ゴンが試合をしてから1ヵ月、意外な人から連絡が来た。

『もしもし、かい？』

「マチ、久しぶり！！どうしたの？！」

『今、天空闘技場にいるんだろ？』

「そうだよ」

『ちょいとそこに用事があってね、行くコトになってるんだ』

あぁ、治療と伝令ヒソカね。

「用事終わった後会える？！」

『あぁ、そのつもりで空いてるかどうか聞こうと思ってね』

「空いてる空いてる！ってか、空いてなくても無理矢理空けるって！！」

『そうかい？なら後で連絡するよ』

「待ってる～♪」

わーい、マチとデートだ～！

ウキウキとしながら時間が経つのを待っていると電話が掛かってきた。

『よぉ、今日暇か？』

「キルア、どうしたの？」

『ヒソカの試合のチケットがあるんだけど一緒に行かねぇ？ゴンが試合を見に行くの止められてさぁ』

そうか、怪我は結局3週間で治ったらしいけど、念解除はまだ後半月先だもんね。

「試合で学べるコトは多いからね、ヒソカの試合なら尚更。しかし、ヒソカの試合なぁ・・・」

『何かあるのか？』

「絶対エグいコトになると思うんだよね・・・・」

腕が千切れたり自分の腕食べたり血塗れにしたり・・・・

『少しぐらいいーじゃねぇか』

少し、で済むならいいんだけどね。(済まないからイヤなんだよ・・・・・)

「じゃあ試合にはある程度付き合うよ。途中で抜けるかもしれないけど」

『んじゃ、試合会場のロビーで待ち合わせな』

「了解」

あ、でも念は隠まで全部見えちゃうから間違って言わないよーにしないと。

うわー、ウザいぐらいの人・・・・ムサい、蹴散らせたくなるよね。(私だけ？)

「、こっち」

「スゴい人だね。200階の試合ってこんなにいつも観客がいるの？」

「いや、ゴンの時はここまでいなかった。ヒソカ対カストロだからだろ。どちらもフロアマスターに近いって騒がれてたぜ」

「ふーん、カストロ？さんもヒソカを避けて対戦したらフロアマスターになれたかもしれないのに」

どーでもいーけど、カストロも美形の部類に入るはずなのにあまり心が動かされないな・・・(ヒソカの素顔は未だに見たいと思うのに)

超絶美形に見慣れ過ぎたか・・・・

「ヒソカにリベンジする為に強くなったって言ってた」

「わぁ、ヒソカと戦いたいからって強くなるなんて、誰かさんと同じで一途だね」

流石強化系。

「・・・・・あぁ、確かに」

誰もが納得する強化系の“単純一途”。

『間もなく本日の超注目試合が始まろうとしています！！選手の登場ですッ！！』

・・・・・・不思議だ。

「・・・・・ねー、キルア」

「あ？」

「ヒソカの服って、どこで買ってるんだろ？」

「はぁ？！知るか！！」

「だって気にならない？あんな特殊な服装まず売ってないよ。サーカスのピエロでも普通着ないと思う」

まぁこの世界一点物っぽい服いっぱいあるけど。某団長のコートとか、暗殺一家の長男とか、キセル野郎の弟子チキンとかも変わてるよね。(クロロのはファーが気持ちいいから好きだけど)

「さーな、どっかでオーダーメードでもしたんじゃねぇの」

アレをオーダーメードで作る店・・・・中々特殊な趣味の店長だね。(未知なる形に挑戦！ってか？)

「って変な所に疑問を持つよな・・・・？」

「普通一番に思うコトじゃない？」

ここの人間は“特殊”に慣れ過ぎてると思う。元の世界ではまず変人扱いだ。

・・・・ヒソカはここの世界でも変人扱いだったや。(あれ？)

「別にそこまで気にしねぇだろ」

そぅかなぁ・・・・？

「それはヒソカの人となりを知ってるからだと思うよ？」

「お前も同じぐらい知ってるだろうが」

そーいやそーだ。

「・・・そうだね。なんでだろ？」

分かんなくなっちゃった・・・(ありゃりゃ？)

『さぁーいよいよです！！ヒソカ選手VSカストロ選手の大決戦！！』

「・・・・さっきさぁ」

「・・・ぅん？」

未だに特殊な服屋のコトを考えていたので、ボソリと言われた言葉に反応が遅れる。(危ない危ない)

「さっきカストロの実力を確かめにちょこっと控室に忍び込んだんだけどさ」

「そんな所で能力の無駄遣いするなよ」

「うっさい。じゃなくて、そこでちょっとアイツの実力を垣間見たんだよね。ヒソカ、今回苦戦するんじゃねぇ？」

でも勝つとは思ってるんだ？

「まぁ前回の試合でヒソカに気に入られて生かされるぐらいなんだから上手く育ってたら善戦はすると思うよ。

ヒソカが気に入った所を伸ばしていたら、だけど」

「そこが上手く伸びていなかったらすぐに終わらされるって？」

「面白くなくてもパフォーマンスぐらいはすると思うけどね」

なにせマッドピエロだから。

「まぁ、なんにせよヒソカの強さを知るチャンスなんだ。しっかり見ないとな」

あんま見たくないってば・・・・