「クロロとパクノダの心臓から念の鎖を取って。

そして、クラピカ、

自分自身の心臓からも念の鎖を外して」

「「「「ッッ？！」」」」

私が言った言葉にクラピカの念を知っている4人が驚いた顔をする。

「なぜ、それを・・・」

「理由はいくつかあるけど、一つは、私、念が見えるの。凝をしなくても、隠をされていても」

「「「「「ッ？！」」」」」

驚く者にセンリツも加わる。

「クラピカとクロロとパクノダの心臓に鎖が巻き付いていて刺さっているのが今も見えてる」

「・・・・・そうか」

「だから、クラピカはしないと思うけど・・・・変なコトしようとしても、嘘をついても、分かるから」

「・・・・・・きちんと取り外す」

クラピカは一度、クロロとパクノダを見た後、私の目をしっかりと見て了承した。

それに頷いた後、クロロとパクノダの方に身体を向ける。

パクは少し安堵した様子で立っており、笑顔を向けている。それに笑いかけてから、クロロと目を合わせる。

クロロは、次に私が何を言うのか理解している様子で佇んでいた。

「で、俺にどうして欲しい？このままコイツを殺してもいいのか？」

「「「「「ッッ？！」」」」」

クロロの面白がるような声にクラピカ達は再び表情を固くする。

「違うって分かってるのにそんなコト言わない。私が望むコトなんて理解してるくせに」

「どうせ、コイツ等に手を出すなとかその辺だろう」

「流石、よく分かってらっしゃる」

「じゃあ、俺がなんて答えるかも分かるよな？」

「今回はそれには乗らないよ。蒼玉の私審判シオンを使って言うコト聞いてもらう気満々だから」

「ッ？！それをしたら貴女の身体が・・・・」

シオンを使うと身体に響くコトを知っているので、パクノダは蒼玉の私審判フォールングを使うのをかなり良く思っていない。（姿は可愛いから好きらしいけどね）

クロロも知っているので、眉が少しだけ寄せられている。

「・・・・そこまでして確約が欲しいか？」

「欲しい」

それでも確実にしたいからクロロを見て即答をする。

「俺が命令に変えても、か？」

「だってクロロは私が自由に動き回るのを許可したし、邪魔するかもって言った時もOKしたじゃん。

コレが旅団に飼われる事になった時から言っていた私の“したかった事”だから、今、クロロが命令しても止められる自信ないや」

「だが、ここで鎖野郎を野放しにしては、他のヤツ等が納得しないだろ」

「それは幻影旅団の団長命令で納得はしなくても承諾はするでしょ、クラピカについても±0に近いし」

「鎖野郎には色々引っ掻き回されたが？」

「でも誰かが死んだ訳でも念能力を失った訳でもない。因みに、私がいなかった場合ウボォーとパクが死亡、クロロが離脱になっていたよ」

「ふむ、ウボォーと俺の代わりは利くがパクノダは失うと痛いな・・・・それを考えるとそこまで損ではない、か・・・・」

クロロが少し思案する仕草を見せる。

「ね？だからいいでしょ？」

「そこまでコイツ等の肩を持つ理由は何だ？」

「そんなの、どっちも死んで欲しくないからに決まってるじゃん。どっちも好きだから。

パクは絶対死んで欲しくない、だからそうならない為に頑張った。でも、彼等にも死んで欲しくなかった、だからどっちも無事で要られる様に力を付けて行動した」

「ほう、コイツ等も好きだからか？焼けるな」

そこでまたかき回さなくていいから、パクも眉を跳ねさせなくていいから・・・・

「・・・・・・友好的って意味だからね。あとでシャルとかに変な意味で伝えないでよ？」

「さぁな」

絶対言う気だ・・・・

「・・・・ともかく、旅団においては再び危害を加えられない限り彼等に今後手を出さない事と今後緋の眼を見つけた場合は私に渡す事」

「ドサクサに紛れて緋の眼も条件に入れてきたな」

あ、バレた。

「だって入れとかないと嫌がらせとか八つ当たりで滅茶苦茶にしそうだし」

「一応希少価値は高いから壊しはしないぞ？」

「極悪な闇ブレーカーに売ったりはするでしょうが」

「否定はしない」

「私からしたら目玉の何がいいのか分からないけど、そーゆーヤツ等に売って欲しくないから」

「世界七大美色だからだろうな」

「だって生きてる方が色の濃淡が変わるしキラキラしてて綺麗じゃん」

クラピカの眼を見てると、本当そう思うよ。

「・・・・・・・そうかもな」

クロロはクラピカの眼をじっと見た後、静かに肯定する。

「そんな綺麗なのを失くしちゃったんだから少しは反省しなよ」

自分達の手でクロロの好きな綺麗な物を壊しちゃったんだよ？

「・・・・・・・・少し早まったかもしれないというのは認めよう。、俺は命令してやるけどアイツ等への説明はお前がしろよ？」

「・・・・・・了解」

手強いけど、クロロが納得してくれた分まだ楽かな。

「という訳で、そっちが今後クモに手を出さない限りクモからは手を出さないし、緋の眼も見つけ次第渡す手順も整える。その代わり、念を解く事と復讐を止める事をそちらの条件ににして貰う。せっかく今止めたのにまた狙われたら今度は止めれないし」

「ホントに他のヤツ等は言うコト聞くのかよ？」

キルアが疑わし気に聞いてくる。

うん、それは少し心配ではあるんだけど。

「“団長命令”だと認識してくれたら何とか・・・でも、今回ウボォーの敵討ちって思いが強かったからウボォーが生きてるのとクロロ達が無事に帰ればどうにかなると思う・・・・・？」

「疑問系かよ」

「最終的には懇願と脅迫で何とかするつもりだし、クロロが了承したから一応は大丈夫」

「ホントかよ・・・・」

そこ、呆れない！

「魔法の言葉も使うから！」

「魔法の言葉？」

ゴンの首コテン可愛いッ♥

「±0だし・・・何より、“ヒソカがいなくなったんだよ！！”って熱弁する」

「「「「あぁ・・・・・」」」」

「確かに、納得するかもな・・・・」「納得、するわね・・・・」

主人公組だけでなくクロロとパクも納得するとは・・・マジ魔法の言葉になりそうだな・・・・

「とにかく、この条件も呑んでくれるよねクラピカ？」

「・・・・・・何故、私の心臓からも念を取る必要がある？約束さえ護れは私からは取る必要もないはずだ」

あ、“私”に戻ってる。緋の眼も元に戻ったみたいだね。身体にもキてるみたいだけど気持ちが先行して保ってるって感じ？

「だって復讐を止めるならクラピカにも刺してる必要がないでしょ？寧ろ刺してない方がクモに対しての威力も弱まるしクラピカにも負担が少ない」

「・・・・私の制約と誓約を良く知っているようだな」

「ちょっと裏事情があってね」

情報源は漫画です、なんてココで言えないけど。

「条件、呑んでくれるよね？」

「・・・・・・・・・・分かった、呑もう」

「・・・・クロロも、ホントにいいよね？」

「仕方ない、いいだろう」

「・・・二人共、ありがとう」