天災は忘れる前にやってくる131
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はヨークシンの雑踏の中を歩いていた。 世界最大のオークションが間近に控えている為、街にはいつも以上に人が溢れている。人の多さに辟易しながらも待ち合わせ場所の噴水へと足を運ぶ。 噴水がある広場が見えた所で辺りを見回すと、目的の人物は数多の女性からの熱い視線をどこ吹く風に受け流してベンチに腰掛け読書をしていた。 近付いていくと本を閉じ顔を上げ、こちらが来るのを待っていた。 クロロの目の前で足を止めると、ニッコリ好青年風に笑いかけてくる。
やべ、怒ってる・・・・・・
目が笑っていない事に気付き、思わず距離を置こうとしたが既に遅く、逃げる間も無く膝の上に乗せられ抱き締められる。 どーして、こー周りに見せつけて遊ぶのが好きかなこの団長はー・・・ 熱い視線を送っていた女性から感嘆だか驚嘆だかの声が零れる。 あぁ、なんかデジャヴ・・・・ まぁ、今回の私の格好は女の服装だから腐的な視線ではなく嫉妬の視線だけど・・・・・ 傍から見れば抱き合って恋人同士の睦言を語り合っているようにも見えるこの体勢、実際は逃げないように押さえ込まれながら小言で言い合いをしているだけである。
「随分と長い間遊び回っていたようだなこの放蕩猫は。8月には帰って来いと言ったはずだけど?」 「9月になる前、8月中には帰って来たじゃん?」 「言い訳のつもり?」 「間違ってはいないでしょ?」 「逃げるのが随分上手くなったな」 「人の揚げ足を取るのが上手な教師が近場に何人もいたからね」 「しょうがないなぁ」 「じゃあ、しょうがないついでにもう少しの間、自由に動いててもいい?」 「駄目だと言ったら諦めるのか?」 「許可なしで動こうとするだけ」 「本当に仕方がない奴だ」 「仕方がない人達に飼われてるからね、似ちゃったんだよ」 「そっか、それならしょうがない」 「でしょ?」 そのまま丸め込んで許可を貰おうとした。 「で、どうしたらいいと思う?」 が、相手は腹黒意地悪S団長。そう簡単には許可するはずもなく・・・ 「・・・・・どう、とは?」 「勿論、それを俺が無条件で許可するとは思ってないよな?」 ですよねー・・・・・ 「なにを、すれば、よろしい、ので、しょうか・・・?」 顔を引きつらせて問えば、それはそれは全てを魅了するような笑顔を向けてきた。 「今回の仕事は全員集合を掛けていて、かなりの規模になる。その中で『自由に』という事は・・・・」 ・・・・・・・・・・ 「多少無茶な条件でもいくつかの言う事を聞く、という訳だ・・・?」 やっぱりーッ!!その“多少”な“無茶”がかなり怖いのですけど~ッ!? しかも何でいくつかなのさッ!? 「せ、せめて一つか二つに「なると思うか?」・・・・・・・・」 うぅ、そんなに即答しなくてもいいじゃんか・・・ 「それでも自由を望むのなら、可愛く『お願い』してみたら?」 「まずそれ自体がかなりハードル高いんですけど・・・」 かわいくって何ですかッ?! 「甘えた声で『おねがい』って言った後、からキスしてきたらいいんじゃない?」 なにそれ滅茶苦茶ハードル高くない!?ってゆーか懇願方法間違ってない?! 「無理ムリむ「ならば『自由』は無し、ペットらしく首輪を付けて傍に置こうかな」・・・・・・・」 おにーきちくーあくまーまおーひとでな「どうする?」心を読むなー・・・・・ 「べ、別にそんなコトしたってクロロは嬉しいと思わないでしょ・・・?」 「がしてくれる分には構わない、むしろ恥ずかしがりながらもする所が見たいな?」 へんたいーサドー「それとも、ここで公開SEXにしようか?」だから心を読むなよ・・・・ うぅ・・・こう言い出したクロロは絶対にコレ以下の妥協案を出さないだよな・・・・・ 「せ、せめて場所を移動「してからだとSEX付けるよ」なんでッ!?」 私は露出する趣味はないッッ!! 「その方が面白そうだし」 「私は全ッ然面白くない~ッッ!!」 「いいから早くどっちか決めろ。お願いをするか、首輪とネコ耳と尻尾を付けて俺の傍にいるか」 何かもう一つの選択肢に条件が増えてるーッ!? 「勿論、尻尾には玩具を付けてやるから色っぽいネコが出来上がるぞ?」 何でそれが勿論なんだよッ?!もーヤダこの変態鬼畜団長~ッ!! 「さて、後五秒以内に決めろ、5、4、3、2「ちょ、まっ、言うからッ!!」そうか、きちんと舌も使えよ」 くぅッ、クソッ、それも読まれてた・・・・ 一旦目を閉じて心を落ち着かせる。 いつもやられてるコト、今更恥ずかしがる必要はない、罰ゲームみたいなモノ、とゆーより劇みたいなモノ、自分は役者だと思えッ!! 無理矢理決心を付けていざ、抱き締めながらニヤニヤ笑ってる変態鬼畜団長を見つめる。 な、殴りたい・・・・ 「ク、クロロ・・・・」 「ん、何?」 私の呼びかけに甘い声で応じる似非好青年風団長。 うぅ~ッ、やっぱ顔だけはいいんだよッ!! ヤバい、変に意識したら動けなくなる、勢いのままやってしまってすぐに終わらせないとッ!! 「お、おねが、い・・・・///」 羞恥心を心の奥底で押さえつけ、言葉と共に行動に移す。 首元まで真っ赤にしながらも、条件を全て満たした。恥ずかし過ぎてそのまま顔をクロロの方に埋める。 ソレさえも周りからしたら甘えているようにしか見えてないコトをは気付いていない。 「これで、いいよね・・・///」 「俺がいつもしてるぐらいのキスをして欲しかったけど、今回はこれで許してあげる」 「・・・・・・・」 ムリです・・・・・・ 「じゃ、行くか」 クロロはをそのまま抱き上げ、機嫌良さ気に歩き出す。 普段なら嫌がるこの体勢も、先程の行為で気力も体力も使い果たした為、されるがまま、顔を埋めたまま抱かれ続けていた。 だから、は知るコトがなかった。 広場にいた人間の殆どが、二人に注目していたコトを。 途中から周りを気にする余裕がなかったは幸か不幸か知らずにいれた。
団長がドンドン変態化してるー(笑) 夢主、ガンバ!! |