天災は忘れる前にやってくる156


「じゃあ、シオン出ておいで」

「グルピャァッ!」

シオンは私の身体から出てくると肩や腕をチョロチョロした後、甘える様に身体を擦り付けてきた。

「な、何だありゃ?」「・・・・・ネコかしら?」「あんなネコ見た事ねぇよ」「身体つきではネコじゃないと思うよ」

レオリオ・センリツ・キルア・ゴンの順にシオンについて感想を述べる。

クラピカは一度見ているので特に気にしてはいない。

ネコじゃないもん、竜の一種だもん・・・・

「・・・・・・やっぱりその子使わないとダメ?」

私の身体を心配してパクノダが話し掛けて来た。

「二人が了承してくれてるからかなり負担は少なくなるし二人のコトは信じてるけど一応確実にしておきたいから、ね」

「でも、こんな事で万が一に何かあったら私は自分を許せなくなるわ」

「ありがと、パク。じゃあその気持ちとしてオーラよろしくね?」

「止める気はないのね・・・・」

「私が言い出した事だから、最後まで責任を果たさせて?」

「・・・・・・・・分かったわ」

私とパクの会話に首を傾げる主人公組を他所に円を張り念を発動させる。



「幻影旅団団長クロロ=ルシルフル、クルタ族の虐殺及び緋の眼の多彩な輝きを失わせた事において、今後手出しされない限りクラピカ及びその仲間に手出ししない事、緋の眼は見つけ次第確保し渡しに受け渡す事、その二つを団長命令として旅団に通達する事」

「あぁ、いいだろう」



「クルタ族クラピカ、私の大切な人達に対しての殺人未遂・拘束及び暴力行為において、自身及び旅団2名から念の鎖を外す事、今後復讐を止める事」

「・・・・・了解した」



クロロとクラピカの肩にシオンの分身が現れたと同時にその分身が消える。

「消えた?」

「以前のは中々消えなかったのに・・・・・」

「今回のは、半恒久的な物だから、2人の身体の中に入ったんだよ・・・・・」

、もう喋らなくていいわ」

いつの間にかレオリオに銃を翳すのを止め、今にも崩れそうになっていた私を支える。

「だから使って欲しくなかったのに・・・・」

少し怒ったような話し方をするパクノダは心配で仕方がないという表情をしていた。

「ごめ・・パク・・・」

「いいからは回復に努めなさい。団長も、早く人質を放してコッチに来てください!」

パクはシオンにオーラを与え始めると同時にクロロを呼びつける。

「オレは今念を使えない状況なのだけどな」

文句を言いながらもパクノダに言われるがままにレオリオを開放しコチラに来るクロロ。

状況の変化に付いていけず呆然とする主人公組。

「なんで、の顔色悪くなってるの・・・・・?」

一人ゴンだけが近付いてきてパクノダに問いかける。

「さっきの念の制約よ、オーラが消費されるだけじゃなくて身体にも負担が掛かってしまうの。

本当は使って欲しくないのだけれど、余程貴方達を気に入ってるのね」

「・・・・じゃあ、なんでオーラをその動物にやってるんだ」

キルアも話に入り、それにはクロロが答える。

シオンコレの念獣で、他人のオーラを食べる事でに返還される」「オーラは生命エネルギーだからの体力回復にも繋がるの」

「・・・・この子オーラをあげたらは良くなるの?」

「そうだ。だからどうした、お前達もオーラをやるとでも言うのか?」





「・・・・が助かるならやる!!」

「ッ?!」「おいッゴンッ?!」

「だっては、確かに旅団と仲がいいかもしれないけどッ、それでもオレ達の事も考えてくれていたよッ!!

クラピカの復讐を止めるだけじゃなくて旅団の方にも条件を出して死なないようにしてくれてるもんッ!!

