?!オレ達に一気に追いついたね!凄いやッ!!」

「150階ですか・・・・やはりお強いですね。自分はまだまだっす」

「あれだけ打たれ強かったら充分じゃないか?」

「いえ・・・(纏をしてるからなだけで・・・)全然防御も反撃もできなかったので」

重石付けてたとはいえ、動ける範囲で本気の速さで動いたからね。(重石に体重乗っけてたし)

 

 

「ズシ、よく頑張ったね」

「師範代」

「ウイングさん」「・・・・・・昨日はどーも」

キルアが少し警戒している。んー、“燃”の方でも教えて貰ったのかな?

「ゴン君、キルア君、順調なようだね」

ウイングさんがこちらを向いてくる。

「ズシの対戦相手だった人だね。始めまして、ウイングです」

「自分の師範代っす」

「ウイングさん、オレ達の友達でだよ!!」

「どーも」

「ゴン君達の友人でしたか。通りで強いはずですね」

別にゴン達と知り合いだから強い訳ではないけどね。(その考えは師範代としてどーよ?)

「師範代、さんは次は150階だそうです」

「それは凄い!頑張って下さい」

「ありがとうございます」

「行こうぜ」

「ズシ、ウイングさん、また!!」

「押忍!!頑張って下さい!!」「怪我をしないように」

 

 

 

 

、ズシと戦ってどう思った?」

ズシ達が見えなくなった所でキルアが聞いてくる。かなり疑ってるなー。

でも、念のコトについての話はあんまりしたくないんだけど。

「かなり打たれ強いなぁ、って印象は持ったね」

「だろ?オレも一回対戦した時本気で殴っちまって病院送り決定、って思ったのに立ち上がりやがった」

「おー、それはスゴい」

「それに、ズシが構えを変えたら兄貴みたいにヤな感じがした。ズシの師匠が大声出してその構え止めさせたけど。

その試合後にレンがどうのこうのって話をしているのを聞いたんだ」

「それでね、昨日オレ達ウイングさんにその事について聞きに行ったんだ」

「上手く誤魔化されちまったけどな。絶対何かあるはずなんだ!!」

「その何か、分かればいいねー」

「分かればいいねー、っては気にならねぇのかよ?!」

「あんまり?」

だって知ってるし?

「ったく、知っても教えてやんねーからな!!」

寧ろ教えないで下さい、変に教わったら一緒に習わなくちゃなんないでしょーが。

「はいはい、それより部屋に帰ろー。シャワー浴びたい」

も150階だから部屋を貰えるね!!」

「そうだね」

部屋では念の修行しないといけないんだよなー・・・・メンドくせ・・・・

 

 

 

 

夢主、ズシと戦う。
本気を出せばキルアと同等の実力を持ってるんだから重石を付けててもズシには圧勝、のはず?