岩や崖を利用してクラピカから見えなくなる様に逃げて貰い、その間、念の反動を無理矢理押さえ込む。隣の街が見えた所でウボォーを叩き聞こえるように耳元で話す。

「ウボォー、止まって・・・・」

「ん、おぉ」

ウボォーが止まり、降ろして貰う。

「どうかしたのか？」

「ウボォーはヨークシンから出ないといけないけど、私は出る必要ないから・・・・・」

「そーいやそーだな。お？あの喋り方は止めたのか？」

「あれは対ヒソカ＆他人用。私を知ってるウボォーにやる意味はない・・・・」

「まぁ普通の方が喋りやすいよな。ってかおい、大丈夫かよ？かなり顔色悪いぜ？！」

「あの念の反動がきてるだけだから・・・・・もし余裕があるならオーラを貰いたい所だけど、今ウボォーも余裕ないでしょ・・・・」

かなり溜めて来たと思ったが足りていなかったらしい。

「あぁ？！んなの大丈夫に決まってんじゃねーか！！さっさと俺のオーラを食いやがれ！！」

怒鳴りながらもすぐ練をしてシオンに差し出した。シオンも遠慮せずがっつく様に食べていく。

するとシロガネまでもウボォーに近付きオーラを食べ始めた為ウボォーのオーラはすぐに底を尽いてしまった。

オーラを出し切った後、ウボォーが力なくしゃがみこむ。

「ッはぁ、もームリだぁー！くっそぉ、鎖野郎にボロボロにされてなかったらもっとやれるのによぉ・・・・」

「・・・・大丈夫、さっきよりか回復したから。ホントに、殆どくれて、ありがと」

「助けられてばっかだからこれくれぇは返さねぇとな！！」

身体は満身創痍なのにガハハと笑うウボォーギン。

いつもと変わらない様子にホッと息を付く。

「さっきの命令、ホントに守ってくれる・・・？」

「あぁ、1ヶ月間アイツ等に会うなってーのと今回の仕事不参加だろ？

暴れらんねぇのは物足りねぇけど、その条件に助けて貰っちまったんだから守るしかねぇ。

っかし、ホントに大丈夫かぁ？まだ少し顔色悪いぜ？！」

「仮宿アジトにさえ行けば、何とかなるよ・・・・」

私の仮宿アジトには貯めてある多種多様の珠キープ・フードがあるし、それでも足りなかったら、誰かに分けて貰おう。

「ホントにか？」

「うん、だから大丈夫・・・・」

返事をしながらシロガネの背に私が乗ろうとすると、ウボォーがヒョイと乗せてくれた。

「分かった。・・・・、マジありがとよ。はっきり言って、今回は死ぬと思った。

別に死ぬ事なんか何にも思っちゃいねぇし、仲間売るぐらいなら死んだ方がマシだけどよ、マジあの状態から助かるとは思っていなかったぜ」

「私も、ウボォーが生きるコトを選んでくれて嬉しい」

「・・・・ありがとよ！！んじゃ、あんまムリすんじゃねぇぞ！！」

「ウボォーが言える立場ではないね」

「ガハハハ、そーだな！！アイツ等に『1ヶ月後に覚えてたら連絡するぜ』って言っといてくれ！！」

「分かった、言える時期になったら伝えとく。

ウボォー、またね」

「おぅッ！！」

ウボォーギンは絶をしながら走り出し、あっという間に見えなくなった。

・・・・・何でオーラか殆どくれたのにあそこまで元気なんだろう？

シロガネに私を背負われ、自分の仮宿アジトに戻る。

部屋に入りソファーに私を降ろすと、自分で多種多様の珠キープ・フードを食べに行くシロガネ。

ホントよくできた念獣ですこと。

貯蓄してあった珠を半分程食べると、顔色はまだ少し悪いが普通ふらいには回復した。

「シロガネ、後はシャルやフィンからちょっと貰おう・・・・」

他メンバーに見つからないよーにしないといけないけど。

「グルル・・・・」

あー、疲れた。そーいや今何時・・・・・

AM3時・・・・・・・

むー・・・・この時間だと何人かに怒られる可能性が・・・

けど、今後の展開を考えると早めにオーラを食い溜めしておいた方がよさそうだしなぁ・・・

「シロガネ、クモの仮宿アジトに戻ろっか」

「グルグル・・・・」

シロガネ、そんな『仕方がない、ヤツ等のオーラで我慢してやるか・・』って顔しないでよ・・・・(非常食扱い？)