オレ達のコト好きだって言ってくれたッ、オレだってのコト好きだよ、だから助けたいッ!!」



「「「「・・・・・・・・・・・・・・・」」」」



「・・・・・・単純だな、が嘘をついてるとは考えないのか?」

ゴンの言葉に主人公組が押し黙る中、クロロがゴンにからかう様な言葉を向ける。

「ウソだとは思えないし、オレはを信じる」

「さっきの言葉の中に嘘の音はなかったわ、その子は本音で話していた」

センリツも肯定の言葉を示し、ゴンが力強くクロロを見返す。

「・・・・・・・・フッ、いいだろう。他のヤツ等も同様らしいしな」

先程まで躊躇していた他のメンバーもゴンの隣に並ぶ。

「ったく、さっさと決めてんじゃねーよ」「・・・・・私はに色々聞きたい事がある」「オレは医者志望だぜ、体調が悪いヤツが目の前にいるのに見逃せるか」「私はその子と直接的な関わりはないけれど、その子のお陰でクラピカだけでなく私達も救われた事は分かるわ」







「・・・・・いいだろう。但し、鎖野郎とサングラスのヤツは止めておけ」

「なッ?!」「何故だッ?!」

「鎖野郎は見た所限界が近いだろう、それでオーラを他人に渡すのは自殺行為だ、せっかくが助けようとした命を無駄にする気か?

あと、サングラスのヤツ、お前は纏は一応できているが他のヤツ等に比べお粗末だ。大方、四大行をマスターしていないだろ」

「グッ・・・・」「っく・・・・・」

「纏だけでは念獣もオーラを食べ難い、無理矢理奪っても構わないならいいが、その場合調節できずに限界以上を奪われても文句は言えないが?」

図星を指され2人は悔しそうに顔を歪める。

「その気持ちがあるなら念を早く外してくれるかしら?その方がの念に対して同意していると見なされへの負担が軽くなるの。

それに団長もオーラを分けられる様になるわ」

「・・・・・・・・・そうか、分かった」

パクノダの言葉にクラピカは渋々納得し、最後の力を振り絞って緋の眼になると自分の胸に手を当て律する小指の鎖ジャッジメントチェーンを外す。

その後、パクノダとクロロの背中にも手を当てると同じ様に外し、緋の眼が元に戻るのと同時に少しフラつくのをレオリオが支える。

「クラピカ、大丈夫か?」

「あぁ、大丈夫だ」







念を外され自由になったクロロはすぐに纏をする。

すると、シロガネがすぐに隣に来てクロロのオーラを食べ始めた。

「・・・何故お前が食べる?」

「シオンでも、シロガネでも、大丈夫・・・・」

「それを早く言え」

クロロはすぐさまシロガネが食べ易い様に手に硬をしてオーラを集めシロガネに差し出す。

「・・・・凄い、手にオーラが集まってる」「凝の手バージョン、ってか?」

「でも団長さんの身体からオーラが出てないよ?」「全部が手に集まってるのか?」

クロロの手にオーラが集まってる事に気付き、ゴンとキルアは凝をする。

そして気付いた事を話し出す子ども達にクロロは呆れた顔をする。

「・・・・・・・・お前達もオーラを分けるのは止めておいた方がいいかもな」

「「なんでッ?!」」

「纏は安定しているが応用を知らないんじゃ基礎しか知らないんだろ、凝にも時間が掛かってるし」

「「うッ・・・・・・・」」

クロロの言葉に噛み付くが、言い当てられ言葉に詰まる2人。

「・・・・・団長、こんな時にからかわないで下さい。練ができるなら少しはあげれますよ」

「「できるッ!!」」

「大方5分も保たないだろ」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」

パクノダの助け舟に元気に答えるがまたもやクロロに沈められる。

「スズメの涙もないよりマシです」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

更に、助け舟を出してくれていたパクノダに追い討ちをかけられ2人は撃沈した。









主人公組、やり込められる。
クロロ、ちょっとした意趣返しで嬉々として弄ってるな・・・・