天災は忘れる前にやってくる169


「ねぇ、の生まれた所は他にどんなのだったの?!」

クラピカと微笑み合っているとウズウズした様子でゴンが尋ねてきた。

「ジャポンに共通点が多いかな。漢字も使われてるし地形もそっくりだよ、寿司もよく食べていたし」

まぁ、回転寿司とか散らし寿司だけど。

「だからお前だけ合格したんだなぁ」

「あれは半分裏技使っただけです」

「裏技?」

「一応チャレンジはしたんだよ。ステーキとか前半で取った豚さんで」

「豚は分かるけどステーキ?」

「・・あッ、エレベーターのヤツ?!」

「ゴン正解。どっちもまぁまぁとは言って貰えたけど合格までには至らなかったんだよね」

「じゃあ何で合格したんだよ?」

「板前さんが握った寿司、つまりはプロの人が作った寿司を出したの」


「「「「・・・・・・・・・・・」」」」

あ、皆同じ顔。


「いくらなんでもセコくないかぁ?!」

「いーじゃん、あの時の試験内容は『指定された料理を作り試験官に食べて貰い合格を貰うコト』、キチンと作ったし(自分で作ったのは不合格だったけど)食べて貰って(プロので)合格を貰ったんだよ。
寧ろ、腐らすコトなく形も保ちながら試験受けてたコトを褒めてよ」

まぁそれも裏技キープ・フード使ったけど。

「ホントだ、凄いやッ!!」

・・・・ゴンの裏のない純粋な尊敬の眼差しは、裏技を使った身としてはちょっと後ろめたい・・・

「・・・まぁ、結局は試験が無効になって再試験だったけどね」

「それもシロガネにやらせただろうが!!」

「だって面倒だったんだもん」

「このッ・・・」

シロガネも私の念、つまりは私の一部だいッ!!

「そーいやシロガネはの念なんだよな、念が使えりゃそりゃ試験も簡単だよな」

まぁ裏試験にするぐらいのモノを本試験で使ってる訳だからね。

は具現化系なの?」

ゴン・・・・

「ゴン、自分の念を教えるというのは本当に危険なんだぞ」

「眼鏡兄さんも言ってただろ」

「あ・・・・・」

「そーゆーコト。
どっちにしてもゴンの必殺技開発には役立たないと思うよ。私かなり特殊だったから」

「特殊?」

「クラピカ、皆クラピカは具現化系だって知っているから聞くけど、クラピカはどーやって念鎖を出せるよーになった?」

具現化系のやり方として教わったと前置きしつつ教えてくれた。

「普通はインスピレーションで浮かんだり愛着や執着があるモノを使うコトが多いらしいんだよね」

は違うのか?」

「一次試験の時キルアには言ったけどね、起きたらいたの」

「「「・・・はい?」」」

「ホントある朝目を覚ますと目の前に頭をベッドに乗せてコッチ見てたんだよね。
触り心地最高だし好意的だから飼おうと思ったのが最初。
クモの皆に言われて初めて私の念だってコトを知った」


「「「・・・・・・・・・・」」」


「因みに、クラピカに使ったもう一つの子シオンはクモと皆でお茶してる時に強化系のヤツ等が暴れだして、ケーキがグチャグチャにされたのを怒った時に出てきたらしいよ?」


「「「「・・・・・・・・・・」」」」


あ、驚き通り越して呆れてる。

「・・・・・ホントにも色々と規格外だよな」

お前等に言われたくないやい。

「多分、世界を越えた影響が出たんだよ」

身体にも補正付いてたし。

「きっと少しぐらい補正がついてないと生き残れないと世界が判断したんじゃない。
なにせ気が付いてから最初に会ったのがクモだし、飼われる運命だったし」

「「「「・・・・・(そうかもしれない)」」」」

『あー・・・』って顔してるよ。

私が言える立場じゃないけど、皆クモを何だと思っているのさ・・・?







「しっかし、幻影旅団と会ってよく無事でいられたよなぁ・・・」

レオリオが改めて溜息を付きながら言ってきた。

「なんか私自身に心当たりはなかったんだけど、当時噂になっていたんだって」

がか?」

「“幸災の渡猫”って聞いたコトある?」

「コウサイノワタリネコ?ネコの一種?」

ゴン、それはそのままじゃない・・・

「・・・“幸災の渡猫”、4・5年前に一時期裏社会で騒がれていたモンだな。
手にした者は次々を幸運を手にするが、同時に不幸に見舞われている。
それでも自分は運が強いからと言って狙う輩が後を絶たなかったらしい。
それを手にしていられる時間も様々で、3日手にする奴もいれば1時間で終わった奴もいる。
気まぐれに渡り歩いて幸運と災難をもたらすつっコトでついた名前が“幸災の渡猫”って訳だ」

意外と情報通のレオリオが説明をしてくれた。

「あー・・・一時期豚君ミルキが騒いでたな。なんか人形みたいなヤツで『フィギュアのように飾っておきたい』とか言って痕跡追っていた気がする。
結局、途中で情報が途切れたみたいで地団駄踏んでた」

・・・・追いつかれずに済んでよかった。(シャルが消したんだろうな、グッジョブ!)

「んで、それ私」

「「「「・・・・は?」」」」

「経緯とか今でも分からないけど、そーゆー風に呼ばれてたから一応持ち帰ろうって話になって今に至ります」

「何か話省いてないか?」

「気の所為気の所為」

だって未だによく分かってないし、これ以上説明メンドイ・・・・

いーじゃん『不思議なコトが起きました』で。









夢主の説明、何かややこしかった・・・・(曖昧にしていた部分がね・・・)