天災は忘れる前にやってくる142


「何だお前等、気付いてなかったのかよ?」

「注意力散漫ね」

・・・・あぁ、そゆこと。そーいや、クモの皆が当たり前に気付くだけで普通絶をしたら気付かないんだっけ。

ってか、ノブナガとフェイ、さり気に私のコト貶してるでしょ?

「・・・・・・なんか」

「あぁ、似てる・・・?」

私の顔を凝視しながら確かめ合う二人。

「なんだぁ、と知り合いか?」

「言い方的にを知っている訳ではないんじゃない?」

ノブナガの疑問にシャルが訂正する。

「オレ達はソイツに似た男を知ってるだけだ」

「お、んじゃ兄弟かなんかか?ならソイツ捕まえたら団長喜ぶんじゃねぇ?」

「ホントに兄弟なら、ね」

捕まえるの無理ー、本人ですから。

「捕まえて、どうする気?!」

ゴン君、捕まってる状況そこで君が睨んでも全然効果ないから。

「あぁ?んなの決まってるじゃねぇか」

「団長気に入たらまた飼うよ」

「そんな事、させない!」

「はぁ?させるさせないの問題じゃねぇよ、オレ達がするかしないかだ」

「絶対させないッ!!」

だからねゴン君・・・

「捕まってるヤツがどーやってさせねぇんだ?」

そーゆーコトです・・・

「ヤだ!させないの!!」

ゴンワールド炸裂だ・・・・

「・・・お前等、話がズレてるぞ。何の為にソイツ等を連れて帰ってきたのか思い出せ」

おー、流石フランクリン、見事な軌道修正だね。

「おぉ、そーだった。よぉボーズ、オメェシズクと腕相撲して勝ったのか?」

あ、そこに戻すんだ?

「うん」

「よし、ならオレと勝負だ」

 

 

 

──────ダンッ──────

 

ノブナガが話す声とゴンの腕が机に押さえ付けられる音がホールに響き渡る。

「──────旅団設立前からの付き合いだ。オレが誰よりよく知ってる。アイツが戦って負ける訳がねぇ。汚い罠に掛けられたに決まってる!!絶対に許さねぇ。何人ぶっ殺してでも探し出す」

涙を流しながら訴えるノブナガ、他のメンバーは黙ってみているが初期メンバーは少し身体に力が入っている者もおり、共感している者もいる。

確かにウボォーギンは強い。でもねノブナガ、クラピカの復讐心は彼の腕力を超える程だったんだよ?

「心当たりがあったら、隠さず全部しゃべれよ」

「知らないね。たとえ知っててもお前等なんかに教えるもんか」

「あ?」

「仲間の為に泣けるんだね。血も涙もない連中だと思ってた。

だったらなんで、その気持ちをほんの少し・・・ほんの少しだけでもいいから、お前等が殺した人達に、

なんで分けてやらなかったんだッッ!!

知らない他人の為に怒れるゴンはスゴイと思う。そして、言っている事も間違えではない。

でもね、彼等にとってはその考えは少し違う気がするんだ・・・・

 

 

 

 

先程の腕相撲でゴンを気に入ったノブナガは仮宿アジトに残る事になった。

「──────引き続き2人組で行動しリストの人物探しに全力を挙げて」

「ちょっと、ノブナガは留守番だろ?アタシは?」

「10人いるから誰か余った奴と組みなよ」

余ってるのって確か・・・・

「♥」

・・・・・・

だよねぇ。

「・・・・、アタシと一緒に行こう」

・・・・うぇッ?!

「マチ、ちゃんとした団員と組め」

「連れて行っても役に立たないんじゃない?」

マチの逃避発言に旅団の理性フランクリンから制止が入る。毒舌団員シズクも思ったコトを口にした。

「えッ?!」「ッ?!」

声を出して驚くゴン、声を出してはいないが同じく驚いた顔のキルア。

「その子、クモじゃないの?!」

「あ?ちげーよ。コイツは戦利品エモノだったんだよ」

ついで扱いだったけどねー。

「・・・ソイツ、人間じゃねぇの?」

「え、生きた念人形でしょ?」

シズクさん・・・

「団長が人間って言ってただろーが」

「あれ、そうだっけ?」

「団長が気に入って飼うって言いだしたんだよね」

超放し飼いだけどねー。

「飼うって・・・その子は人間なのにッ!?」

人権侵害って?ゴン、そーゆートコ結構潔癖症っぽいもんね。

「あぁ?別にオレ等がエモノをどう扱おうが勝手だろうが」

フィンクスが当たり前のように返す。

この言動では目茶苦茶な扱いを受けてそーだな。実際は衣食住を保障された自由気ままな飼い猫生活を満喫してるけど。(あれ、かなりいい身分じゃない?)

「でもッ!」

「オマエさきから五月蝿いよ、無駄口聞けなくしてやろか?」

「フェイタン」

「冗談よ」

いやいや、かなり本気だろーが・・・・

「はいはい、子供の事なんか放っておいて探しに行くよ。それと、とペアと認識して行くのはダメ(行くならオレが行くし)」

「チッ・・・」

マジで嫌いなんだね・・・・(ってか、シャルの言葉含みなかった?)

「んじゃあ、はどーすんだ?ノブナガと一緒にガキの見張りでもしとくのか?」

「おぅ、一緒に説得してくれや」

えー・・・・長時間キルア達と一緒にしたらバレる可能性あるしー?それに、今のままじゃゴンは説得できないって。

「しない」

「チッ、んじゃどーすんだ?誰かにくっついて行くのか?」

うーん、それでもいーけどさぁー・・・・

「・・・・・・ねる」

今の内に身体も全快しとかないとね。

フィンからマント?を奪い借り受け、比較的マシな瓦礫の上に敷いて丸くなる。

それを見てクモのメンバーはやれやれと言った雰囲気で各自行動に移り出した。

ノブナガもゴンとキルアを連れて上の見張り易い狭い部屋に移動する。

子ども二人は私に何か言いたそうに視線を向けてくるが、気付かない振りをして目を閉じた。

 

 

 

 

よく寝るねぇ・・・