天災は忘れる前にやってくる124
──────コンコン・・・・・・──────
「はいよー」 キルアが扉を開けに行く。
ドアを開けると無表情のウイングさんが立っていた。怒ってるなぁ。 ツカツカとゴンに近付き、ゴニョゴニョと謝るゴンに平手打ち。(いい音したなー・・・) 「私に謝っても仕方ないでしょう!!一体何を考えてんですか!!」 スリルとショックとサスペンス、かな?(ショックは不要か?) 「念を知らずに洗礼を受けた人達を見たでしょう!!君自身ああなっていても全くおかしくなかったんですよ!!」 こら単純一途。一般人(に擬態しているヤツ)がいるコトも念頭において発言しろ、ってか気付け。 「全く・・・・この程度で済んで良かった。本当にもう・・・」 「ウイングさん・・・・ホントにごめんなさい」 「いーえ許しません!」 怒ってるなぁ。(二度目) 「キルア君、ゴン君の完治はいつ位になるか知ってますか?」 「医者は1ヵ月って言ってたけど」 何気に一ヶ月案、採用してるし(笑) 「・・・分かりました」 後ろでニャンコになってる・・・可愛い♪ 「猶予も見て今日から1ヵ月半の一切の試合を禁じます!!」 残念、猶予を取られたか。 「念の修業及び念について調べることも許しません! 今度これが守れないようであれば君に教えることはもう何もありません。どうですか?」 だ・か・ら・強化系、漏らしてる漏らしてる。 「分かった!ちゃんと守るよ。約束する」 よかったね、ホントは2ヵ月の所が半月縮まって。 「左手を」 ゴンの小指に紐を結ぶ。ウイングさん神字書けるんだね。 「誓いの糸です。これを見て常に約束を忘れぬように」 「うん」 そんなコトしなくてもゴンは破らないだろうけどね。 「キルア君、ちょっと・・・・」 ウイングさんがキルアを連れて外へ出る。 しっかし、本気で存在をスルーされててちょっと悲しい・・・
「も、心配かけてゴメンね」 「ゴン、無茶をするなと言う気はない。言っても無茶しちゃうだろうから。 でも無茶をし過ぎるのはよくない。 今回は治る怪我で済んだけど、無茶は時に生死に関わるコトだってある。ゴンを心配する人はいっぱいいるんだから、その人達が悲しむよ?」 「うん、ゴメン・・」 「心に留めて置いてね? さて、分かって貰えた所でお見舞いの果物でも食べよーか」 「うん!!」 モチロン、自分も一緒にいただきますよ?
「そーだゴン」 「んん?」 リスになってるよ。 「早く治したかったらね、気配を出来るだけ消すよーにしたらいいらしいよ。3次試験でヒソカの後を付けてた時や今回の試合でやったコトみたいに」 「ふーん。分かった!」
これで少しは治りも早いかな? 「さてと、ゴンの顔も見れたしそろそろ帰ろうかな」 「もう帰っちゃうの?」 「昨日は試合をエスケープしたからね、今日は出ないと」 「そっか、頑張ってね!」 「ありがと」
部屋を出て、エレベーターに向かうとホールでキルア達を見かけた。 調度話が終わったらしく、キルアがこっちに向かってくる。 「もう帰るのか?」 「試合があるからね」 「そうか、まぁ頑張れよ」 「ありがと」 少し話しただけで別れ、キルアを見送っていたウイングさんを頭を下げ通り過ぎよーとした時、声をかけられた。
「君、少しいいでしょうか?」 「はい、何でしょう?」 「君もゴン君達と一緒に修業するつもりはありませんか? ゴン君達には怪我が完治した後、彼等が望むなら修業をズシと一緒につけるつもりです。 君もよかったら参加しませんか?」 ハンター試験合格してるって情報は伝わってるのかな?で、念を覚える資格はある、と。 「せっかくの申し出ですけど、辞退させていただきます」 「・・・・理由を聞いても?」 念を習得済なのに習う必要ないから、って言えたら楽なんだけど・・・・(言う気は皆無) 「今回ココに来たのはキルア達に会う為と小遣い稼ぎの為。基礎を向上するつもりはあっても強くなるつもりはないですから」 「しかし・・・」 「不思議な力があるのは知っています。知り合いにもそれを使う人はいますので」 某盗賊団の連中とか某二ツ星ハンターとか貴方の師匠とか。 「それなら尚更覚えるべきでは・・?!」 「それをもし、覚えるにしても、その教えを乞うのは“貴方”に、じゃない」 「・・・・・そうですか、分かりました」 「せっかくのご好意に生意気言ってすみません」 「いえ、こちらも余計なお節介をしたようです。 もし、状況が変わって意思がおありなら、いつでもおっしゃって下さい。君にはその資格がある」 「ありがとうございます。では」 「試合頑張って下さい」 「はい」
・・・・よかった、ここでバレたら面倒臭いんだよね。 最近、“嘘は言ってないけど本当のコトも言ってない”コト多いよね・・・
“嘘は言ってないけど本当のコトも言ってない”言葉は“嘘だけのコト”より真実味が増すんだよね。(まぁ、言ってる事は全部真実なんだけどね・・・・) |