天災は忘れる前にやってくる159
クロロに抱えられたまま借宿に戻った。
近辺にまで不穏な空気が漂っていたのが、クロロが顔を出した瞬間に一気に霧散した。
「「「「団長ッ!!」」」」
思わず声をあげるシャルナーク・フィンクス・マチ・ノブナガ、
声は出さないがホッとした様子のフェイタン・フランクリン・シズク、
変化が分からないボノレノフ・コルトピ。
ヒソカに変装していたイルミは既にいなかった。
「迷惑を掛けたな」
「鎖野郎になんかされなかった?!」「念とか掛けられてねーか?!」「ってか鎖野郎はどうなった?!」「そーだよ鎖野郎は?!」「殺てきたか?」
皆クロロ大好き過ぎだろ・・・・(さり気に質問フェイタンも入ってるし)
「落ち着け、それについて話しがある」
鶴の一声、全員ピタッと静かになる。
その間にクロロは中央の見渡せる位置に移動する。(のはいいけど、私降ろしてよ)
そして、台の上に腰掛けると私を膝に乗せたまま話始めた。(・・・ヲイ)
「俺にもパクノダにも鎖野郎の念はついてない」
「じゃあッ?!」
以前のヒソカとの会話で鎖野郎の念について予測を付けていた(はず、寝てたから見てないけど)ので、鎖野郎を圧倒したと思っただろう。
「但し、鎖野郎を攻撃する事を禁ずる「なッ?!」団長命令だ」
「どーゆー事だよ団長ッ?!」「攻撃するなって?!」「ウボォーの仇討ちはどーなるんだよッ?!」
「ウボォーギンの仇討ちをする必要はない」
「はぁッ?!」「なんで?!」
「・・・・団長、それはウボォーの仇討ちがするに値しないってコトか?」
クロロのに不満を隠せない団員達、その中に一人明らかに殺気を向けてきているのはウボォー大好きなノブナガ。
「そうだな、“ウボォーギンの仇討ち”は行う意味はないな」
「クロロッ、どーゆー意味だッ?!」
あ、名前呼び。
「待てノブナガ、団長は操られているかもしれない」
「操られた覚えはないがな」
団長からクロロ呼びに変わるノブナガに冷静に対応するフランクリン。それに対しても人を食ったような言い方で返すクロロ。
「・・・・・クロロが意味深な言い方するから疑われるんじゃない」
「そうか?俺は元々こんな言い方だが?」
・・・・絶対私に対しての嫌がらせろーが。
「ここからは私が話すよ」
じゃないと話進まなそうだし。
「、話し方はもういいの?」
私が皆の前で普通に話しているのを見て、シャルが声を掛けてくる。
「だって、ヒソカも部外者もいないし。このメンバーはある程度信じれそうだから」
「まぁ確かに」
ウンウンと頷いている若干名。どれほど信用されてなかったんだヒソカ・・・・
「へぇー、ホントに念人形じゃなかったんだ?」
シズクさん・・・・
「改めて“幸災の渡猫”こと・シロノと申します。
4・5年前からクモに飼われていますが私自身普通の人間で特に念人形にはなった覚えはありません。
今回あの話し方をしていたのはほぼヒソカ対策であり必要以上に目を付けられたくなかったからです」
「・・・・・あたし知らなかった」
自分が入団した時には既にいたコトを知り少しムッとするシズク。
「色々事情があって旅団結成時メンバー以外には伏せて貰っていたので知らなかったのもムリないかと」
「ふーん、別にいいけど」
いいのか!!
「・・・紹介が落ち着いた所で、いい加減話進めろ」
シズクと話しているとフランクリンに突っ込まれた。
「、団長が言った意味はどーゆーコトだ?話次第じゃお前も操られていると判断して容赦しねーぞ」
ノブナガ短気だなぁ、って訳でもないか、皆ピリピリしてるし。
「クロロの言ったコトは間違ってないの。“仇討ち”ってさ、“大事な人を殺した人にする行為”でしょ?」
「ウボォーを殺した鎖野郎で間違ってねーだろうが」
「うん、根本的な間違い」
「あぁん?」
「だってウボォー、生きてるもん」
さぁ、説得頑張れ。
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