天災は忘れる前にやってくる138


「お前が知っている事を全て話してもらおう」

「・・・・・・・・・・・・・」

 

復讐は目を眩ませる。

 

──────ズゴッ──────

 

「仲間の居場所は?」

「・・・・殺せ」

 

薄々、気付いているんじゃない?

『冷酷非道』と言われていても

仲間を大事にしていて

 

──────ボギィッ──────

 

ぐ・・・ぎ・・・

 

自分の命より仲間を優先しているという事を。

 

 

「・・・・・・実に不快だ。

手に残る感触、耳障りな音、血の臭い・・・・・・全てが神経に障る」

そう感じるのが、クラピカは人殺しに向いてない証拠・・・・・

「なぜ貴様は何も考えず!!

何も感じずにこんなマネができるだ!!答えろ!!」

 

 

──────ヒュッッ──────

 

「ッッ?!」

ウボォーギンが答える前にクラピカに向けてナイフを飛ばす。クラピカが飛んで避けた所に間に立つ。

「それは、いきてきたせかいがちがうから」

自分達以外にこの場に人がいると思わなかったらしく驚愕していたが、すぐに気持ちを立て直し睨んでくる。

「貴様ッ、何者だッ?!」

「・・・・・・・・・・・・?」

「ッ!!旅団の仲間かッ!!」

「ことばのていぎによる」

どちら側かと言えば旅団側であるが、幻影旅団メンバーかと言われれば違う。

「きちんと答えろッ!!答えなければ鎖を締め付けそいつを殺す!!」

「そしてかれをころしたあとわたしもころすの?」

「ッ!!必要ならば厭わない!!」

「それはざんねん。でも、それをききたかった」

私を『殺そうとする意思』があるかどうかを、ね。

「何ッ?!」

隠していた円とシオンの隠を解く。

これはビスケの修行で身に付けたもの。蒼玉の私審判フォールングを使用する場合、シオンと円が不可欠になる。しかし、シオンは自分で隠ができるが変なタイミングで円を張るとバレる可能性があった。

その為、円を隠す必要があった。円は念である。ならば、隠が可能なのでは?というコトで血反吐を吐きながら身に付けたこの技。間に合ってよかった・・・・

「うぼぉーぎん、くるたぞくのふくしゅうしゃ、うごくな

「なッッ?!」

命令した時点でクラピカとウボォーは絶になり、ウボォー巻きついていた念の鎖が解かれた。クラピカは鎖が解かれたコト、絶にされたコトに驚いて動こうとするが、命令によって動けず、余計に驚愕した。

クラピカの名前を呼んではいないが、クルタ族はここではクラピカしか当てはならない。そして、復讐者も付きかなり強力に拘束できる。

「うぼぉーぎん。

たいりょうさつじん、および、さつじんしさ、そのばつとしてよーくしんからたいきょ・いっしゅうかんりょだんめんばーとのせっしょく・れんらくをきんじる」

「今回の仕事に出るなってか」

内臓や肋骨をやられ、くぐもった声で答える。

「こんかいはだいきぼなしごと、それにふさんかはじゅうぶんばつになる」

「・・・・確かにな」

一度蒼玉の私審判フォールングを受けている為、ウボォーギンは抵抗せずに苦笑しながら認めた。

「くるたぞくのふくしゅうしゃ」

睨み続けてくる緋の眼を正面から受け止める。

さつじんみすい、さつじんよこく、および、たいせつなひとへのふくしゅうによるひがい、そのばつとしてうぼぉーぎんのせいしをたごんしないこと、わたしたちのついせきおよびそうさくをきんじる」

・・・・・・眼だけを見た時は怖いとしか思わなかったけど、生きてるクルタ族の眼は、濃淡がある緋色に色々変化してキレー・・・・

「それに応じるとでも思うのかッッ?!」 

「おうじなくてもしたがってもらう」

「何ッ?!」

「せけんいっぱんからみて、ひとごろしはみすいであってもりっぱなはんざい。

たとえそれがふくしゅうというたいぎめいぶんにつつまれていても、しゃかいでいきてきたかぎり『さつじん』というこういにたいしてざいあくかんをもちつづけなければならなくなる」

それは、『社会の常識』を学び、その中で育てば普通に身に付く考え方。

「ッッ、それでも私はやり遂げると決めたッ!!」

「つみのいしきをもっているもの、ひとごろしはむいていない。じぶんとなかまがたいせつならば、やめるべきだ」

特に、クラピカみたいに常識と優しさを持ち合わせていて、大切な『仲間』を持っている人は。

「貴様に何が分かるッッ!!」

「ふくしゅうのみちをえらぶきもちを、わかりたいとはおもわない」

大切な人を殺された時、私も復讐を選ばないという自信はない。

「でも、なかまをおもうきもちはわからなくもないから」

だからこそ、今こうして動いているのだから。

「何が言いたいッッ?!」

そんなこと、本当は分かっているでしょ?

っく、身体がヤバくなってきた。

「ここに、えきのろっかーのかぎがある。もし、なかまをおもうなら、いってみるといい」

「何・・・・?」

「さつじんがみすいだったことにたいしてのげんけいがわりのものがある」

「どういう事だッ!!」

「じぶんのめでたしかめればいい」

そろそろ限界か・・・・これ以上念を使うのは危険だけど、この後のクラピカの攻撃を避けるには・・・・・・

仕方ない、ぶっちゃけ反則技だけど持っているんだから有効利用しよう・・・・・とゆー訳で、

「ファイラ」

クラピカの周りを炎で囲い、逃げ時間を確保する。

「なッ?!」

次にブリザドで鍵を凍らし温度で変形しないようにしながら、ウボォーに尋ねる。

「うぼぉー、いまのうちにわたしをかかえてにげれる?」

「あぁ、骨や内臓がちっとヤバいけどイケるぜ」

「ぜつしてかれからみえなくなるようにはしって」

「分かった。お前も保てよ」

「・・・・・ぜんしょする」

何とか、気絶しないように、がんばるよ・・・・

 

 

 

 

オーパーツなモノ、使っちゃった(笑)