天災は忘れる前にやってくる158


「・・・・・ッッ!!」

「キルア、じゃないよだよ」

そろそろ本当に仮宿アジトに戻ろうとクロロが私を抱えた時、キルアが慌てて私を呼び止め、呼び方をゴンが訂正する。

あー、そーいやきちんとした自己紹介してなかったね。

「オレ達の中じゃだろ?!」

「でも本名を知ったからには本名で言わないと。じゃないと、イルミはギタラクルのままになっちゃうよ?」

「・・・・・・・・・・・」

ここでイルミを話題にしてくるとは・・・・流石ゴン。


「どっちでもいーけど、まぁ一応フルネームは・シロノって言います。でも男装してる時はって呼んでくれた方が嬉しいかも?」

「だったら、今は女の子の格好だからの方でしょ?」

「まぁ、そうだね」

「なら、やっぱりじゃないの?」

「ゴンが納得できる方でいーよ」

「じゃあ今は女の子の格好してるからって呼ぶね」

「ッッどっちでもいーじゃねーかッ!
オレが聞きたいのは、これからも旅団のヤツ等と一緒にいるのかって事!」

話が前に進まずキレるキルア。

「ん?まぁ、どーなるか分かんないけど、今の所は一緒にいると思うよ」

「・・・・・オレ達と、一緒に行く気はねーのかよ?」

・・・・うん?

「なんだ、離れるのが寂しいとでも言うのか?本当にガキだな」

「なッ、違ぇッ!!」

「クロロ、からかわない。

そうだね。キルア達といるのは楽しいから好きだけど、彼等は私にとって“帰る場所”だから」

「オレ達と一緒に行動してても居続けはしないってコト?」

「皆が気にしないなら、これからも会いに行くし助けがいるなら手を貸すけど、あくまでも私の家は彼等なんだよ」

だから旅団から離れるコトはない。

「・・これからもオレ達遊んでくれる?」

「それは皆が望むなら」

「・・・・これでさよならには」

「私自身はなりたくないかな?」

「そっか。キルア、よかったね」

「なっ、オレは別にどーでもいーし・・・・///」

ゴンに満面の笑みで言われ、顔を真っ赤にしながら照れた様子で捻くれたコトを言うキルア。

ツンデレキルア可愛い!

「まぁ近々もう一回顔を出そうと思ってるから、その時色々話すよ」

「わかった、待ってるね!」「・・・キチンと聞かせろよ」

ゴンは元気に、キルアは仏頂面(でもまだ顔赤い)で返事をしてくれ、クラピカとレオリオの方を見るとしっかり頷いてくれた。



私、思ってた以上に彼等に好かれてたんだね・・・・






思いはあった、それに一番近くなるよーに行動もしてきた。
誰も死なないよーに、誰も傷付かないよーに。
結果、誰も死なずにこれた。

それでも、思いは別だから・・・・

思い通りの展開になっても、怨まれてもおかしくない立場だった。
嫌悪や憎悪を持たれても仕方ないと思ってた。

でも、彼等は変わらなかった。
それにどれだけ救われているか、彼等は知らないだろう。

クモの皆は好きだ。
それは、私を傍においてくれていたから、関わってきたからこそ大切だと感じるよーになった。
でも彼等は、ずっと知識にあったっていたから。
出会う前から、初めて読んだ時から好感を持っていたから。
彼等の冒険に、絆に、憧れを抱いていたから。

彼等に認められるのは、クモの皆がとはまた違った意味を持っている。

いつか、わだかまりなしに皆で話し合えたら・・・・なんて、望み過ぎだよね。






「行くぞ。お前は今から他の奴等の説得があるんだからな」

・・・・・・ですよねー。









ツンデレキルアはやっぱり可愛い♥